<早乙女太一 コメント>

――出演が決まったときは、どう思いましたか?

僕が出演するエピソードだけでなく、全体的に深い作品なので、生半可な気持ちではできないと思いました。

僕が演じる役も、非常に特殊なので不安もあったんですけど、キャラクターには共感できる部分も少しあるので、出演することができてうれしいです。

――原作は読みましたか?

はい。原作からは、まだ理性がしっかりとできてなく本能的に生きている子どものころに感じるさみしさや悲しさ、やましさのような…。

そんな、人間なら誰しもちょっとは経験したことがあるようなことを持ち続けたまま成長してしまうと、間違った行動をする人も出てきてしまうんだろうなと感じました。

僕自身も近しい感情を抱いたことのあるキャラクターも登場しています。異常なことをしてしまう人も、僕たちと元々は同じではないか。誰しもがなり得ることなんじゃないか。育った環境や人間関係で、こうも大きく悲しい方向に行ってしまう。

そういったことを感じさせられる作品でした。

――香音人を、どんなふうに演じようと思いましたか?

僕は、香音人はものすごくピュアな人間だと思っています。

ただ、自分を表現する方法がわからない。香音人のきれいな心をどう表現するか、が、個人的な課題というか…大切に演じました。

――菅田さんとの共演はいかがでしたか?

菅田さんとは、目を合わせるシーンがなかったので、そこが残念でした。そこは、ご覧いただけたらわかっていただけると思います(笑)。

――視聴者のみなさんにメッセージをお願いします。

正義は、きれいごとではないというメッセージがすごく強いエピソードです。

どうにもできない大きな問題がたくさんあるんですけど、その“大きな問題”はすごく些細(ささい)な心の傷から始まっているんです。

子どものころにちょっと変な奴?人と違うと敬遠してしまうことがありますよね。心をわかる思考もできていないから仕方ないのですけど、敬遠された方も同じで…。でも、些細(ささい)なことかもしれないけど、それが後々大きな問題になってしまうこともある。

ですので、僕も改めて作品を通して、人の心、自分の心を見つめてみようと思いました。

外側でしか人を見ない世の中になっていると思うので、心を感じてみようと思っていただく一助になったらうれしいです。