中島健人さんが、ドラマ『リビングの松永さん』での役作りについて語りました。
2024年1月9日よりスタートする火ドラ★イレブン『リビングの松永さん』(カンテレ・フジテレビ系)。ひょんなことからシェアハウスで共同生活をすることになった恋に不器用なカタブツのアラサー男と、ピュアで一生懸命で恋愛偏差値「3」の女子高生の年の差ラブコメディです。
主人公の松永純(まつなが・じゅん/29)を中島健人さん、松永とともにシェアハウスで暮らす女子高生の園田美己(そのだ・みこ/17)を髙橋ひかるさんが演じます。
<中島健人&髙橋ひかるによる年の差ドキドキラブコメディ『リビングの松永さん』放送!>
火ドラ★イレブン初主演となる中島さんが取材会に出席。撮影現場の雰囲気や松永役について、共演者とのエピソードなどを語りました。
松永さんのおかげで健康を気にするようになった
<中島健人 インタビュー>

──撮影が始まっているそうですが、現場の雰囲気はいかがですか?
いい空気感で進んでいますね。以前出演させていただいたドラマ『彼女はキレイだった』と同じプロデューサーさんなのですが、和やかさだったり、一致団結しやすい空気感だったりが当時と似ていて。キャスティングされた皆さんと本作の相性の良さも感じながら過ごしています。
──実際に松永さんを演じてみていかがですか?
アイドルの活動をしていると、12月は歌番組やイベントの出演もあり、繁忙期なのですが、松永さんを演じることで気分転換になっている気がしています。普段よりも声のトーンを2トーンくらい落としていて、話し方も、雰囲気もまったく違うので。
ただちょっと侮っていたなと思うことがあって…松永さん、すごくしゃべるんですよ(笑)。『リビングの松永さん』と言うくらいだから、リビングでじっとしているのかと思ったらずっとしゃべってるし、ずっと動いてるし、ずっと脱いでるし。だから、セリフを覚えることはもちろんですが、体にも気を使う必要があって。
実は、少し前まで僕、幸せな時間を過ごしていたもので、“わがままボディ”だったんです(笑)。でも、11月から強制プログラムを始めて、週6でジムに行っていて。まだまだこれからも脱ぐシーンがたくさんあるようなので、気が抜けないですね。
撮影の合間に食べるお弁当にも気をつけています。今まではハンバーグやステーキとかガッツリしたものをオーダーしたうえで、お菓子も、フルーツもたくさん食べていたのですが、最近はサバ弁当とかプロテインフードをお願いすることが多くて。松永さんのおかげで、健康にも気をつけるようになっています(笑)。
12月って、会食も多い季節ですよね。この間、仕事関係の方と18時からお寿司屋さんに行って、お相手の方から日本酒をすすめられてもお断りをしながら3時間くらいお食事をして。そのあとジムに行って2時間近くトレーニングをしたんです。ちょっと自分でも引きました(笑)。
あまりそういうストイックな生活はしていませんでしたが、2024年には30代に入りますし、体もレベルアップしたいと思っているところだったので、今、松永さんという役に出合えたことは自分の中でも大きなポイントになりそうです。これから大きな挑戦をしていくうえで大切なフィジカルのレベルアップを、松永さんを通してどんどんしていきたいと思っています。
──忙しいなかでセリフを覚えるコツはありますか?
うーん…僕、セリフ覚えられなくて、毎回自分の感覚で言ってしまっているところがあるんですよね。
ただ、久しぶりにドラマをやると「覚え悪いな」と思うけど、2週間ぐらい経つとすぐセリフが頭に入るようになってくるんです。コツというより、慣れですね。だから、ドラマの撮影中はすごく記憶力が良くなります(笑)。
この間、スケジュールを見誤ってしまって、その日に撮る予定の、結構長めのシーンをなぜか僕は撮らないと思い込んでいたことがあって。メイク中に撮ることに気づいてセリフを覚えたっていうこともありました。そのときは、なんとか本番までに間に合いましたね(笑)。
あとは、会話のキャッチボールができるように、共演者と深くコミュニケーションをとっていれば、セリフ覚えが良くなっていく部分もあると思います。
──台本を読んで、撮影をして感じた作品全体の印象を聞かせてください。
作品全体としては、23時台にこっそりと覗ける秘密のシェアハウス恋物語というテーマがありますが、個人的には久しぶりに中島健人をカジュアルに見られるドラマだなと感じています。
最近、映画「ラーゲリより愛を込めて」など、フォーマルというかシリアスというか、そういう面を見せることが多かったので、「20代の最後にラブコメやるんだ」という驚きが自分でもあって。30代になっても求められたらやりますけど(笑)。
20代最後ということもありますが、転換点を迎える時期にやっているので、自分にとっては記念すべき作品で、大切な作品になると思います。
あとは、中島健人の隙も見られるんじゃないかな。

