<野口みずき コメント>

――現役時代、レース中に音楽が頭の中で流れていたんですか?

そうですね。脳内でジュークボックスみたいに“ガシャーン、ガシャーン!”って。アームが動いてレコードがセットされるような、そんな音がするんです。

感覚的に脳内に音楽が降りてくるんですよ。私が頭の中で流していたのは、MTVやBillboardで上位をとっていた、その当時流行っていた曲です。ヒップホップ、R&B、EDMとか、なんでも流していましたね。

――走るテンポにヒップホップは合うんですか?

「私はヒップホップが好きで、走っている途中に聴くのは、ヒップホップが多いです」って言うと、みんなに「えぇ、走るテンポにヒップホップは合わなくないですか?」って驚かれるんですけど、意外と合うんですよ。

私のテンポとヒップホップが。リズムは取りにくいかもしれないけど、自分のテンポに合ったものをこうやって流すと、走りもどんどんいいテンポに戻ってくるみたいな感じですね。

――金メダルを獲得したアテネ五輪では何が流れていましたか?

何キロ地点で決めていたわけではなくて、ほんとに感覚的に、勝手に頭の中で音楽が流れていたって感じですね。アテネのときはmJoe Budden(ジョー・バドゥン)の『Pump It Up(パンプ・イット・アップ)』と、Lenny Kravitz(レニー・クラヴィッツ)の『California(カリフォルニア)』とか、あと、サザンオールスターズの『君こそスターだ』ですね。

レース後半、Joe Buddenの『Pump It Up』が流れて「行くYo!ノッてくYo」みたいな感じで走ってましたね。

――選曲リストには入っていないけれど、迷った曲はありましたか?

Lupe Fiasco(ルーペ・フィアスコ)の『The Show Goes On(ザ・ショー・ゴーズ・オン)』ですね。これも、ドラマチックな感じが好きなんですよね。熱いものがあふれてくるような感じ。私のSHOWが始まるぜ、と。

――N.W.Aなど、ギャングスタ・ラップもお好きですよね?

好きですね。やっぱり、昔の方が好きですね。もうね、私自身だけが走るんだったら、ゴリゴリのヒップホップをかけるんですよ。でも、今回は現役選手たちのために選びました、自分の感覚とは切り離して。そこも書いてくださいますか(笑)。

自分は、ゴリゴリのヒップホップをかけてガンガン走るけど、彼女たちの走っているイメージを想像して、選曲しました。

ほんとは、KRS-Oneとか、アイス・キューブとか、50 Centとか、モブ・ディープとか、そのあたりをかけたいですね(笑)。ただ、自分は走らないので、ギャングスタ・ラップとかゴリゴリのヒップホップは自重しました。モブ・ディープは、『Put 'Em in Their Place(プット・エム・イン・ゼア・プレイス)』とか、めっちゃかっこいいんですよ。

――初めて衝撃を受けたヒップホップは?

アイス・キューブですね。やっぱり、ほんとはギャングスタ・ラップを流したいという気持ちはあります(笑)。

――ギャングスタ・ラップをはじめ、ヒップホップに心ひかれるのは、なぜですか?

やっぱり、逆境を乗り越えていくところ。恵まれない環境から、どん底から這(は)い上がって、成功していく。ラッパーの一生ってかっこいいなって感じですね。

――野口さんにとって、音楽とは?

「NO MUSIC, NO LIFE.(ノーミュージック、ノーライフ)」。父親が音楽好きで、レコードもよく部屋でかけていて。姉も好きでしたねぇ。もう、幼いころからずーっと音楽が常に隣にいたんですよ。音楽は私の人生においてなくてはならないものだと思っています。

選手時代は、こっそりと、あまり公にせずヒップホップを聴いていたというか、あんまりそこが目立たなかったですけどね。引退して、いろいろな媒体で「ヒップホップが好きなんです」と話していたら、「おぉ!面白いですね」と言われるようになって、そこから道が広がったので、まさかDJができるなんて思ってなかったです。ほんとに、人生何があるかわからないですよね。

――視聴者のみなさんにメッセージをお願いします。

マラソンって長いこと走るスポーツですよね、そのなかでやっぱり音楽が入ってくると、より、リズム感も良くなるし、苦しいところでそれが助けになることもあるんです。そういったところを、見ている視聴者の方にも感じてほしいです。音楽でも楽しんでもらいたい。

いつもだったら、テレビ中継はテーマ曲1曲でCMに入ってという感じだったと思うんですけど、その曲がいろいろあると面白いですよね。なので、「次は何の曲だろう?」と予想しながら、「大阪国際女子マラソン」を見てもらえたらうれしいです。

私が選んだ曲についても、この曲がランニングに合っていると、単純に決まっているものではまったくなくて。走り方や、呼吸の仕方と同じように、人それぞれ、ランニングに合う曲は違うと思うので、「野口さんの選んだ曲もいいけど、私はこっちの曲かな」みたいに考えながら、楽しんでいただきたいです。

公式HP:https://www.ktv.jp/marathon/

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大会公式YouTube:https://www.youtube.com/channel/UC1gsoEQ4O5V0ZhK6A8WFwQg