<放送5作品紹介>

下段左より)大杉漣、斉藤由貴
「BLACK ROOM」(2001年/主演:木村拓哉/脚本・演出:石井克人)
木村拓哉が、奇妙な家に帰省した息子役を。迎えるのは、今は亡き名優・志賀廣太郎さんと樹木希林さん。三人の絶妙なセリフの応酬と、予測不能なぶっ飛び展開が笑いと混乱を巻き起こす。
度肝を抜く圧倒的なラスト…。SNSでも「もう一度見たい!」の声が絶えず、35年の中でも人気トップクラスと称される傑作が復活します。
(あらすじ)アメリカ留学中のナオキ(木村拓哉)は、3年ぶりに両親を驚かせようと帰国。しかし、実家は真っ暗な空間に変わり果てていた。暗闇の中で両親(志賀廣太郎、樹木希林)と再会するが、彼らの様子もどこかおかしい。不可解な状況に、戸惑いといら立ち、不安を募らせるナオキだったが、やがて、予想もしなかった出来事が待ち受けていて…。
「夜汽車の男」(2002年/主演:大杉漣/演出:鈴木雅之)
駅弁の食べ方だけで17分―――そんな突拍子もないテーマを、ここまで狂気的に、どこか切なく魅せられるのは『奇妙』ならでは。
主演は、今は亡き名優・大杉漣さん。大杉さんは『世にも奇妙な物語』最多出演を誇る、まさに『奇妙』のレジェンド。視聴後は、あなたも駅弁の順番に悩み出す!?異色だけど、なぜか心に残る、静かな怪作、ここに復活。
(あらすじ)乗客の少ない寂れた夜汽車に乗り込んできた謎の男(大杉漣)は、ただ黙々と弁当を食べ始める。彼は何の変哲もないおかずの一品一品を無駄に高い洞察力で分析し、ご飯の割り振りや食べる順序のプランを立て、食べ進めていく。
その姿は異様でありながらも、どこか引き込まれるものが。やがて、彼の行動にはある意図が隠されていることが明らかになり、物語は予想外の展開を迎える。
「ロッカー」(1990年/主演:織田裕二/演出:瀧川治水)
「トラウマ級」と語り継がれる、初期『奇妙』の伝説的ホラーエピソード。主演・織田裕二さんが、ロッカーに閉じ込められ極限状態に追い込まれていく密室の恐怖を体現。
本作は、1990年、第2回目で放送された通算4つ目のエピソードであり、今回のラインナップ中では最も古い作品。その強烈なインパクトから長年再放送が望まれていたものの、権利上の問題で封印されてきました。35周年という節目の力を借りて、幻の名作、今回ついに奇跡の復活。
(あらすじ)産業スパイの悟(織田裕二)は、研究所に忍び込み、重要なデータを盗もうとしていた。しかし、作業中に研究所職員・佐口邦夫(段田安則)に見つかり、もみ合いの末に彼を殺害してしまう。
逃げようとした悟は、警備員の足音を聞き、とっさに近くのロッカーに身を隠す。安心したのも束の間、ロッカーの扉が開かなくなってしまう。さらに、そのロッカーが殺害した佐口のものであることに気づき、悟は愕然とする。外では警備員が警察を呼び、現場検証が始まるなか、悟はロッカーの中で孤立し、次第に追い詰められていく…。
「美女缶」(2005年/主演:妻夫木聡/脚本・演出:筧昌也)
『奇妙』では珍しい、恋愛ジャンルの傑作。「理想の女性が缶詰めから出てくる」という突飛な設定ながら、物語は抒情的で美しく、特にラストの描写には胸を締めつけられた方も多いはず。映像全体を彩る鮮やかなトーンと余韻のある演出が、今なお多くのファンの心をとらえ続けている。
主演・妻夫木聡さんと、臼田あさ美さんの瑞々しい演技もあり、視聴後にじんわりと感情が染み渡るような一本。恋愛を描いた『奇妙』のなかでも突出した評価を受ける名作が、35周年のいま、ふたたび甦る。
(あらすじ)フリーターの雄太(妻夫木聡)は、同棲中の彼女・春子が出張に出かけたことで、一人暮らしを始める。ある日、隣人の冴えない男の部屋から毎朝違う美女が出てくるのを目撃し、不思議に思う。
興味を持った雄太は、冨岡の部屋に忍び込み、「美女缶」という缶詰を発見する。試しに使用してみると、藤川サキ(臼田あさ美)という美女が現れ、雄太は彼女と心を通わせていく。しかし、「美女缶」には、とある秘密が隠されており…。
「恋の記憶、止まらないで」(2019年/主演:斉藤由貴/演出:岩田和行)
比較的新しいエピソードながら、SNSを中心に「本気で怖い」「トラウマ級」と話題を呼んだ、“令和の『奇妙』”を代表する一本。
都市伝説的モチーフと呪いの連鎖が巧みに絡み合い、『奇妙』が描き続けてきた「日常のすぐ隣にある恐怖」を、90年代Jホラーの要素に現代の感性を抱え合わせて再提示。主演・斉藤由貴さんの鬼気迫る演技が物語の不穏さを加速させ、そして、見終えたあとも“あの声”と“あの歌”が頭から離れない――2010年代以降で人気の傑作、ここに再来。
(あらすじ)シンガーソングライターの村瀬志保(斉藤由貴)は、創作に行き詰まりを感じていた。ある日、夢の中で聞いたメロディを元に新曲を作り、大ヒットを収める。
しかし、そのメロディが自身が幼少期に出演したローカルテレビ番組の間に流れたCMソングであったことに気づき、盗作の疑念に悩まされる。そんななか、志保の身に、奇怪な出来事が起きていって…。