2024年11月13日、東京都心では20℃を超え、道行く人の中には半袖姿や上着を手に持つ人の姿も…。
この季節外れの暖かさは、秋の風物詩「紅葉」に異変をもたらしています。
『めざまし8』取材班は急きょ、「富士河口湖 紅葉まつり」(11月20日まで)が行われている、山梨県の人気紅葉スポットへ向かいました。
取材スタッフ:
河口湖の近くにあります紅葉の名所「もみじ回廊」に到着しましたが、奥の方を見てみますと…、まだ葉が青いですね。
もみじの木が、川と遊歩道に覆いかぶさる道、その名も「もみじ回廊」。
例年であればこの時期、真っ赤に色づいた紅葉が見られますが、今年はまだ緑のトンネル状態です。
静岡から来た観光客:
めっちゃ緑でびっくりしました(笑)。
去年はもうちょっと早く来たんですけど、もう結構赤くなってました。
足を運んだ観光客も思わず…。
女性:めっちゃ人いない。
男性:全然緑だよ。あははは。
女性:人もいない。あははは。
笑うしかありません。
そのため、わずかに色づいている葉のある場所に人々は集まり、撮影の順番待ちをしていました。
東京から紅葉を撮影しにきた観光客が撮った写真を見せてもらうと…、
東京から来た観光客:
こんな感じで。やっぱり緑が入りますよね。全部が赤っていうわけにはいかないです、今年は。
苦労して撮った紅葉ですが、どうしても鮮やかな緑が入り込んでしまいました。今年の秋の異変を表す1枚です。
11月9日に河口湖周辺をドローンで撮影した映像では、湖畔の1本1本の木々の色づきは黄色や赤など紅葉がしっかり進んでいるように見えますが…、奥の山々に目をやると、全体的な色づきは、まだ緑が多いように見えます。
この状況に、河口湖の紅葉を50年近く見続けてきた北河口湖観光協会の大町さんも、驚きを隠せません。
北河口湖観光協会 大町悦章さん:
本来だったらば、もう真っ赤になってるはずなんですけど、今年はやっぱり暖かかったので、まだ青いところが…、大体1週間半ぐらいは遅れている感じはありますね。
実際どのぐらい暖かいかというと…、まだ半パンなんですね。もうありえない。
なぜ、ここまで紅葉の色づきが遅いのでしょうか?植物の研究を行っている専門家に話を聞きました。
東北大学植物園 伊東拓朗助教:
10月の気温が高かったというのが原因かなと思います。
最低気温8℃を下回ると色づきが始まるといわれていますので、それに至らなかったのが
影響しているのではないかなと思います。
全国各地でも「紅葉」に異変が…
異変は全国各地でも起きていました。
長崎県で紅葉の名所として知られる、雲仙仁田峠。今年は例年より2週間ほど遅れてようやく見頃を迎えました。
地元の人:
一番いい時に比べたら(紅葉が)少ない。今年はちょっとここから見る感じ、落葉している感じがしますね。
同じような現象は福岡県でも…。
福岡・糸島市にある雷山千如寺大悲王院の境内にそびえ立つ、樹齢400年を超えるイロハカエデです。
本来この時期は全体が真っ赤に色づくそうですが11日の色づきは、まだ5割程度。
高知県四万十市の黒尊渓谷でも川のもみじが色づき始めていますが、葉をよく見てみると、茶色くなっていたり、色づきが遅れていることが分かります。
専門家は、その色具合についても異変が起きていると指摘します。
東北大学植物園 伊東拓朗助教授:
場所によっては夏の高温の影響で葉っぱが傷んでしまっていて、すでに茶色く変わってしまっている、その影響で秋口の紅葉シーズンになっても、あまりきれいな色が出てていない植物がたくさんあるかなというふうに思います。
(『めざまし8』 2024年11月14日放送より)
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