9月18日(木)、2025年日本民間放送連盟賞の発表が行われ、フジテレビで放送したドキュメンタリードラマ『1995~地下鉄サリン事件30年 救命現場の声~』が、【番組部門】テレビ報道番組の優秀賞を受賞。「現行テレビ放送を対象とした放送ターゲット広告技術(ISDB版TA)と偽広告対策技術の開発」が【技術部門】優秀賞を受賞しました。
日本民間放送連盟賞は、質の高い番組がより多く制作・放送されることを促すとともに、CM制作や技術開発の質的向上と、放送による社会貢献活動等のより一層の発展を図ることを目的に、日本民間放送連盟が1953年に創設した賞。
部門・種目別に審査を行い、優秀な成績と認められる作品および民放の信用と権威を高めたと認められる活動を表彰します。
2018年からは、日本放送文化大賞と一本化され、学識経験者らによる選考を経た質の高い作品を、改めて視聴者・聴取者という別の視点からラジオ・テレビ別に選考を行い、国民の期待に応えるとともに放送文化の向上に寄与した作品をグランプリ、準グランプリとして表彰しています。2025年のグランプリ、準グランプリの発表・表彰は、11月7日(金)の民放連大会にて行われる予定です。

『1995~地下鉄サリン事件30年 救命現場の声~』は、30年前の1995年3月20日に発生した「地下鉄サリン事件」を題材にしたドキュメンタリードラマ。
事件発生から30年の年月を経て、あのとき何が起こっていたのか、そして自らの命も危険にさらされる中で懸命に救助にあたった者たちの姿を救命ドラマとして描きました。
また、事件発生直後の営団地下鉄(現:東京メトロ)の実際の無線音声をフジテレビ報道局が独自入手し、ドキュメンタリードラマ内で放送。
キャスト陣の演技に実際のスクープ映像や当時の無線音声を織り交ぜた構成で、当時の営団地下鉄の無線音声の全容がテレビで放送されたのは本作が初めてとなりました。

「現行テレビ放送を対象とした放送ターゲット広告技術(ISDB版TA)と偽広告対策技術の開発」は、放送にネットのデジタル広告技術を融合させる「放送ターゲット広告技術」を開発したもの。
これにより、一斉同報性を持つ放送サービスでありながらテレビごとに最適化されたCMを提供できる「アドレッサブルTV広告」に、日本の放送方式(ISDB)として初めて成功。
実現にあたっては、ネット動画広告の一部で社会問題となっている「偽動画広告」の対策にも取り組み、放送サービスとして視聴者が安心して視聴でき、広告のブランドセーフティを守れる技術開発にも併せて成功しました。
これらによって、現行地上波放送の高度化とテレビ広告価値の向上に対する新たな選択肢と可能性を示し、放送技術の発展に貢献したことが評価されました。