1964年より「日本映画の復興」を旗印に設立された、全国紙で唯一の映画賞「毎日映画コンクール」。
2月15日に「第76回毎日映画コンクール」の表彰式が行われ、各賞に輝いた受賞者が登壇しました。
一般ユーザーの投票により決まる唯一の賞「TSUTAYA映画ファン賞2021」には、日本映画部門で「るろうに剣心 最終章 The Final」が受賞。大友啓史監督と主演の佐藤健さんがステージに登場しました。
「どこに出しても恥ずかしくない俳優」
大友監督は当時を振り返って、しみじみ。
「ありがとうございます。この映画は公開直前2~3日前に、緊急事態宣言が決まり、大都市圏の映画館が閉鎖ということになりました。
この状況をどう受けとめて、映画を送り出せばいいのか、悶々としました。僕らの映画だけではなく、お披露目できなくなってしまった映画はたくさんあると思います」
さらに、「その中で、映画を作るという喜びを感じつつ、時代のリスクを抱えながら、自分がどのように映画を作っていけばいいのか考えざる負えない時間を過ごしました。支えてくれたのは、劇場に来てくださるファンの方々だったので、あの時の口惜しさと、感謝を胸に作品を作り続けていきます」と感謝を述べました。
佐藤さんは大友監督と握手を交わしつつ、「我々が頑張った、あの日々が報われましたね」とニッコリ。
「スタッフも共演者の皆さんも喜んでいると思います。投票していただけた皆さん、ありがとうございます。ファンの皆さまの愛を感じました。その気持ちをしっかりと受け取りましたので、それを原動力にして、今後も精進していきます!」と力強く語りました。
全5部作ある「るろうに剣心」シリーズを振り返り、大友監督は「俳優さんたちが十分に力を発揮できる環境を用意するのが、監督の仕事の1つだと思っていますので、そこを手抜かりなくやりました」とコメント。
佐藤さんについて聞かれると、「皆さんご存じの通り、20代前半からお付き合いをさせていただいて、どこに出しても恥ずかしくない俳優だと思いますので、これからも佐藤健をよろしくおねがいします」と笑いながら語りました。
このシリーズについて佐藤さんは、「とにかく、アクションチームの皆さんが支えてくれて、間違いなく世界で一番の優秀なアクションチームだと思っています。みんなと、『あーだ、こーだ』とアイデアを出し合いながら。一緒に作っていく感覚が楽しかったです」と振り返りました。
佐藤健「阿部寛さんともっと話したかった…」
また佐藤さんは、「護られなかった者たちへ」での演技が評価され、男優主演賞も受賞しました。
佐藤さんは、「大変光栄です。間違いなくここに自分が立つことが出来ているのは、瀬々敬久監督や、支えてくださった皆さまのおかげです。すべての皆さまに感謝の気持ちを伝えたいです」と語りました。
また、「改めて、素晴らしい映画に携わらせていただいたな、という気持ちです。声をかけてくださったことを感謝したいですし、自分自身の力はちっぽけなので、皆さんの支えで何とか完成できました」と振り返りました。
この作品は、東日本大震災から10年目の仙台で起きた殺人事件が発端となり、切なくも衝撃的な真実が明らかされていくヒューマン・ミステリー作品。
本作について、「自分で何か頑張ったというよりも、空気に身をゆだねたという感じです。全編、宮城で撮影をさせていただいて、僕も実際に宮城に2ヵ月ほど居座って撮影をしました。震災当時の学校などを再現していただけていたので、美術の力を借りながら、身を任せて撮影をしていました」と明かしました。
また、「撮影中が、コロナ禍で現場が終わった後にみんなと食事にも行けなかったんです。他の映画と比べて、共演者やスタッフの方とコミュニケーションをとる時間があまりなく、阿部寛さんとの共演も、楽しみにしていたのですが、あいさつくらいしか話すことがなく、『もっと話したかったな…』という思いでいました。別の機会で、今回の映画でかかわった皆さんと仕事をしたいと思います」と締めくくりました。
各賞の受賞者・作品
日本映画大賞:「ドライブ・マイ・カー」(濱口竜介監督)
日本映画優秀賞:「すばらしき世界」(西川美和監督)
外国映画ベストワン賞:「ノマドランド」(クロエ・ジャオ監督)
(ウォルト・ディズニー・ジャパン 目黒敦)
男優主演賞:佐藤健「護られなかった者たちへ」
女優主演賞:尾野真千子「茜色に焼かれる」
男優助演賞:仲野太賀「すばらしき世界」
女優助演賞:清原果耶「護られなかった者たちへ」
スポニチグランプリ新人賞(男性):和田庵「茜色に焼かれる」
スポニチグランプリ新人賞(女性):片山友希「茜色に焼かれる」
監督賞:濱口竜介「ドライブ・マイ・カー」
脚本賞:?田恵輔「空白」
撮影賞:笠松則通「すばらしき世界」
美術賞:原田哲男「燃えよ剣」
音楽賞:林正樹「すばらしき世界」
録音賞:浦田和治「孤狼の血 LEVEL2」
アニメーション映画賞:「岬のマヨイガ」(川面真也監督)
大藤信郎賞:「プックラポッタと森の時間」(八代健志監督)
ドキュメンタリー映画賞:「水俣曼荼羅」(原一男監督)
TSUTAYA 映画ファン賞・日本映画部門:「るろうに剣心 最終章 The Final」(大友啓史監督)
TSUTAYA 映画ファン賞・外国映画部門:「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」(東宝東和 山﨑俊)
田中絹代賞:宮本信子
特別賞:岩波ホール(エキプ・ド・シネマの活動)(岩波ホール 岩波律子)