フジテレビの朝の情報番組「とくダネ!」で22年間MCを務めるなど、“朝の顔”として知られた小倉智昭さん(77)さんが、2024年12月9日亡くなりました。
笠井信輔氏「亡くなる2日前に電話でやりとり」
フリーアナウンサーの笠井信輔さんは、小倉さんが亡くなる2日前に電話で話をすることができたそうです。
フリーアナウンサー 笠井信輔さん:
また入院されたっていうのを聞いて、それで電話したところ「もう家に戻ってきた」っていう話が。ん?と思って。そしたら小倉さんから「もう先生に『頑張らなくていいですよ』と。もう諦めたんだよね」っていう話を電話でされまして。声がもう枯れていて非常に弱々しかったんですよ。これはもう最期は自宅でということなんだろうなと僕は察しがつきまして。
私がこの電話最後になるかもしれないと思って、「とにかくよく小倉さんここまで頑張ってきましたよ」と。もう8年がんと向き合ってましたんで。そしたら「うん」っていう感じだったんですけれども。「私は小倉さんの一番弟子で、本当にありがとうございました」ということを言ったら「いやぁ、僕の方こそだよ」と言ってくださいまして。それが最後のやりとりになって「また電話しますね、よかったら行きますよ」みたいな。
そのまさか2日後にね、こういった連絡を受けるとは。いや、うーん…覚悟はしていました…。
名物呼びかけ「あまたつ!」秘話
「とくダネ!」の名物コーナーと言えば、2005年に初登場した、天達武史気象予報士との掛け合い。
小倉智昭さん「あまたつ!」
天達気象予報士「はーい!」
たった4文字の呼びかけでしたが、その後、天達気象予報士は「好きなお天気キャスター」上位常連になるほど、多くの人に愛される“朝の名物お天気キャスター”となりました。
このやりとりは、2021年3月、22年間続いた「とくダネ!」の最終回でももちろん行われました。
小倉さん(当時73歳):
あまたつ!
天達気象予報士:
はい!小倉さん、本当にこれが最後の「あまたつ」なんですね。
本当にね、僕、「あまたつ」って小倉さんに呼ばれるまで、僕の漢字見て、「あまたつ」って呼ぶ人はね、誰もいなかったですよ。読めなかったんですよね。
それがね、小倉さんが呼んでくれてから「あまたつ」って呼んでくださる…、ちっちゃい子も「あまたつ」って呼ぶんです。本当にありがとうございました。
小倉さん(当時73歳):
いや、見事でしたよ。時間の使い方とかね。絵もうまかったしね。
小倉さんが「あまたつ!」と呼んだことで一変した天達武史気象予報士の人生。
しかし、その呼び方は、本当に些細なことから生まれたといいます。
天達気象予報士:
小倉さんは本当に人生を変えてくださったというか。最初から「あまたつ」って、呼んでくれたんです。台本には、全く書いてなくて…、でも、小倉さんが第一印象で「あまたつ」って、呼んだほうがなんか面白いんじゃないか?っていうのを最初に感じていただいたようで。
古市憲寿さん、10月に小倉さんの自宅を訪問
コメンテーターとして「とくダネ!」で小倉さんと長い期間ともに番組を盛り上げ、一緒に書籍を出版したこともある、社会学者の古市憲寿さん。
突然の訃報に、「まだ実感がない」と話します。
古市憲寿さん:
まだその…実感が全然ないんですよね。
もちろんご病気のこともずっと聞いていたから、この日が来ることって、まぁ覚悟が多分笠井さん含めて、多分皆さんなんとなく想像っていうかはしていて…、でも、やっぱり実感があんまないんですよね。
本当につい10月にお会いして、その時めちゃくちゃもう、まだ元気で。なんか冗談っぽく、「俺が死んだら欲しいもの予約しておいてよ」って言っていて。でもお互い「死」って言葉が冗談で言えるくらい、こっちもそれを冗談にできるくらい小倉さんも元気な状態だったので。
MC谷原章介:
古市さんにとって、どんな方でしたか?小倉さんは。
古市憲寿さん:
すごく優しくて、シャイな人という印象です。テレビで見ると、“意地悪ジジイ”にしか見えないじゃないですか、でも、本当に全然違って、すごくシャイで。
だから始めは嫌われていると思ったんです。出演しても本番前も後もしゃべってくれなくて、でも後々わかったのは、すごくシャイで、すごく人見知りで、でも打ち解けるとすごく優しくしてくれて…。
あと、人のことを応援することをいとわない人ですよ。僕もすごい応援してもらったし、誰かのために行動することをいとわない人。
「とくダネ!」初期に10年間共演した佐々木恭子アナウンサー
多くの人に影響を与えた小倉智昭さん。「とくダネ!」の立ち上げから、笠井信輔アナウンサーとともに小倉さんを支えた佐々木恭子アナウンサーもその一人です。
佐々木恭子アナウンサー:
10年間ご一緒させていただいたんで、私、本当に小倉さんからすべて仕事を教わったって思っているんですね。その中でも小倉さんを表す偉大さというと、よく私たちの番組の中では、本当に不本意ながら、ある日、突然、事件や事故に巻き込まれたり、災害に遭われる方っていうのをたくさん長い時間を使って、放送することがありますよね。
その時にスタジオに戻ってきて、一言「お気の毒だよね」っておっしゃっていたんですよ。でも、それって放送する立場からすると、実は、結構使えない言葉だと思うんですよね。
他人事に聞こえるんじゃないかとか、高みの見物に聞こえるんじゃないかっていう。
でも、小倉さんはすべてのそのやるせない気持ちを本当に一言で、「お気の毒だよね」っておっしゃっていて。
私、26歳からご一緒させていただいたんですけれども、いつかこの一言に何かすべてを込められるような、なんかそういう人生経験をしていきたいなっていうのは、小倉さんから教わりました。でも、やっぱり未だに使えないです。
MC谷原章介:
それは小倉さんの人としての大きさだったり、情の厚さみたいなものなんですかね。
佐々木恭子アナウンサー:
優しさとか、ご本人もいっぱい苦労して過ごしてこられたからこそ、にじみ出る情とか、愛情とか優しさが、全部そこに詰まっていて。
もう万感の思いを込めて、よくそうやって「気の毒だね」っておっしゃっていたのをすごく記憶しています。
(『めざまし8』 2024年12月10日放送より)
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