真飛聖さんが、自身初となる一人芝居への意気込みを語りました。

元宝塚歌劇団花組トップスターで、2011年の退団後は舞台、映画、ドラマで多くの話題作に出演している真飛さん。主な出演作に、映画『レンタル・ファミリー』(2026年)、ドラマ『身代金は誘拐です』(2026年/読売テレビ)、舞台『多重露光』(2023年)などがあります。

そんな真飛さんが、舞台『ガールズ&ボーイズ』で一人芝居に初挑戦します。増岡裕子さんとのWキャストで、原作はイギリスの劇作家デニス・ケリー氏。ある一人の女性の人生を追いながら、愛、結婚、仕事、そして出会いと喪失を描き、現代社会に潜むさまざまな歪みを浮き彫りにしていきます。

真飛さんに、本作の印象や稽古で感じていること、真飛さんならではのお芝居の広げ方について聞きました(前中後編の前編)。

真飛聖「めくってもめくっても…」終わりなきセリフに対峙

――初の一人芝居ですが、稽古の手応えはいかがですか? 

台本をめくってもめくっても私のセリフなので、終わりが見えないような感じがしています。通常の舞台なら、お稽古で自分の出番がないときは作品を俯瞰することができますが、今回は一人。「スタート!」と言われたら自分だけがずっと出ているというのは初めての経験なので、まだ余裕がないです。

――本作は、一人の女性の人生が予期せぬ形で崩れていく過程を描いています。物語の印象を聞かせてください。

順風満帆に見えた主人公の“わたし”の人生にちょっとずつほころびが生じ、パラパラと崩れ、衝撃的な出来事が起こります。「それでも生きていく」という強いエネルギーや、少しずつでも自分のペースで前を向いていく力が感じられる作品だと思います。

また、劇中では男女の違いについても語っています。男性が「女性ってこんなこと思ってるの?」と、ひるみそうになるくらい強い言葉もあると思いますが、決して男性のことを悪く言っているわけではない、ということもきちんと伝わってほしいと思っています。

―― 一人芝居ですが、舞台はどのように展開していきますか?

演出の稲葉賀恵さんは、劇場全体をカウンセリングルームのようにイメージして「“わたし”もお客さまも、それぞれ話したいことがあってここに集まってきた」というふうに考えていらっしゃいます。実際、私もお稽古で、“わたし”が自分のことを語っているうちに脳内が整理・浄化されていくのを感じました。

ですから「私、悲しいのよ。聞いて!共感して!」という一方的な一人語りではなく、「みんな聞いてください」というフラットな姿勢にしていきたいですし、“わたし”の生きる力を感じてもらえるような舞台にしたいと思っています。

ただ、お客さまには、“わたし”の言葉からほかの登場人物や状況を想像していただかないといけないので、頭も体力も使うと思います。ある意味「参加型」なので、終演後は私と同じぐらいヘトヘトになっているかもしれません。「自分たちも“わたし”と一緒に生きた」という錯覚が起きそうな作りになっているので、そこを面白がって観ていただけたらいいなと思います。