仲野太賀 享のチャラさは「探り探りでやってます」
──元軍医のヨウコは英語と岡山弁を話す難しい役柄かと思いますが、どのような役と捉えて演じていますか?
小池:ヨウコは、おおらかさがあって、どんな立場の人とも対等に、自分の意見をハッキリ言う。時に日本の文化のなかでは失礼に感じてしまう言動もあるかもしれませんが、ヨウコには失礼に感じさせない突破力があって。元軍医という設定もあって、思いっきり遊べる役柄だなと感じています。
今は語学指導をしてくださる先生に、アメリカで育った方ならではのちょっとした会話中の手のアクションなどを教えていただきながら、リハーサルでいろいろと試しながら役をつくっています。
私が英語をしゃべっていることすらも、視聴者の皆さんには笑いながら楽しんで見ていただきたいですね。頑張ってはいますが、やはりネイティブな発音には達していないところもあると思うんです。それでもドヤ顔で突っ走りますので(笑)。
コントの延長のような、“エンタメ”として楽しんでいただけたらうれしいです。
──気持ちを追い込みすぎずに臨んでいるということでしょうか。
小池:そうですね…やっぱり難しいですから。英語はレッスンを積み重ねても、「これでいい」というラインはなくて。先生が細かく指導してくださいますけど、実際にお芝居をしてみると、うまくいかないことも多くて。セリフが飛ぶことも多いですし。
特に医療シーンの長セリフなんかは、もともと医療の知識がないうえに、医療用語が英語になっているので、作業をしながら、人に指示を出しながらセリフを言うとなるとパニくるんですよ。
でも、クランクイン前にやったリハーサルのときだったと思うのですが、「周りもみんな、日本語だけど英語っぽいなまりになっていたら、私の(英語の)下手さが目立たないんだけどな」と言ったら、瞬時に太賀さん、濱田(岳)さん、岡部(たかし)さんが取り入れてくださって。
本当に心強いなと思いましたし、大変なことも多いですけどこのメンバーとだったら楽しめそうだなと思いました。
──仲野さんは役柄についていかがですか?
仲野:僕が演じる享は、美容皮膚科医師として麻酔の勉強をするために聖まごころ病院に来ているので、外科手術の経験や専門的知識も少なくて、運ばれてくる患者に対しての覚悟もないような人。
小池さんが演じるヨウコは自由で芯を持っていますが、享は逆になんの芯もない、いろいろなことに流されていくキャラクターなのかなと思っています。港区で豪遊していそうな、チャラチャラした成金です(笑)。
小池:素足ですしね(笑)。
仲野:7分丈パンツで、素足です(笑)。
そういうキャラクターが、新宿・歌舞伎町といういろいろな人が入り混じっている街で、ヨウコという人に影響されて成長していくような役になっていく気がしています。
──享のチャラさはすでにつかめてきていますか?
仲野:チャラさの種類もいろいろあるでしょうし…いい塩梅を探り探りやっています。享は聖まごころ病院の院長・高峰啓介(柄本明さん)の孫で、一応医療の道を志した人間でもあるので、きっとどこかには「人のために何かしたい」という思いもあるだろうし、丁寧に表現していきたいです。