<北野拓プロデューサー インタビュー>

――本作の主演に香取慎吾さんをキャスティングした経緯から聞かせてください。

大森一平という人物を描くにあたり、“陰と陽”の両方を表現できる人に演じていただきたいという思いがまずありました。

(香取さん主演のドラマ)『人にやさしく』(2002年)も好きでしたし、映画『凪待ち』(2019年)も大好きな作品で、両方の魅力を一つの作品に盛り込むことで、香取さんの新たな代表作になるのではないかと考えたことがオファーのきっかけです。

 

 

社会的な題材を描こうとすると重くなりがちですが、香取さんがもつキャラクター力によって、シリアスな話題がある種、ポップに見えるところもキャスティングの理由。まさか本当に受けていただけるなんて、思ってもいませんでした。

――草彅剛さんが『罠の戦争』(2023年/カンテレ)で演じた鷲津亨役で登場したことが大きな話題となりました。

草彅さんには香取さんの主演作を応援したいという思いがあったそうで、本当の意味での友情出演となりました。撮影当日、草彅さんは舞台本番終わりで、大変な中、駆けつけてくださいました。

香取さんは草彅さんと、俳優としてテレビドラマで共演するのは27年半ぶりだったそうで、お芝居で対峙できたことをとても喜んでいらっしゃいました。

 

 

――急逝した中山美穂さん、そして、実妹である忍さんが出演されたことについてどのような思いがありますか?

『Love Story』(TBS/2001年)で香取さんと中山さんが共演されていたご縁でゲスト出演をオファーし、快諾いただきました。5話で香取さんとがっつりと共演していただく予定だったのですが、残念ながら実現しませんでした。

美穂さんが亡くなられた直後、忍さんご自身から姉の遺した仕事を私が引き継ぎたいという切実な思いを聞きました。

 

左から)中山忍、香取慎吾

 

とはいえ、美穂さんの四十九日前に撮影をすることになるので、僕たちスタッフも躊躇していたところ、姉と同じ作品に出演する最初で最後の機会であり、姉の遺した仕事を全うしたいという忍さんからの強い希望もあり、そこまでおっしゃってくださっていることに対して、僕としてもなんとか応えなければいけないと思い、ご出演していただくことになりました。

 

 

5話では美穂さんの出演シーンは、台本上はありませんでしたが、美穂さんと忍さんのエンドロールでのクレジット表記を姉妹で並べたいと思い、スタッフ総意で美穂さんのカットを入れさせていただきました。

後日、忍さんから「この作品が前に進むきっかけになりました」とご連絡をいただき、僕としては本当にご出演いただいてよかったと思いました。