南雲朱音(なぐも・あかね)/大竹しのぶ

海の祖母

一人娘である南雲水季が大学生になり東京に行って以来、夫・翔平と静かな生活を送っている。

水季は不妊治療の末に授かった大切な一人娘。朱音は全力で愛情を注いで水季を育ててきた。時に親子ゲンカをすることも、すれ違ってしまうこともあった。

親子のコミュニケーションに関していろいろと感じていたある日、娘に子どもができたことを知る。どうするのか激しい言い合いになりながらも、結果、産むと決め、父親には知らせずに1人で海を育てる決心をした水季を、陰となり日向となり見守ってきた。

次第に母と娘の関係も修復し始めていたさなか、大切な一人娘が自分より先に死んでしまうという過酷な現実を突きつけられてしまうことになり…。