ナレーション収録を終えた本仮屋さんにインタビュー。「まだまだ自分は到達できない」と感嘆する愛美さんの姿勢や、内容にちなみ、本仮屋さん自身の30代の“見せ方”、最近の変化などを聞きました。

――2021年から始まりシリーズ4作目です。約1年ぶりに愛美さんを見守った感想を聞かせてください。

まず今回、続編があると聞いて、愛美さんのいちファンとして「やった!」と、うれしくなりました。私も、愛美さんを推す「星組」の“補欠メンバー”という気持ちで、陰ながら応援してきたので、また関わらせていただけて大変光栄です。

――病気治療に対する大きな決断、58歳のバースデーイベントなど、さまざまな出来事があります。特に印象深いところはありますか?

愛美さんは新しいフェーズに入られたのでは、と感じました。ストリッパーという職業は、体ひとつで勝負しないといけない、自分を取り繕うことができない仕事だと思います。そんな厳しい世界で、これ以上ないほど自分をさらけ出して極限の表現をされてきた愛美さんが、そこをさらに超えたというか。人間ってここまで進化できるんだ、と感じました。

病と闘う愛美さんにとって「生きる」とは、長く生きることではなく、舞台に立つことだと話しています。踊ることに執着するというより、踊りは自分が魂をかけてやるべきことで、そのために生きると決めたのだと、私は受け止めました。

私も同じ女性で、フィールドは違いますが人に見られる職業です。でも果たして自分は、愛美さんのような姿勢で人前に立ち続けられるのか。立ち続けたいという気持ちと、共感と、まだまだ自分はそこに到達できないという思いと…愛美さんの、ある種“神がかった”覚悟を見せていただきました。

――愛美さんはショーでの自身の“見せ方”を、ストイックに追求しています。「年齢ごとに美しく見えるポーズは違う」と、後輩に指導している場面もありました。

そこは私も気になって、食いつきました。30代の見せ方を教えてほしい!と思って(笑)。

――本仮屋さん自身が大事にしている見せ方や、10〜20代の頃から変わったことはありますか?

実はそれ、ちょっと悩みでもあるんです。大人になってきたので、大人として振る舞わなければいけない。ただ、あまり大人になりすぎると、寂しい気持ちになるファンの方もいらっしゃいますし…。

でも、せっかくいろいろ自由にできる職業に就かせてもらっているので、「30代でもこんなに自由でいいんだ」というのを大切にしています。世の中、厳しい社会できちっとお仕事をされている方が大半だと思うので、そんな中で私の活動を見て、ちょっと肩の力が抜けるような感覚になっていただけたらと思っています。

――前回のインタビューで、2024年の抱負は「抵抗しないこと」と話していました。「自由でいい」という考え方も、この抱負に通じるのでしょうか?

そうですね、振り返ると「抵抗しない」は結構、達成できている気がします。それまでは、何かつらいことが起きるとそれに抗(あらが)って、エネルギーを生み出してきました。

でも今は、何か起きても、自分は何に恐れを感じて抵抗しているのか、どう思い通りにさせたいのか、それによって何を守りたいのかを考えて、身を委ねられるようになりました。

――そうすることで、具体的にどんな変化を感じますか? 

自分に対しての“許し”が増えることで、周りに対しても寛容になれるというのを感じています。その分、心の余裕が増えて、自由度が高くなった気がします。

考え方や性格が変わること、体の使い方、感覚や反応、すべてが変わるんです。ナレーションのお仕事も、声の音域がちょっと変わったり、深みが増したりします。昔から私を応援してくださっている方々は、おそらく今回のナレーションを聞いて「何か変わった」と気づくかもしれません。

――前編の見どころをお願いします。

愛美さんの人生の中でも、特に大きな転機が映し出されていると思います。愛美さんを追いかけている方でなくても、今回の放送があると知って注目している方も多いのではないでしょうか。放送するごとに愛美さんのファンが増えていると、私自身も感じています。

これからも彼女の輝きを見守りたい、応援させてほしいという気持ちになります。ぜひご覧ください。

予告動画

YouTube「フジテレビドキュメンタリー」で、『ザ・ノンフィクション』の予告を配信中。3月23日(日)14時~「私が踊り続けるわけ4〜58歳のストリッパー物語〜前編」

配信スケジュール

3月9日・16日放送「われら旅芸人の大家族~僕とわたしの生きる道~」前・後編(語り:趣里さん)が、3月30日までTVerFODで無料配信されます。

<【前編】に「自分もそうあるべきだな」と気づき 役者の覚悟、劇団の運営…「劇団暁」密着に驚き>

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