撮影初日からデリカシーのない「“おっさん”=沖田誠」を熱演

「お茶は女の人が淹れた方がおいしいだろう」。

都内のとあるオフィスに、原田泰造さんの大きな美声が響きました。『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』のクランクインは、10月上旬。

クランクインのあいさつが終わり、独特な緊張感と期待の入り交じった空気の中、最初に撮影したのは、原田さん演じる主人公・沖田誠が勤める「銀杏事務機器リース」のオフィスシーン。

原田さんは監督と入念に打ち合わせをし、営業戦略室室長・沖田誠のキャラクターを作り上げていきました。そして、カメラが回り、発したセリフが…「お茶は、女の人が淹れた方がおいしいだろう」。

リアルならセクハラ&パワハラ間違いなしの発言。名もなき雑務を部下の女性に押しつける誠は、さらに…「愛嬌は女性の武器だろ。嫁に行きそびれるぞ」など、アウトなセリフをたたみかけます。古い常識・偏見で凝り固まった「“おっさん”=誠」を象徴するシーン。

そんな誠の古い常識を際立たせるのが、メンズブラを愛用する青年など新しすぎる(?)常識を持った若い部下たち。特に、監督からは誠と部下の関係性や空気感について丁寧な説明があり、両者の常識の温度差をハッキリさせるような演出が入ることも…。

例えば、迷惑をかけた取引先の社員に誠が謝罪するシーン。頭を下げる誠を前に、お茶を持ってきた部下が「人間ですから(間違えることもある)」と空気を読まず、あけすけに応える…まるでコントのようなやりとりが展開され、リハーサルではスタッフから自然と笑いが起こりました。

古い常識全開な、“おっさん”=誠が、これからどんなふうに悪戦苦闘をしながら常識をアップデートしていくのか。期待が高まるクランクインとなりました。