<羽田美智子 コメント>

この作品は、私にとってもすごく特別な作品で、今から10年以上前に撮った作品ですが、私に人生を教えてくれたドラマでした。

当時、昼ドラという枠で放送したドラマですが、月曜日から金曜日のお昼30分の番組。週5日の30分を撮るのに、撮影は1日大体100数ページ分を撮るんですね。

そのセリフを覚えるのが週の3日間。大体2時間ドラマの1冊半分位のドラマを3日間で入れて、4日間で撮影をするというスケジュールになってくるんですが、それを高齢の野際さんも同じようにこなされていた。そんな先輩の姿を見させていただいたドラマでした。

本が面白くて、30分の中に起承転結があり、明日も見なきゃと思わせる最後のハプニングで終わらせることを、ずっと続けていくんですね。

こちらにいるプロデューサーの方たちにも、楽しい現場作りをしていただいて、現場はとても笑いあり涙ありで、この仕事があったから今の私があると思える作品でした。

こんなにつらい思いをした作品だから、テレビで流れて終わりはイヤだなぁと思ったんです。この作品が長く長く続くといいのになぁと思っていたら、世界に羽ばたいていってくれました。

嫁姑問題は世界共通だそうです。言語を超えて、言葉を超えて理解していただける感情だそうで、嫁姑戦争は世界一緒なんだなということもわかって、ますますこれから海外に羽ばたいていってくれることを祈っています。

天国にいらっしゃる野際陽子さん、そして山本圭さんにもいい報告ができると思って、うれしく思います。

また、今年1月1日、日本に激震が走った能登半島地震のニュースですが、ドラマはまさしく石川県の金沢市、七尾市、能登が舞台でした。

現地の方に大変お世話になった地域が被害にあわれたことを、大変心苦しく思っています。今日、このうれしい報告ができることを感謝申し上げます。

1日も早い復興を祈って、またできることから始めたいと思います。本当に特別賞ありがとうございました。心から感謝申し上げます。