本作の撮影を終了し、「今はまだ振り返る余裕がない」と語る山田さん。撮影漬けだった日々に感じていたプレッシャー、来年デビュー15周年を迎える心境を聞きました。
「本当に逃げたくなるような日々」主演作のプレッシャーを乗り越えて
――今年は本作を始め、『木の上の軍隊』(7月公開)、『ベートーヴェン捏造』(9月公開)と、主演作が続いています。佐藤さんを始め、堤真一さん、古田新太さんらとの共演では、どのような刺激や学びがありましたか?
お芝居をしている間は一生懸命で、「何かを学ぼう」と思ってやってはいないので。だから「何を学べたか」というのは、2、3年後ぐらいにわかるのかなと思っています。
昨年の11月から今年の3月までの期間で主演映画を3作品撮っていて、最後の作品のクランクアップの次の日からは、別の作品のアクション練習が始まっています。今はまだ振り返る時間も余韻もありませんが、共演者のみなさんと取材でご一緒する際に感じるのは、みなさん自分の生き方を確立されていて、信念に対して真っすぐに生きているなということです。
――「振り返る余裕がない」というほどの撮影漬けの日々について、詳しく聞かせてください。
この3作品は「僕の集大成」という感覚で、「この3作を見てもらい、初めて僕のことを語ってもらえたらいいな」という思いがあります。これらの作品にかけていましたし、プレッシャーもすごかった。言葉に表せない、本当に逃げたくなるような日々でした。
それは、「現場が嫌」というわけではなく、主演としてこの3本を見られるクオリティに持っていかなければならない、若輩者ながらプロとしての何かを試されているようで「苦行でしかない」と感じました。「もっと準備期間があったらいいのに」と考えながらも、それを挑戦とも恐怖とも感じていた毎日でした。でも、情熱ある方々と仕事ができたことで、きっと時間が経ったら「何を得たのか」がいずれわかるのだろうと思っています。
「もっともっと撮影現場にクリエイティブな時間があったらいい」
――来年、デビュー15周年を迎えます。出演作品を決める際に大切にしていることはありますか?
本作のような規模の大きな作品で、「主演として自分が戦えるのかどうか」という迷いもありますが、そこに飛び込んでいけるのは、マネージャーを始めとする信頼できるブレーンの意見のおかげなので、ありがたいと思っています。
もちろん、作品を規模感で選んでいるわけではなく、「ここが面白い」とか、「この人とやりたい」といったこともそうですし、原作や脚本が面白いということも作品選びでは大切だと思っています。でも、オーディションの場合もありますし、「この監督とは以前ご一緒したので」ということも多いです。
――ハードな撮影が続く現場にあったら嬉しいものを教えてください。
ものじゃなくてもいいのであれば、「時間」でしょうか。全てのスタッフさんがしっかり寝られて、朝には気持ちよく撮影現場に来られて、「このシーンどうしよう」としっかり悩める時間があって、じっくりお芝居を撮れる。そんな「時間」があったら嬉しいです。
もっともっと撮影現場にクリエイティブな時間があったらいい。実際に撮影現場に入ってみて気づくこともいっぱいあるので、原作や脚本についても現場で話し合える時間がたくさんあれば、「じゃあ今日は1回撮影を止めてちょっと考えよう」とか「次のシーンをみんなで考えてみよう」とできる余裕があるかもしれないですよね。そんな「時間」があったらとてもいいなと願っています。
――これまで様々な役柄を演じていますが、今後挑戦してみたい役はありますか?
忍者とシャーロック・ホームズです!作品だと、MARVEL(※)などのアメコミヒーロー系に挑戦してみたいです。
(※)「マーベル・コミック」を原作としたスーパーヒーローの映像作品群
――忍者ですと、伊賀と甲賀ではカラーが違いますが、どちらでしょう?
そこまではまだ考えていなくて、今の時点では伊賀と甲賀で争いたくはないです(笑)。単に、忍者をリスペクトしているという感じです。
――アメコミヒーローを演じるとなるとアクションの必要性もありますが、アクションシーンに自信はありますか?
自信があるわけではありませんが、「アクションもやってきた」という思いがあるので、「やれるかもしれないな」と。それこそ世界を見渡せば、僕よりもアクションが上手い人なんてたくさんいるので、「自信がある」とまでは言えませんが、いつか挑戦してみたいと思っています。
撮影:今井裕治
映画『爆弾』
公開日:10月31日全国ロードショー
(C)呉勝浩/講談社 (C)2025映画『爆弾』製作委員会
