芳根京子さんが、フードデリバリー配達員のドキュメンタリーに「気づくことが多かった」と語りました。

芳根京子さんが担当するのは、10月9日(日)14時~放送の『ザ・ノンフィクション「東京デリバリー物語〜スマホと自転車とホームレス〜」』(フジテレビ/関東ローカル)。

コロナ禍で需要が拡大したフードデリバリー。スマホと自転車があれば、すぐにでも始められる仕事は、失業者やコロナ禍で収入が減った人を支える「雇用の受け皿」にもなっています。そんなフードデリバリーの配達員のリアルを追います。

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コロナ禍で加速したフードデリバリーの明暗

大きなバッグを背負い、自転車やバイクで街中を駆けるフードデリバリーの配達員たち。都会の新たな風景として定着したフードデリバリーは、コロナ禍で需要が一気に拡大。スマホと自転車があれば、きょうから収入が得られる仕事は、失業者やコロナ禍で収入が減った人を支える「雇用の受け皿」にもなっています。

「僕にできる仕事はフードデリバリーしかない」

そう話すのは、元銀行員の高山さん(仮名/30歳)。月に30万円ほどを稼ぐ高山さんは、社会人5年目の時に仕事のプレッシャーからメンタルに不調をきたし退職。その後、家に引きこもるようになりました。家賃と生活費を稼ぐため始めた個人投資もうまく行かず借金を抱え、ホームレスに。今はカプセルホテルを拠点に借金返済のため、毎日、自転車を漕ぎ続けています。

「友達が一日に3万円稼いでいて、うらやましくて始めた」

と語るのは、コロナの影響で、イベント設営の派遣先を解雇された、和田さん(42歳)。2021年1月、貯金が底をつき、ネットカフェで暮らすホームレスに。自転車でフードデリバリーを始めると、週4日で9万円以上を稼ぎ、月収は40万円超え。しかし、「地に足がついてない状態。いつまで需要があるか分からない」と、不安を口にします。

コロナ禍で加速したフードデリバリーという仕事、貧困から抜け出そうともがく配達員たちの日々を追いました。

フジテレビュー!!では、ナレーション収録を終えた芳根さんにインタビュー。VTRを見ての感想、番組に対する思いを聞きました。

「見られてよかった、知ることができてよかった」

<芳根京子 インタビュー>

――ナレーション収録を終えていかがですか?

フードデリバリーは利用させてもらう側で、それをお仕事にしている方のリアルを見る機会はあまりないので、知ることができてよかった、と思うことがたくさんありました。

――どんな発見や気づきがありましたか?

(デリバリーするのに)タワーマンションは大変なんだって。確かにエントランスを通るのも、上層階なら上がるのも大変そうですよね。

あとは、配達先の距離が近ければいいってわけじゃないってことも。

その立場にならないと知り得ないことをみなさんストレートにおっしゃっていたので、「そうなんだ」と気づくことが多くて、興味深く見ました。

デリバリーしていただく立場としては、一層ありがたさを感じました。

――みなさん、借金返済やホームレスからの脱却を目標に懸命に働いていました。

すごく前向きな思いでやっていらっしゃいましたね。

自転車、スマホ、体があればできて、人とのかかわりも少なくて済むというフードデリバリーは、すごく現代らしいお仕事だな、と思いました。

でも、自転車を借りる、買うにしてもお金が必要ですし、生きていくには、住む場所も、着るものも、食べるものも必要という現実もあり、「そうだよな」と一つひとつ噛みしめるような気持ちで見ました。

――そういった人たちを支援する存在として、佐々木さんが登場します。以前、芳根さんがナレーションを担当した『ザ・ノンフィクション「スマホとホームレス ~無料Wi-Fiに集う若者たち~」』にも登場した方ですね。

自転車のレンタルですとか、時代やニーズにあったやり方で支援をしていることが、改めてすごい方だな、と思いました。

しかも、助けてほしくても声を上げられない人、そういう支援があることを知らない人に対して、佐々木さんは自分から声をかけていく。そして、お互いが歩み寄って行くような感じは、素敵だなって。

以前もそうでしたけど、佐々木さんに助けられている方はたくさんいると思いますし、すごく大きな存在なんだろうと感じました。

今回、佐々木さんが登場されて、勝手ながらホッとする自分がいました。

――芳根さんは何度も『ザ・ノンフィクション』のナレーションを担当し、「学ぶことが多い」と話しています。改めて、番組にどんな思いがあるのか教えてください。

自分には、自分の人生しかないですから、ほかの人生を知るきっかけになるこの番組は、見ていてもそうですが、声を入れさせてもらうたびに、見られてよかった、知ることができてよかったと思います。

自分の人生では感じ取れないもの、自分とは違う世界で闘っている方々のリアルを見させてもらえる。それは視聴者のみなさんも同じなのではないでしょうか。

知ることで得られる“厚み”みたいなものがあるのかな、とも思いますし、毎回、貴重な体験をさせていただける番組だと感じています。

<ナレーションの一部を先取り紹介>