<立花裕大 インタビュー>

――主人公の一ノ瀬四季を厳しく指導する教官・無陀野無人を演じるにあたって、初演ではどんなふうに役柄を作っていきましたか?

無陀野のような冷静沈着なキャラクターを演じることがほぼ初めてだったので、無表情な中にも信念をしっかり伝えたいと思って稽古に臨んでいたのですが、演出の(松崎)史也さんから「出力が強いから、(出力を)落としてみて」とアドバイスがあって。

さらに、寡黙ながらも説明ゼリフを担当することが多い役柄で、句読点の位置をすべて台本通りにやってほしいとリクエストがあり、それはセリフを覚えるうえでちょっとプレッシャーになっていました。

しかも、いついかなるときもローラースケートを装着しているキャラクターなので、滑りながらセリフを言わなければいけなくて、体で覚えるしかない、みたいな。いつどんな状況でふられても瞬時にセリフが出てくるくらい、ずっと頭の中で反すうしていました。

――鬼教官の冷酷な表情の裏には、かなりの努力があったんですね。

稽古場で初めて滑るとなったとき「立花の実力やいかに?」みたいな感じで、全員の視線を一身に受けまして、いや~、すごい高視聴率でした(笑)。

いざ、滑ってみたら、スタッフさんがこれはいけそうだと判断してくださり、ローラースケートのシーンがさらに追加されることになりました。僕としても大きな見せ場なので、空いた時間はすべてローラースケートに費やし、肘あてや脛あてなど防具をたくさん買いました。

――無陀野は「合理主義者で効率の悪いことが嫌い」ですが、立花さん自身は?

無陀野の気持ちはすごく理解できます。彼ほど完璧主義者ではありませんが、僕もなるべく効率よく過ごしたいので、例えば、休日に映画を観たい、髪を切りたい、バイクに乗りたいとなったら、全部をこなせるルートと時間をあらかじめ計算して外出するようにしています。