「弱音を吐くのはクランクアップ後」(窪塚)、「2人で演じる姿が想像できた」(蒔田)
――出演オファーを受けた際の気持ちを聞かせてください。
窪塚:最初は「え、僕?」と驚きました。自分が主役を担えるなんて思っていなかったです。
主演以前に自分の中で課題があふれている状況だったので、引き受けることに少し後ろめたさがあって。主役をいただけることは嬉しいけれど、自分がきちんと担えるのかと弱気になっていました。
僕自身がもっとレベルアップしてからのほうが…と思っていましたが、脚本を読ませていただいたら、そういう気持ちは一切なくなりました。自分に自信を持てたとかではなく、この作品を逃したら、僕の俳優人生にとって大きなマイナスになると思いました。
せっかく今の僕をキャスティングしてくださったのだから、そのありがたさを噛み締めて本気で臨もう、弱音を吐くならクランクアップしてからだと、気持ちを切り替えました。
W主演として蒔田さんが責任の重さを半分担ってくださったので(笑)、すごく心強かったです。
蒔田:ふふふ(笑)。私も愛流くんと同じで、“1人じゃない”というのはすごく心強かったです。由茉役はもちろん楽しみでしたが、今まであまり演じたことのない役柄だったので、話し方や見せ方など1つひとつが難しそうで不安もありました。
でも、いただいた脚本が本当に素晴らしくて、愛流くんと2人で演じている姿が想像できたのでぜひ挑戦したいと思いました。
――由茉は余命わずかながら、大好きなロリータファッションに挑戦し、日本一のカレーを食べに行き、愛する雪夫と最期まで精いっぱい生きます。この作品に携わったことで、生き方や死生観に変化はありましたか?
窪塚:命の大切さを改めて実感しました。雪夫として、自分の大切な人が亡くなる現実にいざ向き合うと、今までにない感情が湧きました。
雪夫は由茉の幸せを尊重するため、余命わずかという現実も、由茉の希望も受け入れます。自分のエゴを手放し、大切な人の思いを最大限に受け止めることが、自分の幸せにもつながるのかなと考え、僕自身も“受け入れること”を大切にしようと思いました。
蒔田:普段当たり前のように過ごしている日々や、そばにいてくれる人、そして自分自身ももっと大切にしないといけないと、由茉を演じて、そして完成した作品を観て改めて思いました。