──どのような隙が見られるのでしょうか?
僕が今まで演じてきた“強め”のキャラクターは、マウントを取ってそれで終わりという感じだったのですが、松永さんはマウントを取るけど、相手にマウントを取り返される。圧倒的なサディストではなくて、ちゃんと人間味がある、無骨な、熱血、不器用デザイナーなんです。
それに裸で筋肉を見せびらかして、カッコつけていますし(笑)。そこに僕の隙も垣間見えるんじゃないかな、と。
──本作は、松永さんと美己の恋物語。高校2年生から見た29歳の男性はかなり大人に見えていると思いますが、演じていて「惹かれる理由が分かる」など、気づきはありましたか?
高校生から見たら本当に大人ですよね。自分が10代とか20代前半のときに、同世代の女性が「年上の男性に憧れる」とよく耳にしていましたが、その理由は松永さんを演じていてなんとなくわかった気がしています。
当時、「10代の自分には何が足りないんだろう」「何が違うんだろう」と思った記憶がありますが、そこに飛び込みたくなるような余裕なんですよね、きっと。10代や20代前半で余裕のある人なんていないし。
今の僕は余裕ありますよ!…いや、ないかもしれない(笑)。でも、自分のビジョンを思い描いて見通す余裕は、今が一番あると思います。
共演者の姿に「10年前の俺じゃん!」
──撮影現場での、共演者の皆さんとのエピソードを聞かせてください。
シェアハウスに住む大学生・の北条凌(ほうじょう・りょう)を演じている藤原(大祐)くんは20歳なのですが、番宣で出演したバラエティ番組で急に突拍子もないことを言いだしたんです。「え、どうしたの!?」と聞くと「いや、今日何もしゃべれていなくて。爪痕を残したかったので」って。不思議メガネキャラ女子・あかね役の大久保桜子ちゃんも、トークのときに弁が立つ感じで面白いし。
2人を見ていると…「もう、それ、10年前の俺じゃん!」と言いたくなる(笑)。前のめりで、好奇心旺盛MAXだった頃の自分を思い出させてくれる瞬間が多いんです。「俺らも20歳の頃、そうだったよな」「爪痕を残したくて、目立ちたくて、いろんなこと言ってたな」と向井康二とよく話しています。
<『リビングの松永さん』藤原大祐、大久保桜子、黒川智花が出演!>
──それが新たな刺激になることもありますか?
刺激というか、「かわいいな」と思っちゃいますね。
僕も昔は当たって砕けろ精神で、スベってもやり続けることが大切だと思っていましたけど、今はある程度のキャリアを積んだことで“守り”も考えるようになっていて。確立されたイメージもあるから崩しづらいというか。
でも、そういうものが構成される前の表現者はなんでも挑戦できるし、彼らはそういう瞬間を今過ごしているんだなと思うとかわいくて、美味しいご飯をおごりたくなっちゃいます(笑)。
──実際、ご馳走はしましたか?
いえ、まだですね。シェアハウスメンバーで1度そういう会を設けられたらと思っています。
──年長者として現場に入ることも増えてくる年代かと思いますが、現場での共演者との向き合い方などに変化はありますか?
何か言うたびに、ひかるちゃんから「さすがです!健人先輩!」と言われ、藤原くんには「憧れなんです」と言われ。実感はなかったのですが、いつの間にかそういう年齢になってきているんですよね。

ありがたいことに10代から座長をやらせていただく機会はありましたが、今までは少なからず甘えられる環境もあって。でも、年齢的にも引っ張っていく立ち位置になってきていますし、これからは自分に自信と誇りと強さを持って、甘えすぎない、でも肩ひじを張りすぎない、たくましい人を目指していきたいです。
そして、この現場では、カッコいい生き様をみんなに見せていこうと強く思っています。
──座長として、この現場で心がけていることはありますか?
結局は体調が一番大事なので、食に気をつけています。お腹いっぱいになると幸せを感じて眠くなってしまうので、ご飯はちょっと抑えて、野菜をいっぱい食べて。そういう調整が意外と肝になっている気がします。
あとは、みんなに美味しいものを食べてもらいたいから「こういう差し入れをしよう」と考えることも多いですね。
──最後に、放送を楽しみにしている視聴者へメッセージをお願いします。
僕が演じる松永さんは、ある理由があって挫折をしています。その点は視聴者の皆さんにも共感してもらえるのでは。そして、役として作り込んではいますが、たまに一瞬出てくるナチュラルな部分にキュンとしてもらえるのではと思うので、楽しんでください。
年始はいろいろなことが始まって大変なことも多いかと思いますが、このドラマを見ることで少し日常を忘れて、心が温かくなってもらえたらうれしいです。