ブランド名は知らなくても「このデザイン見たことある!」という方は多いはず。そんなフィンランドのデザインハウス「マリメッコ」の展覧会が東京で開幕し、その内覧会に行ってきました。

京都からスタートした『マリメッコ展 模様のちから Marimekko: Art of Printmaking -Beauty, Dream, Love) 』。東京での会場は、アール・デコ装飾の内装が見事な旧朝香宮邸、東京都庭園美術館です。

アール・デコ×マリメッコにワクワク!

マリメッコは1951年の創業以来、3,500種類以上のプリントデザインを世に送り出してきた、世界中でおなじみのデザインハウス。筆者が参加したプレス内覧会には、ファンイベントかと思うほど、マリメッコのドレスをまとったり、バッグを持ったり、という記者の姿が多く見られ、日本での人気ぶりがうかがえました。

アール・デコの旧朝香宮邸になじむマリメッコの「模様のちから」

時代の隔たりを感じないコレクション(本館1階 大広間)

会場に入ってまず目を奪われるのが、天井の格子縁の照明が美しい大広間に飾られたドレスの数々。ここには1960年代から現代まで、さまざまな時期の作品が展示されていますが、時代の隔たりをまったく感じません。柄もデザインも流行に左右されず、長く着続けられるものだという証明です。

当時は画期的だった“走り回れる”ドレス(本館1階 大広間)

マリメッコのドレスは、ゆったりとしたラインと軽やかなコットン素材で作られています。1950年代当時はコルセットでウェストを締めつける洋服が主流だったため、女性が走り回れる、自由に動ける機能性を追求したスタイルは画期的でした。

おなじみの花柄《ウニッコ》は1964年生まれ!(本館1階 大客室)

シャンデリアの美しい大客室で、ひときわ鮮やかで目を引くのが、大きな花柄で元気をもらえる《ウニッコ》。1964年に生まれたとは思えないフレッシュさ!実は創業者のアルミ・ラティアさんは、「花は野に咲く自然な状態以上に美しいものはない」という考えから、花をテキスタイルの柄にするのには否定的だったそうです。

それをアルミさんの友人でもあったデザイナーのマイヤ・イソラさんが抽象画としてデザインしたことで、マリメッコを代表するデザインが日の目を見ました。歴史ありです。

ポップなドレス×クラシックなカーテン(本館1階 大食堂)

庭から光が差し込む円形の張り出し窓のある大食堂には、ポップなサマードレスが3着。クラシックなドレープのカーテンになじんでいるのが不思議です。

2階への階段の美しいこと!

東京都庭園美術館の2階へ通じる第一階段は、筆者が訪れるたびに「すてきだな~」とうっとりする、大理石とアール・デコ調の手摺りが織りなす空間ですが、マリメッコの大きなファブリックがずっとそこにあったかのように溶け込んでいます。階段の上から見ると、幾何学的な花模様のホールの照明柱との調和が実にエレガントです。

アール・デコの照明とのハーモニーが見事

皆川 明の描き下ろし!色とりどりの柄のチェーンも必見

2階で必見なのが、多くのクリエーターとコラボレーションを行ってきたマリメッコが、今回、白羽の矢を立てたデザイナーの皆川 明さんの作品です。

皆川 明さんの《Marimekko’s Timeless World》

《Marimekko’s Timeless World》というタイトルが示す通り、皆川さんはマリメッコのデザインが流行に流されず時代を超えて受け継がれていることへの敬意を、チェーンという形で表現しました。

この大きな輪のチェーンには、今回の展覧会のために皆川さんが描き下ろした「Tuulla」もあり、来場者はどこにどんな柄があるのかしら?と楽しみながら鑑賞していました。ワクワクさせるデザインのマジックを感じました。

マリメッコの製品はファッションにとどまらず、インテリアやテーブルウェアなど、暮らし全般に広がりますが、それが、旧宮邸の部屋や廊下に実に見事に配置されています。 

庭をのぞむベランダにはマリメッコのクッションが
「第一浴室」には雪イチゴのファブリック
普段の暮らしに美しさを

新館では、ヘルシンキのプリントファクトリーでの制作の様子を表現した展示や、マリメッコのテキスタイルが生み出される過程、使われる道具なども見られます。

最初から最後まで、タイトルにある“模様のちから”に引きつけられる、おしゃれな展覧会です。