東京・お台場のフジテレビ球体展望室「はちたま」にて2026年4月25日(土)から6月28日(日)の期間限定で開催している『THE SUNSET OF MARS』。舞台は人類未踏の地・火星――。自らの足で赤い大地を歩き、探査する“次世代型VR宇宙旅行”が体験できる、注目の没入型イベントをフジテレビの安宅晃樹アナウンサーと、約20年にわたり火星を研究してきた惑星科学者・関根康人さんが体験。
火星研究20年以上の専門家も圧倒的な再現度に「夢が叶いました」
長年、火星の研究をしてきた関根先生の目にはどう映ったのでしょうか。改めて感想を伺いました。
安宅アナ:
火星を20年研究してきた関根先生から見て、今回のVR体験はどうでしたか?
関根先生:
驚きましたね。このリアリティと、火星に飛び立つ時の地球の美しさ。地球とは違う火星の部分が肌で感じられて、火星20年研究してきてよかったなと思いましたし、夢が叶いました。
岩石の質感の作り込みと、クレーターや山の岩肌や斜面の感じなど、その辺が本当にもうリアルな火星が体験できるなと思いました。
安宅アナ:
途中しゃがみ込んで砂を採ろうとしてましたよね。
これは本当に全国民に体験してほしいくらいですね。
関根先生:
本当ですね。これを体験したらみんな「火星に行きたい」って思うに違いないなと思いますね。夢が広がります。
安宅アナ:
関根先生は多くの人が宇宙への関心を持ってもらいたいと話されています。
その中でこういったイベントが開催されることについていかがですか?
関根先生:
そうですね。VRだと五感で感じることができますし、人間の全感性が刺激されれば、宇宙に向けての関心も高まると思うので、すごいイベントだと思いますね。
安宅アナ:
個人的には宇宙に行った人間がどういう感情になって地球に戻って来るんだろうと思っていたんですが、短い時間でしたけども、ただただ火星への名残惜しさが勝つなと思いましたね。
関根先生:
火星を第二の故郷と思うかもしれないですよね。
安宅アナ:
ただ、ちゃんと見てみると地球とは全く別の星ということも感じられますし。
関根先生:
生き物がいるかも…という気持ちも少し湧きますね。
触れる“火星の砂”に安宅アナ興奮!砂の色に隠された生命の可能性…
さらにこのイベントでは、フジテレビ24階コリドールに東京科学大学の全面協力による「火星探査 特別展示ギャラリー」を併設。
火星の周回軌道から火星の夜空に舞う「緑のオーロラ」や、全土を覆う「巨大砂嵐」を捉えることができる周回軌道衛星に搭載されたカメラの模型や…
月や火星の地表を探査するロボットなどが展示されています。
その中でも安宅アナを興奮させたのが、「火星表層模擬物質(シミュラント)」と呼ばれる、火星の表面を覆う赤い砂を再現したもの。
実際に見てみると、赤褐色でまるでココアパウダーのようにきめ細やかな砂が広がっています。ここではその砂に実際に触れることができるとあって、興味深そうに手に取って確かめる安宅アナ。
安宅アナ:
粒子はこれだけ細かいものなんですか?
関根先生:
火星の場合はグローバルダストストームって言って全球的な砂嵐が10年に1度くらい起きるので、風で飛ぶようなこういう細かい砂が大体どこでも降り積もっています。
安宅アナ:
こんなにサラサラなんですね
関根先生:
100ミクロンくらいの大きさの粒子なので、ちょうど髪の毛の直径と同じかそれより少し細かいくらいです。これくらいの砂が実は風で1番飛びやすい砂なんですよ。これより大きと重いので飛びにくいんですが、これより細かいと逆に片栗粉みたいになって飛びにくいんです。これくらいがちょうど飛びやすいので火星中を覆う砂になるんです。
関根先生:
そしてこうやって手につきますよね。大体100ミクロンくらいというと指紋の溝にちょうどハマる大きさなので、こうして取れにくいんです。
さらに、この赤褐色に隠された秘密についても教えてくれました。
関根先生:
基本的には岩石の成分を再現して作ったもので、先ほどの火星にも黒い岩(玄武岩)があったじゃないですか?あれが風化して細かい砂になるとこのような感じの赤褐色に見えるんです。
岩石で固まると黒く見えるんですけど砂にすると赤っぽく見えるので不思議なんですよね。
ディレクター:
火星が赤いイメージなのはこの砂の色なんですか?
関根先生:
そうです。酸化鉄の色ですね。
なので火星に積もったこの砂を剥がすと黒い岩石が出て来るんです。
ディレクター:
酸化鉄ということは酸素があるということですか?
関根先生:
いえ、大気中の酸素で酸化しているわけではなく、実は水で酸化してるんです。
自転車のサビなんかも大気の酸素というか、雨に濡れたあとにサビやすいんですが、それと同じように水がサビを作っています。なので火星が赤い理由は昔 水があったから赤いんです。
月も実は火星と同じ物質でできているんですけれど、赤くないのは水がないからなんです。
ディレクター:
ということは月より火星の方が住めるかもしれないということですか?
関根先生:
それは断然そうだと思います。まぁ遠いですけどね。
ディレクター:
すでに氷も発見されていますよね?
関根先生:
はい。場所によってはちょっとだけ砂をすくえばすぐ下に氷が見えるくらいたくさんの氷があります。昔海だった場所が今凍っていて、その上にこの砂が薄く降り積もっているようなイメージです。
火星の赤い色が、かつて水が存在していた証であり、そのことが生命の可能性へとつながっていると考えると、なんともロマンを感じさせますね。
