テレビ熊本では、熊本県出身の偉人を発掘、顕彰し、後世に伝えていこうと平成5年(1993年)から毎年ドキュメンタリードラマ等の形式で「郷土の偉人シリーズ」を制作し、FNS九州7局ネットで放送しています。

シリーズ33作目となる今回は、竹財輝之助さん主演『台湾・大甲の聖人 志賀哲太郎』として、明治・大正期にわたる日本統治時代の台湾で教育家として活躍した、熊本県益城町出身の志賀哲太郎さんの人生にスポットをあてます。

娘の幸せを願う母、再び畑に向かう決意を固める男

『台湾・大甲の聖人 志賀哲太郎』は、明治・大正期にわたる日本統治時代の台湾で教育家として活躍した、熊本県益城町出身の志賀哲太郎さんの人生をドキュメンタリー形式で描きます。

熊本のテレビ局報道局員・柚木遥(北原里英)が、「大甲の聖人」と称された志賀哲太郎(竹財輝之助)さんの半生を追うドキュメンタリーを制作するというストーリー。

哲太郎の生き方や教育者としての信念を通して、熊本地震からの復興を背景に現代を生きる遥自身の姿と重ね合わせながら、哲太郎の「教育」への思いに迫ります。

左から)竹財輝之助、北原里英

このたび、松下由樹さん、山崎銀之丞さんの出演が発表されました。

松下さんが演じるのは、遥(北原)の母・淑子。

道局員の遥は、熊本地震で大きな被害を受けた益城町出身で、母の介護をしながら働いています。母親の淑子は病気で夫を亡くしたあと、一人で娘を育て上げた強くやさしい女性で、遥の成長を支えながらも自分の生き方を大切にしています。

しかし、脳梗塞を患い半身に麻痺が残り、日常生活では介助が必要に。遥に、自分のことは心配せずに、生きたいように生きるよう励まします。

松下さんは、第28作「宇良田唯」で主演、第30作「名優 笠智衆」では智衆の妻を演じ、今作が3回目の出演となります。

山崎銀之丞さんが演じるのは、イチゴ農家を営む、浅野正剛。

熊本地震によって設備が壊れ、農業を続ける気力を失いかけましたが、地域の絆と人の言葉に支えられて再起。特に弁当屋さんを営む淑子の「また浅野さんのイチゴが食べたい」という言葉と、手作りのおにぎりが心に響き、再び畑に向かう決意を固めます。

「つらいときこそ、上を見る」という言葉を胸に、復興への希望を見出します。 

山崎さんは、第24作「橋本勘五郎」で主演。第31作「北里柴三郎」、第32作「夏目漱石」に続き、3年連続での出演となります。