<田上向日葵(プロデュース)>
本作の最大の魅力は、誰もが隠している愛おしい孤独を描いていることだと思っています。
取材を重ねるなかで触れたホストのみなさまの短歌や言葉は、決して遠い世界の出来事ではなく、息が詰まるような社会を生きる、私たちの心の叫びそのものであるように感じます。
誰といても消えない寂しさ、誰かの特別な存在になりたいという願い、そして朝焼けとともに訪れる虚無感。
歌舞伎町という夜の街を舞台に、迷いながらもさまざまな愛のかたちを求める人々の繊細な心を、丁寧に描きました。
胸の奥に秘めた心の隙間と向き合いながら、不器用に生きる登場人物の姿を通して、ふと心が疲れた夜に、そっと寄り添えるような作品になれると大変うれしいです。
<貸川聡子(プロデューサー/共同テレビ)>
初めて『ホスト万葉集』を手にしたとき、嘘や孤独、欲望が織りなす複雑さをそのままゴロンと出されたような、短歌でなければ表現できないものがそこにあって、その歪(いびつ)な美しさと面白さに夢中になりました。
何が嘘で、何が本音で、何が本物か…本人たちにすら、わからない。その感覚になぜか共感できるのは、ホストだけでなく、現代に生きる私たちも同じような世界にいるからかもしれません。
コロナ禍に出会った『ホスト万葉集』を、6年の時を経てドラマ化できたことを心からうれしく思います。
登場人物たちのある種の“青春”を描くとともに、短歌そのものの魅力もお届けできたら幸いです。
