女性の多くが抱えているのに、他人にはちょっと話しづらい、心と体の問題や悩み。
10月は女性の権利などを呼びかける「国際ガールズ・デー(10月11日)」や、更年期の健康に関わる情報を世界に発信する「メノポーズ週間(10月18日~24日)」があるタイミングということで、「ウィメンズ・ヘルス・アクション(以下、WHA)」がフジテレビとコラボしたイベントの第1弾『わたしたちのヘルシー ~心とからだの話をはじめよう in Oct.2024』が開催されました。
(※)ウィメンズ・ヘルス・アクション…国や自治体、医療・教育の現場や職場・家庭・地域などが一丸となり、日本の女性の健康推進の必要性と課題について考えための取り組みを行うプロジェクト。
すべての女性が自身の心と体に向き合い、快適で健(すこ)やかに過ごせるように…そんな思いを込めて、専門家を交えてリアルな悩みとその解消法を話し合うとともに、最近よく聞く“フェムケア”の最前線にも迫りました。
(※)フェムケア…女性の健康や体のケアに焦点を当てた製品やサービスのこと。
【配信内容を動画で見る方はこちら】
阿部華也子から専門医に生質問!
登壇したのは、ともにWHAの共同代表を務める大須賀穣先生(東京大学医学部附属病院 副院長、日本産科婦人科学会 副理事長)、対馬ルリ子先生(NPO法人女性医療ネットワーク 理事、一般財団法人日本女性財団 理事長、「対馬ルリ子女性ライフクリニック」理事長)。ゲストとして、阿部華也子さん、景井ひなさん、MCを佐々木恭子フジテレビアナウンサーが務めました。
まずは、佐々木アナから今回のイベントの2つのテーマが発表。
・「男性にも知ってほしい!“フェムケア”の最前線〜他人に話しづらい、女性のカラダとココロの悩み〜」
・「それって病気のサイン?〜婦人科検診に行っていますか?〜」
早速、阿部さんから対馬先生に「汗」に関する相談が寄せられました。女性のよくある悩みとしてある、夏に限らず多量の汗をかく症状について対処法を尋ねました。
これに対して対馬先生は「わき汗に限らず、日常生活で困るほどの汗をかくことはありますよね。こういう方を“多汗症”と言います。あまり知られていないのですが、皮膚科で治療を受けることができます」と回答。
以前に比べ多汗症の人は増えていて、日本皮膚科学会のガイドライン(2023年改訂版)によると、
対馬先生は、「緊張の汗、思春期の汗、更年期の汗…命にかかわる問題ではなくとも、生活に不自由を感じたり、恥ずかしい思いをしたりして、QOL(生活の質)が低下するのはよくないことですよね。そういった人に寄り添う治療が、保険適用でできるようになっています」とアドバイスしました。
産婦人科の専門医・大須賀先生からは、「更年期が原因の多汗症については、産婦人科の疾患が隠れていることもあります。年齢によっては、産婦人科を受診するほうがよいこともあります」と年齢を精査する重要性も伝えられました。
「生理があれば妊娠できる」という誤認
続いては、世界的に注目されているという“フェムケア(Femcare)”について。この言葉は、「Feminine(女性の)」と「Care(ケア)」を組み合わせた造語で、月経関連や更年期の症状など、女性特有の健康問題に関するケアについて焦点を当てた製品やサービスのことを指します。
フェムケアについて理解を深めるため、対馬先生のクリニックでよく聞かれる“リアルな相談”が3つ紹介されました。
①「妊娠は何歳までできるの?生理があれば妊娠できるの?」
②「デリケートゾーンはどうやってケアしたらいいの?」
③「彼氏がコンドームを使おうとしてくれません。どうすればいい?」
対馬先生は、これらの相談に女性の現状を踏まえて親身になって回答しました。
その中で、①について、対馬先生は「生理があれば妊娠できる」と誤認している女性は少なくないのだと明かしました。「個人差はありますが、妊娠能力にはピークがあります。それを知らずに、30代後半や40代になって『そろそろ妊娠を…』と希望して、初めて婦人科を受診する方もいるんです」と語り、学校での性教育の向上をはじめ、正しい知識をもつことの必要性を訴えました。
また、自分が妊娠できるのかどうか卵子の推定数がわかるAMH検査や、尿をかけるだけで排卵日がわかる市販の「排卵日予測検査薬」についても、妊娠に向けた計画の指標になると説明しました。
やる気が出ない…これってもしかして更年期?
佐々木アナからは、「イライラするのは若いころからですが…(笑)。今は、あとひと踏ん張りがきかない。やる気が出ない」という自身の状態が更年期の症状なのかどうなのか、という質問が。
対馬先生は「更年期は、閉経をはさんだ前後10年ほどで、誰にでもあって、症状もさまざま。イライラするとそれを誰かのせいにしたくなりますが、実は、自分の調子が悪いから、そうなっていることもある。更年期は、女性ホルモンのエストロゲンが激減する時期で、そういった症状が特によく出ますが、そういう時でも