「同じ空なのに状況が違う」一つ一つの言葉が、とても刺さる回でした
――ナレーション収録を終えた、今の心境はいかがですか?
今の状況をニュースで見るしかできない私には知識がなく、実状がわからない中で、実際にこういうご家族がいるんだと知ることができて…。今、知ることができてよかったな、というのを、個人的にすごく感じました。
これまでどこか現実に思えないような部分もありましたけど、「これが今の現実なんだ」と知ることができました。
――印象に残っている場面はありますか?
やっぱり、子どもたちにとっては(脱出というより)旅行の感覚だっていうこと。戦争というものがわからなくて、今、日本に来てるのもよく分かっていない。胸が苦しくなりました。一方で現地にいる子どもたちの涙を映像で見ても、やっぱり苦しい…。
(マーヤさんが言った)「同じ空なのに状況が違う」というのもそうですが、一つ一つの言葉が、とても刺さる回でした。
――マーヤさんの強さも印象的でした。
うちもそうなのですが、やっぱり「お母さんは強いんだなあ」とすごく思いました。そういう強さに救われて、子どもたちもこれからもすくすくと育つといいなあと思いました。
強くなくちゃいけないってことはないですけど、やっぱり女性は強いですね。
――3人が日本にたどり着き、アナスタシアさんと再会する場面は、いかがでしたか?
3年ぶりの再会がこんな形とは、というナレーションもありましたが、本当にそうだろうなと思いました。コロナ禍というのもあって、なかなか会えない中、やっと会えたタイミングがこんな状況で…。
それでも、こうやって遠い場所に(身を寄せられる)家族がいたのはよかったんじゃないかな、と思いたいです。
――ナレーションを読んでいて、登場人物の誰かに気持ちが行くようなことはありましたか?
自分は体験していないことですから。すごく気持ちがわかるけど、わかると言えないといいますか。
それよりも、この現実をもっとたくさんの方に知ってもらいたいという、客観的な気持ちで読ませていただきました。
――改めて視聴者のみなさんのメッセージをお願いします。
すごく貴重な回の語りを担当させていただけて、本当にありがたいと感じました。
同じ空の下で生きている人間として、自分ができることはちっぽけで本当に限られていても、何か動くことができたらと。すごくそういう気持ちになりました。
そして、こうやって日本に避難してきている方々が、少しでも安心した生活ができること、本当に一日でも早く平和になることを心から祈ってます。
故郷というかけがえのない場所に、いつかまた戻れるといいな、と願っています。