中学で出会ってから35年。人生のほとんどの時間をともに過ごし「もう、いい意味でお互いに空気みたいな存在」と照れるはなわさん。最高のパートナーとはいえ、これまでに離婚の危機はなかったのでしょうか?尋ねてみると、哲学的ともいえる答えが返ってきました。
中学時代の人気者だった妻に「告白20回」の真相
――智子さんははなわさんの中学の先輩で、「20回以上告白した」などとテレビなどで話していました。中学生にして「この人しかいない」と思ったのでしょうか?
当時、妻はバレーボール部のエースで結構な人気者だったんです。僕は一年後輩で柔道部だったけど、さぼりまくって真面目にやっていないようなヤツで。それで一年上の先輩と一緒に体育館で練習している妻をよく見に行っていて、妻が近くを通るときなんかに「そろそろ付き合ってくださいよ~」とか、ボケっぽい感じで声をかけていたんです。それが、そのくらいの回数になったという感じですね。彼女はそれがすっごい嫌だったらしいですけど(苦笑)。
――そこから結婚までの経緯は本書に譲るとして、はなわさんが智子さんに惹かれた一番の理由はどこでしょうか?
明るいところ、あとは今でもそうですけど、子どもみたいに純真無垢な部分ですかね。
――本書でも「天然」と称していますが、ほかにエピソードがあれば教えてください。
いろいろ「ありすぎるくらいある」んですけど、以前、古坂大魔王さんにお会いしたときには、「うちの子どもたちが大好きなんです、佐々木大魔神さん。ホントはピコ太郎さんなんですよね」って。いろいろ混ざって、わかんなくなっちゃったことがありました。
あとは、僕が営業でクールポコと一緒になった際、楽屋にあいさつに来た妻が間違えて、クールポコがネタで使う臼にポンとゴミを捨てちゃった、ということも。紙くずだったので、大丈夫でしたけど、焦りましたね。
一緒にいるとハラハラドキドキさせられることもあるんだけど、そういう部分を理解してもらえたら、どんな人とでもとっても仲良くなれる人だと思います。
――本書を執筆し智子さんへの感謝が深まったとのことですが、生まれ変わってもまた智子さんと結婚したいと思いますか?
そうですね。先日の『パートナー・オブ・ザ・イヤー』のアンケートで、「来世でも結婚したいですか?」という質問があったんです。それに妻は「すると思う。必ず、はなわが見つけ出してくれるから」と書いていました。うれしかったですね。そう言われたら、「見つけに行かなきゃな」と思いますよね。
――はなわさんは何と書いたのですか?
えっと…何て書いたかな、俺は。「必ず見つけ出します」だったかな。(焦ってスタッフに)違いますか?なんて書いたんだっけ?ああ、「結婚すると思います」と書きました。
でも、出会いから35年で、もう人生のほとんどを一緒にいるんでね。なんというか、いい意味でお互いに空気みたいな存在ですよ。
50周年の金婚式にはどんな夫婦でいたい?
――近年、熟年離婚が増えているそうですが、離婚の危機などはなかったのでしょうか?
離婚の危機というか、そもそも離婚という考えが僕のなかにはないんです。ヒロミさんもそういう考え方だとおっしゃっていましたけど、相手に不満があったとしても、結局、そういうのは誰と一緒になっても同じなのかな、と思うんです。だから、相手にいろいろ求めてもしょうがないのかな、と。それよりここまで一緒にいてくれたことに感謝しています。
――YouTubeでも子どもや孫に囲まれたにぎやかな暮らしを紹介していますが、夫婦だけの時間を取るように意識していますか?
今はまだ一番下(三男・昇利さん)が高校生でお弁当や、食事の準備もあって妻はそこが中心になっていますけど、ここから子どもが巣立っていけば、ふたりだけの時間が増えることになって、第二章に入るのかな、みたいな感覚はありますね。
第二章は、ふたりで旅行をしたり、ご飯を食べに行ったりという時間を増やしていきたいですね。
――結婚25周年で銀婚式を迎えたわけですが、50周年の金婚式にはどんな夫婦になっていたいと思いますか?
いやぁ、そこはもうとにかく健康で仲良く、平凡な夫婦でいられたらそれでいいです。25年後には、家族ももっと増えていると思うので、子どもや孫たちとみんなで集まれたらいいですね。
――来世でも智子さんと結婚したい、とのことですが、その際は、どんなプロポーズの言葉を送りたいですか?
それは、段取りを組んでちゃんと言いたいです。25年前は、流れでぬるっと結婚しちゃった感じで、男として情けないな、と思っていたので、次回はなんというか…ベタでいいので、ちゃんと伝えたいです。といいつつ、どういうのがベタなんですかね?…フラッシュモブとかいいかも(笑)。盛大にやってみたいです。楽しそうだな。
――でしたら、来世を待たずにやってみてはどうでしょうか?
確かにそうですね。なんか自分がやるのは照れくさいっていうのがあるんですけど、みんなを幸せにしますよね。やってみようかな、フラッシュモブ。
自分を落として、相手のいいところを見るのが、はなわさん流の考え方。息子たちに対しても同じで、「親だからと上から目線で言うのではなく、まずは下から目線」を心がけているのだそう。本書では“負けの美学”として紹介されています。
