<津田寛治 コメント>

<コラム>『ミッドナイト屋台』予感ははずれ…クソまっずい輝元のスープで味覚を取り戻す!ラ・ボンノォォォォオオオオオーーーー!!!
岡部則夫(津田寛治)

――岡部則夫は、謎が多い人物ですね。

自分でも、なかなか役をつかみづらかったですね。物語のメインストリームに絡むわけでもないし、台本のト書きにも「岡部が飲んでいる」くらいしか書かれていないし…。

役作りについて監督に相談したところ、「そうですねぇ…幽霊みたいな感じで。いわゆる屋台の“妖精”ですかね」みたいな(笑)、すごくフワッとした説明だったんですよ。

当初は、探り探りでスタートしましたし、普通に「津田寛治が、屋台で白ワインを飲んでいる」だけでしたね。

そんな岡部に肉づけをしてくれたのは、神山くんと中村くんです。あの二人がしっかりと僕に絡んでくれたことで、岡部という役が動き出したと思っています。何より、彼らが真摯に撮影に取り組み現場を盛り上げてくれたことで、僕自身も彼らのために何かしてあげたいという気持ちに 
なりました。

その思いが、岡部という役にも反映されたのかなと感じています。

左から)遠海翔太(神山智洋)、方丈輝元(中村海人)

――屋台について、何か思い出はありますか?

故郷の福井県では、「ヤタチュー」という文化があるんです。

「屋台の中華そば」という意味なんですが、夜がふけてくると街のあちこちにラーメンの屋台が出るんです。お客さんを呼び込みたいと、どの屋台も切磋琢磨して味を競い合うので、どこもおいしいんですよね。

特に福井の冬は寒いので、子どものころは家族で車に乗って屋台へ行きました。混んでいると車の中で待つのですが、そうすると車までラーメンを持って来てくれて…。懐かしい思い出ですね。

僕自身は、グルメとか有名店を食べ歩くといったことには、あまり興味がないんです。むしろ、屋台や立ち食い蕎麦といった庶民的なものへの愛情は深い方だと思っています。だから、子どものころに食べた、あのラーメンの味は、たぶん一生忘れないでしょうね。

――第8話では、岡部の正体が判明します。

毎回、屋台の片隅でワインを飲んでいた岡部ですが、彼がなぜ翔太たちの屋台に通い詰めるのかが判明します。「翔太の一番のバディは輝元、そして翔太の一番のファンは岡部」だということが、よくわかる回です。

そして、第8話で登場する「真鯛のポワレ」も見どころのひとつ。ドラマのフードコーディネーター・藤代太一さんは役者でもあるので、「どのように撮られるか」を想定して調理してくれます。

柔らかなポワレは、崩れやすく食べるのが難しいのですが、上手に仕上げてくれました。
しかも、味も絶品。だから、僕が食べているシーンは演技というよりも、「津田寛治がおいしい料理を堪能しているドキュメント」になっていると思います。

左から)岡部則夫(津田寛治)、遠海翔太(神山智洋)

――視聴者のみなさんにメッセージをお願いします。

このドラマは、神山くんと中村くんの奮闘ぶりが魅力的なのですが、毎回登場する料理も、主役級の活躍をしてくれています。

食をテーマにしたドラマは数あれど、調理する過程をここまで丁寧に描いた作品は、なかったんじゃないかな。

「もし、こんな屋台が実際にあるのなら、ぜひ行ってみたい」と、みなさんに思ってもらえるような作品になっていると思います。そして、第8話から物語が大きく動き出すので、ここから最終回までを、ぜひ楽しんでください。

左から)岡部則夫(津田寛治)、遠海翔太(神山智洋)