山田裕貴さんが映画『爆弾』に挑んだ思い、主演作が続く中で感じていたプレッシャーを明かしました。
映画『爆弾』は、爆発を予知する謎の中年男と爆弾の在りかを探す警察が繰り広げる、先読み不能の謎解きゲームと、東京中を駆けめぐる爆弾探しがリアルタイムで進行。同名ベストセラー小説を映像化した、ミステリーと超ド級のアクションが織り成すリアルタイムミステリー作品です。
「霊感が働く」と称して都内に仕掛けられた爆弾の存在を予告する謎の男・スズキタゴサクを佐藤二朗さん、タゴサクと真っ向から対峙する交渉人・類家を山田裕貴さんが演じ、伊藤沙莉さん、染谷将太さん、坂東龍汰さん、寛一郎さん、渡部篤郎さんといった、実力派キャストたちが集結します。
めざましmediaでは、類家を演じた山田さんにインタビュー。本作に挑んだ日々、タゴサクを演じる佐藤さんとの演技合戦について、これから挑戦したい作品について聞きました。
山田裕貴「似た者同士の2人だからあのやり取りができる」
――本作の撮影中はどのような日々でしたか?向き合った心境を教えてください。
撮影中は、原作と台本をパッと開いて比べてみて、「この言葉はあった方がいいんじゃないか」と探したり、タゴちゃん(タゴサク)との演技の見え方のバランスを考えたり。タゴちゃんの「こう返してくるんだ」というリアクションに反応していく日々でした。僕はもちろん類家ほど頭は良くないけれど、彼の考えには共感してしまうことばかりでした。
――特に共感、感情移入をしたところは?
言い方がすごく難しいのですが、この世には常に悲しいことがたくさん起きていて、それに目を向けようと思えばいくらでも共感できるし、相手に寄り添うこともできる。でも、自分も生きていかなければいけない中で、そこに目を向けられる人たちばかりではないですよね。
本作で言うなら、類家はタゴちゃんを‟止める側“だけれど、世の中を見渡したらいくらでも犯罪や悪意によって死んでいる人たちがいるし、その全てを救うことは無理じゃないですか。だから、「いや、いつでもどこでも人は死んでるでしょ?」と、タゴちゃんに平気な顔で言える類家は、すごくフェアな考えの持ち主だと思います。
類家は、世の中を壊す側に回るよりも、食い止める側の方がゲームとして面白いと考えているタイプだと思います。僕も、類家が世の中に対して悲観しているという感覚には共感する部分があります。
――類家とタゴサクの息を吞むような心理戦が見どころです。佐藤さんとの共演で印象に残っていることはありますか?
僕は、原作を読んだ時からタゴサクを「もう佐藤二朗さんじゃん!」と思っていたので、実際に配役を聞いた時には「ぴったりだな」と感じました。実際に、二朗さんはタゴサクのイメージをしっかり作り上げていてすごかったです。
僕はタゴちゃんが「誰々を殺します。理由はこうだからです」と、淡々と語るところが好きで。とても長いセリフなのに、二朗さんのあの淡々とした言い方だからすごく伝わるんですよね。
――山田さんは、心理学に興味があるとのことですが、緊迫した心理戦を演じた感想を教えてください。
そう演じているので伝わっているといいなと思いますが、タゴちゃんも類家も多分‟同じ人間“なんです。「やるか・やらないか」の違いがあるだけで、世界に飽き飽きしているし、「結局、誰も助けてくれないじゃん」という思いが心の底にある。
「俺が俺を助けて立ち上がるしかない」と思えているのが類家で、「だったら全員でぶっ壊してやろう」と思っているのがタゴちゃん。タゴちゃんは、「爆弾はまだどこにあるかわからないよ」と、みんなを恐怖に陥れ続けることで、世界を壊そうとしている。実は似た者同士の2人だからあのやり取りができるし、二朗さんとも「理解者はあなただけだよね」と認識しながら演じていました。
類家とタゴサクを通して感じた‟世の中”に対する思いと共感を語った山田さん。インタビュー後半では、主演作品の撮影が続いたプレッシャーの日々について吐露します。
