宝塚歌劇団の元スターに、輝く秘訣やこだわりを語ってもらう「宝塚OG劇場」。第16回は、星風まどか(ほしかぜ・まどか)さんが登場。
宝塚歌劇団の宙組と花組のトップ娘役を務め、2024年5月に退団した星風さん。退団後も『ニュージーズ』(2024年)、『1789 -バスティーユの恋人たち-』(2025年)など舞台を中心に活躍しています。そんな星風さんが、ミュージカル『マリー・キュリー』にてWキャストで主演を務めます。

本作は“キュリー夫人”として知られ、ノーベル賞を二度受賞した科学者、マリー・キュリーの生涯を、歴史的事実とフィクションを織り交ぜて描いた韓国発のミュージカル。2020年の韓国初演を経て2023年に日本でも上演され、繊細な描写と楽曲が反響を呼びました。
昆夏美さんとWキャストでマリー・キュリー役に挑む星風さんにインタビュー。自身がこの先も追求していきたいことや、退団以降、仕事とプライベートで感じていること、宝塚でコンビを務めていた柚香光(ゆずか・れい)さんとの再会などについて聞きました。(前後編の後編)。
星風まどか 歌への向上心は「13年間、一度も後退することなく加速」
――マリーは放射線の研究に人生をかけますが、星風さんが追求していきたいものはありますか?
歌は、おばあちゃんになっても、永遠に上手くなりたいです。もともと歌うことは好きでしたが、学生時代からしっかりお稽古をしていたわけではないので、宝塚音楽学校に入学したら周りが上手すぎて、苦手意識が生まれて。
少しでも上手にならなきゃ!という思いだけでここまでやってきましたし、その気持ちはこの13年間、一度も後退することなく加速し続けてきたので、本当に上手くなったか別として、この気持ちはこれからも続くのかなと思っています。

“芸事に終わりはない”とも言いますし、「あんな歌を歌えるようになりたい」「こんな声を出せるようになりたい」という気持ちは今もあります。『マリー・キュリー』の楽曲もすごく素敵な反面、難しさもあるので、この作品を通してもっと成長したいです。