──主人公・水沢真澄役をディーン・フジオカさんにお願いした経緯を聞かせてください。
法医学に関する取材を重ねながら、主人公像や物語の展開についても考えていたのですが、実際にお話をうかがった先生のイメージが僕の中では大きくて。日本とは別のところでバリバリと仕事している法医学者が日本に帰ってきたら…という設定は自然と浮かんできました。
あとは、今は欧米で取り入れられているメディカルイグザミナーが日本に取り入れられたら…という設定にしたときに、主人公は言語も含めて国際的なイメージと説得力が必要だなと思っていたんです。
そこにプラスして、今回はあえて天才っぽくしすぎないと言いますか、飄々(ひょうひょう)としていて掴みどころがないけど、柔らかい雰囲気を持ったキャラクターを作りたいなと思っていました。
そんなときに事務所の方とお話をする機会があり、ディーンさんの話題が出てきたんです。ディーンさんの出演作は拝見していますが、日本語も英語も堪能でグローバルに活躍されていて、端整なルックスの反面、バラエティなどでは可愛らしい様子も見せていらして、真澄役にぴったりだな、と。
『シャーロック アントールドストーリーズ』『モンテ・クリスト伯 -華麗なる復讐-』(ともにフジテレビ)での研ぎ澄まされた役柄を演じる印象も強いと思いますが、ディーンさんの柔らかさが出せれば、一つの武器になるかもしれないと思い、すぐにディーンさんへ相談しに行きました。
主人公のキャラクター像はディーンフジオカと何度も打ち合わせ!
──真澄のキャラクターづくりで一番大切にしているポイントは?
真澄は、孤高の天才のキャラクターにはしたくなくて。人の人生を扱うので、温かみや親しみがあり、視聴者の方が「この人になら頼める」と思ってもらえるような、いい意味で“隙”をつくったほうがいいのかなと思っていました。
そういったキャラクターをつくるうえで一番大切にしたのは、天才性が見えながらも、体温がちゃんと感じられることですね。
──実際にディーンさんが演じる真澄を見た感想を聞かせてください。
ディーンさんとは役についてたくさん話し合ってきました。時には一緒にお弁当を食べながら、ということも(笑)。そのなかでアイデアをいただくこともあり、本当に綿密にやり取りをして作ったキャラクターなんです。
なので、映像の中に現れたときは、ディーンさんがそれまでの話し合いからさらに膨らませたキャラクターを作ってくださっていたので「こういうふうに結実したんだ」と、感慨深かったです。
──ディーンさんのアイデアで、実際に反映されたのはどんなものですか?
真澄は子供心があるんですよね。謎に対してワクワクして、突き動かされるように、その謎を解くことがモチベーションになっている。その“童心”は、ディーンさんからご提案いただいた部分です。
そこから「パッチンカップ(※)で遊んでみましょうか」などと、演出が足されていきました。ステキなアイデアをいただいたなと感じています。
(※)底を押して裏返すと「パチン」と音を立てて跳ね上がる、小さな半球状のバネおもちゃ
相性ピッタリの“バディ”悩むディーンフジオカに瀧内公美がアドバイスすることも!
──MEJのセンター長・桐生麻帆を演じる瀧内公美さんの起用理由を聞かせてください。
麻帆は真澄のバディのような役で、天才に振り回されるヒロインの構図になるので、どんな方がいいのかとずっと考えていたんです。もしかしたら、テレビドラマで広く知られている方だと、これまでの役柄のイメージが視聴者の先入観になってしまうかもしれない、と思うこともありました。
なので、テレビドラマよりも映画に出演されることが多くて、まだ麻帆のような役柄を演じていない方にお願いしたいな、と。そこで、昨年たくさんの映画に出演されて賞をいくつか受賞されている瀧内さんへご相談にうかがいました。
──ディーンさんと瀧内さんのバディ感は、現場で見ていていかがですか?
2人がかけ合う様子を見ていても、すごく息ぴったりで相性が良いなと思います。どんな出方をしても瀧内さんが合わせられるので、ディーンさんは「お芝居の楽しさを感じている」ということもおっしゃっていました。
麻帆はもっとピシッとした大人の女性になるイメージもありましたが、瀧内さんが親しみやすい、応援したくなるようなヒロイン像をいいバランスで加えてくださったので、すごくチャーミングなキャラクターになりましたね。
それに対して真澄も対応できるキャラクターなので、相互に補完できるステキなバランスの2人になったと感じています。
──芝居に関して、お2人で相談することもあるのでしょうか?
よく「どうすればやりやすいか」「こっちのほうが動きやすい」「ここのかけ合いはこの間(ま)で詰めるのはどうか」など、綿密にお話をされています。ディーンさんが悩まれている部分に瀧内さんがアドバイスして、スムーズに流れていく…ということもありますね。
あと、現場には若手の法医学者役の皆さんもいますが、彼らを瀧内さんが和ませる場面もよく見かけます。そのおかげですごく現場が穏やかに進むので、瀧内さんは太陽のような存在ですね。
