『監察医 朝顔』(第2シーズン)第10話完全版

朝顔(上野樹里)たちのもとへ、緊急の解剖依頼が入る。朝顔は、つぐみ(加藤柚凪)が通う保育園に延長保育を頼むと、光子(志田未来)や絵美(平岩紙)たちと手分けして解剖を行った。

光子たちの好意で先に法医学教室を後にした朝顔は、保育園までつぐみを迎えに行き、帰宅する。と、そこに美幸(大竹しのぶ)から宅配荷物が届く。その中には、まんじゅうや干物などの仙ノ浦土産が入っていた。

お礼の電話をかけた朝顔に、美幸は、平(時任三郎)が最近、店の手伝いをしてくれていることを伝える。続けて美幸は、朝顔の母・里子(石田ひかり)が合唱部時代に使っていたピアノ譜を見つけたから今度送る、と約束する。

あくる日、朝顔が出勤すると、光子や高橋(中尾明慶)、藤堂(板尾創路)がいた。朝まで作業をしていたのだという。

そこに、興雲大学の西門で移動販売をしているベーカリーショップ「ホワイトベーカリー」のアルバイト店員・北村愛菜(矢作穂香)がチラシを持ってやってくる。すると、突然落ち着き気がなくなる高橋。実は高橋は、ホワイトベーカリーの常連で、新商品が出ればいつも買っているのだという。

そんな中、朝顔たちのもとに、坂口拓海という男性の遺体が運ばれてくる。坂口は清掃員で、配管のメンテナンス中にビル屋上から転落したとのことだったが、安全ベルトを自ら外したという目撃情報があがるなど、どこか不可思議な点があった。

仕事が立て込んでいたこともあり、坂口の解剖は朝顔のサポート下で、光子が行うことになった。ところがその執刀中、光子は誤ってメスで自身の指を傷つけてしまう。

解剖によって、坂口は何らかの感染症にかかっていた可能性が判明する。それを知った光子のようすがおかしかったことから彼女が指を切ってしまったことを知った朝顔は、光子に興雲大学病院で手当を受けさせる。

藤堂は、絵美とともに大学や保健所など関係各所へ連絡した。連絡を受けた大学側が今回の事故を公表したため、この件はすぐにネットニュースなどに取り上げられていた。

ほどなく、坂口の妻・早苗(安藤聖)が法医学教室にやってくる。妊娠中の早苗は、夫の突然の死にショックを受けながらも、お腹の子への感染を心配し、酷く動揺していた。応対した朝顔は、そんな早苗の姿に胸が詰まり…。

緊急事態のため、高橋は、坂口の感染症検査を早めてもらうよう手配した。検査の結果は夜中にもわかるという。光子は隔離され、誰とも会えない状態だった。

保育園につぐみを迎えにいった朝顔は、つぐみが友だちとケンカしたことを知る。しかしつぐみは頑なに理由を言おうとはせず、保育園も先生もママも嫌いだとごねてコップに入ったジュースをぶちまけてしまう。そんなつぐみを、思わず強い口調で叱りつける朝顔。するとつぐみは、号泣しながら2階に上がってしまう。

しばらくしてようすを見に行った朝顔は、布団の中に隠れて泣いているつぐみに声をかけた。そこで、感染症のニュースが原因で、友だちのために持って行ったまんじゅうを食べてもらえなかったこと、朝顔が病気だからつぐみと遊ぶと病気がうつるなどと言われたことを知った朝顔は、いたたまれない気持ちでつぐみを抱きしめた。

そんな中、高橋から電話が入る。感染症検査の結果、坂口は狂犬病の疑いがあるという。すでに光子は、感染症科でワクチンの接種を受けていた。朝顔は、動揺を隠せないでいる高橋に、ワクチンを打ったなら心配ないと伝えた。

桑原(風間俊介)から電話をもらった朝顔は、つぐみのことと光子の一件を打ち明け、自分を責めた。桑原は、そんな朝顔に、会いに行くから4時間待ってと伝えて、家を飛び出す。明け方、万木家に到着した桑原は、朝顔を抱きしめ…。

詳しい検査の結果、やはり坂口は狂犬病に感染していたことが明らかになった。山倉(戸次重幸)たち野毛山署強行係も、海外に社員旅行に行った際、坂口が野犬と遊んでいたという目撃証言を得ていた。

検査の結果を知らされた光子は、ショックを隠し、明るく振る舞おうとした。だが、自分たちの前で無理をするなと朝顔に言われると、泣きながら自分を責める。朝顔は、光子を優しく抱きしめた。

同じころ、桑原は、朝顔や光子の仕事のことを改めてつぐみに話す。頑張っている人に酷いことを言うのは間違っている、という桑原の言葉にうなずくつぐみ。「つぐみとパパは、頑張ってる人のことを応援してあげよう」。桑原は、そういってつぐみに笑顔を見せた。

朝顔たちは、みんなで協力して坂口の遺体を綺麗にする。光子の提案だった。ようやく夫の遺体と対面することが出来た早苗は、涙を流しながら別れを告げた。

つぐみは、帰宅した朝顔に、嫌いだと言ってしまったことを謝った。自分で描いた家族の絵を朝顔に手渡すつぐみ。朝顔も、つぐみの気持ちに気づいてあげられなかったことを謝った。

それから数週間後、最後の検査を終えた光子が法医学教室に戻ってくる。結果は陰性だった。思わず光子を抱きしめる絵美。アルバイトの牛島(望月歩)は、号泣していた。

平は、美幸の店で飲んでいた。平が来てくれて嬉しい、といって手を握る美幸。そのとき、頼んでいた運転代行業者が店の前に到着する。そっと手を放し、挨拶して帰る平。

しかし、テーブルにはキーケースと、ビニール袋に入っている、「里子」と刺繍されたハンカチが残されていた。ハンカチを手に取り、その中に歯が包まれていることを知る美幸。そこに、忘れ物に気づいた平が戻ってくる。美幸は平に、キーケースとハンカチを手渡す。

朝顔は、家にあるピアノの前にいた。側には、里子が使っていたというピアノ譜があった。朝顔は、ピアノ譜を送ってくれた礼を言うために、美幸に電話する。その際、朝顔は、平のようすにおかしいところはないか、と尋ねた。すると美幸は、いつも元気そうで羨ましいくらい、と答えるが…。

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