フジテレビ朝の情報番組『とくダネ!』などでキャスターとして活躍した小倉智昭(おぐら・ともあき)さんが、2024年12月9日午後に亡くなりました。77歳でした。
小倉さんは2016年に膀胱がんを患ったことを公表し、2018年に膀胱全摘手術。
その後もがんとの闘いが続いていましたが、2024年12月4日に病院で治療の手立てがないとの宣告を受け、12月6日から自宅に帰って妻の看病のもと過ごしていたということです。
2024年11月8日に行われた『小倉ベース』番組収録後のインタビューでは、「いつ病気で倒れるかわからない」と話し、別居しながら“老々介護”をしてくれている妻への感謝の思いを語っていました。
『とくダネ!』で朝の顔に 膀胱がん公表・全摘手術も肺に転移…
1947年5月25日、秋田市で生まれた小倉さんは、1970年に現在のテレビ東京に入社。競馬実況などで活躍したのち、1977年からはフリーアナウンサーとして数々のテレビ・ラジオ番組を担当します。
1985年に15歳年下の妻と結婚。
1999年4月にスタートした『とくダネ!』では、歯切れのいいオープニングトークが話題に。時には厳しくも愛のあるコメントを発し、お茶の間の“朝の顔”となりました。
2016年には膀胱がんを患ったことを公表。2018年に膀胱全摘手術を受けました。
その後、復帰し2021年3月まで22年にわたり『とくダネ!』のメインキャスターを務めました。
2021年10月には、以前手術を受けた膀胱がんが肺に転移したことを公表。「ステージ4」の宣告を受けたといい、抗がん剤治療を始めていました。
その後、左の腎臓の全摘手術を受けていたことも明かした小倉さん。
2024年11月8日に行われた『小倉ベース』収録後、めざましmediaの取材に「いつ病気で倒れるかわからない」と話し、別居しながら“老々介護”をしてくれている妻への感謝の思いを語っていました。
『小倉ベース』収録後のインタビュー 別居で“老々介護”妻に感謝
小倉智昭さん:
年を取ったら、余生をゆっくり好きなことに時間を費やしてって思っていたんです。でも、体が弱くなって病院に通うようになって、自分の残された時間がどのぐらいなのかと考えるようになると、そっちに目が向かなくなるっていうことがある。
だからね、「年を取ってからこれをやりましょう」って思ってる人は、絶対に年を取る前にやったほうがいい。お金も老後のためにっていうよりも、若い時や使える時に使った方が僕はいいと思う。残すなんていうことは考えないで、若いうちに遊ばないと。年を取ると、僕みたいに目は見えづらくなってくるし、耳は聞こえにくくなってくるし。もう眼鏡の度数なんか毎月のようにどんどん変わるんだから(笑)。
最後まで自分の好きなものに囲まれて生きていけるようにと、カミさんの協力もあってこういう家を建てたけれど、結局カミさんが住むスペースがなくなっちゃって。ここに住んでいたカミさんの母親と一緒に実家のほうに戻って、母親と僕の老々介護を2ヵ所でやってくれているんです。
「ありがたいな」って思うから、なるべく家のことは自分でやろうと思ってさ。でも、頑張っちゃうとやっぱり体がきついから、家のことをやって疲れたら椅子に座ってドラマを見たり、音楽を聴いたりする時間にあてていて、その他のことまでする余裕がないんですよね。
――家のことをご自分でされるということですが、生活のルーティンはありますか?
小倉智昭さん:
ルーティンはちゃんとありますよ。カミさんは朝10時頃に来るから、必ず6時半には起きて、ゴミ捨てに行かないといけない。週に5日間、捨てるゴミの種類が違うんですよ。起きてごみ捨てをするのがその日の始まりで、食事を作って食べて、薬を飲んで、それから「さあ何やろうかな」となる。
でも、これまた「病院の日」ってのが多いわけ。ちょっと遠い病院に通っているから、通院日は朝6時に起きる。それが月に7、8回で、近所のホームドクターのところにも週に1回ぐらい行く。だから、仕事のスケジュールを入れるほうも大変ですよ。病院って書いてあるところを避けて入れないといけない。それに、歩くのも疲れちゃって大変だから、仕事は座ってやれるラジオや講演になる。
いまだにラジオはレギュラーでやってほしいとか、週に1回でもやってほしいと言っていただけてありがたいけれども、いつ病気で倒れるかわからないから。ちょっと今はもうレギュラー仕事の保証はできないよね。
――軽快な"小倉節"は健在でした。
小倉智昭さん:
そういう意味では、77歳でもまだまだやれるとは思うんですよ。しかし、物忘れがひどくなった!1日に2回ぐらい、「あれ?何だっけ?」っていうことがある。
――2回で済んでいるところがすごいと思います。
小倉智昭さん:
「小倉さんでも忘れるようになっちゃうのか」と言われてますよ。この前、もう最悪だと思ったのはね、カミさんと一緒に病院に行って待合室で“ある人の名前”を思い出せなくなっちゃって、さすがに大きな声で聞けないから、カミさんに小声で「ねえねえ、あのメジャーで活躍してる彼、名前なんつったっけ?」って。そしたらカミさんが、「大谷翔平選手のこと?あなたそんなことも忘れちゃったの!?」ってびっくりしてた(笑)。
でもさ、突然忘れちゃうんだよな。「いいな」と思う俳優さんを見つけると、すぐその人の作品を探して見ているのに、その俳優さんの名前を忘れるんだよね。大好きな小芝風花さんの名前も出てこなくなっちゃう時がある。
――他に、注目されている俳優はいらっしゃいますか?
小倉智昭さん:
最近は、出口夏希さんと河合優実さん。この2人はいいね、今すごく好きなの。でも名前を忘れるんだよ(笑)。同世代の人と話してると、「あれ!ほら!あれの!」「わかった、あれだろ、あれ!」みたいな会話になって、もうほとんど落語みたいになっちゃう。でも、こういう話をしたほうがラジオなんかではウケるんだよね(笑)。
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