アメリカ・テレビ界のアカデミー賞とも呼ばれる「第76回エミー賞」の授賞式が日本時間2024年9月16日にロサンゼルスで開催され、ドラマ『SHOGUN 将軍』で主演とプロデューサーを務めた真田広之さんが、日本人として初めてとなる主演男優賞を受賞したほか、主演女優賞にアンナ・サワイさん、監督賞にフレデリック・トーイ監督など、あわせて史上最多となる18部門で受賞する歴史的快挙を成し遂げました。
今回『SHOGUN 将軍』でプロデュースも担当した真田さんがこだわったのは「時代劇の所作」。
これについて、めざましテレビはこの作品で日本の所作・動作の総監修を務めた人物にインタビューしました。
「第76回エミー賞」で真田広之プロデュース&主演作『SHOGUN 将軍』が快挙
アメリカ・テレビ界のアカデミー賞とも呼ばれる「第76回エミー賞」の授賞式。
ドラマ『SHOGUN 将軍』で主演とプロデューサーを務めた真田広之さんが、日本人として初めてとなる主演男優賞を受賞したほか、主演女優賞にアンナ・サワイさん、監督賞にフレデリック・トーイ監督など、撮影賞や編集賞などとあわせて史上最多となる18部門で受賞する歴史的快挙を成し遂げました。
主演男優賞獲得の喜びを、英語でスピーチした真田さんは…
真田広之さん:
この作品は東洋と西洋がお互いを尊重して完成した夢のようなプロジェクトでした。人々が協力をすれば奇跡を起こせることを「将軍」は教えてくれました。
そして、作品賞が決まり、再び壇上にあがると、日本語でスピーチし、時代劇を作ってきた先人たちに向けた感謝を語りました。
真田広之さん:
これまで時代劇を継承して支えて来てくださった全ての方々、そして監督や諸先生方に心よりお礼申し上げます。あなた方から受け継いだ情熱と夢は海を渡り国境を越えました。
日本人のイメージを払拭したい…真田広之がこだわった「時代劇の所作」
ドラマ『SHOGUN 将軍』は、将軍の座を目指す戦国武将がいかに天下分け目の関ヶ原の戦いに臨んだかを、壮大なスケールで描いた作品。元々は1975年発表の小説が原作で、1980年にもアメリカでドラマ化されていますが、その時はエミー賞の受賞はなりませんでした。
授賞式が行われたアメリカ・ロサンゼルスの人々からも、今回歴史的快挙を成し遂げた『SHOGUN 将軍』に称賛の声が寄せられ、ハリウッドからも認められた日本の時代劇。
そこには、およそ20年にわたり、アメリカで活躍してきた真田さんの時代劇にかける並々ならぬ思いがありました。
映画評論家 伊藤さとりさん:
俳優だけでは全てやり遂げられないというか、口出せないことも多くて。日本の武士道だったり、日本の時代劇っていうものをちゃんとハリウッドで表現することができないことを悔しがっていたんですよ。
真田さんは1966年に子役でデビューし、その後ジャパンアクションクラブに入団。
1981年には映画「魔界転生」に出演したほか、「戦国自衛隊」「里見八犬伝」など、日本で数多くの時代劇に出演。
2002年、山田洋次監督の映画「たそがれ清兵衛」では主演を務め、腕の立つ侍を演じるなど、アクション俳優としての実績を積んでいきました。
そして、2003年、トム・クルーズ主演の「ラストサムライ」でハリウッドデビュー。それから20年ハリウッドの第一線を走り続けてきました。ハリウッドデビュー当時、真田さんが話していたのが…
真田広之さん:
誤解に満ちた日本人像が今まで結構多かったですから、僕たちの時代でそれを払拭したいなと。
映画で表現される海外から見た日本人への間違ったイメージに違和感を抱いていた真田さん。
そして、今回の『SHOGUN 将軍』では、主演だけではなく、プロデューサーも務めました。
映画評論家 伊藤さとりさん:
日本人の俳優としていろんな壁にぶつかったと思うんですけど、今回この『SHOGUN 将軍』っていう作品であえてプロデュースに回った。その理由っていうのが、アクションだけじゃない時代劇の所作だったり、武士道精神っていうものを一番しっかり見せる会話劇でだいたい成立してるんですよ。
真田さんがこだわったという「時代劇の所作」。
めざましテレビでは、それを最もよく知る『SHOGUN 将軍』で日本の所作・動作の総監修を務めた帆之亟さんに話を伺いました。
日本人所作動作総監修 帆之亟さん:
(真田さんが)「全部がわかる所作指導がほしい」と。それで巡り巡って私のところに来て、「やってくれないか」と。
指導していた所作を見せてもらうと…
日本人所作動作総監修 帆之亟さん:
人間歩くっていうとこういうふうに振りがち、これ歩くっていうんですけど。
日本人所作動作総監修 帆之亟さん:
武士の場合、履物も草履だし、手も振らない。軽く握ってかかとで歩く。そうすると外で歩いても砂ぼこりが立たないし、江戸城とか大阪城の廊下を歩いてもドシドシしない。
日本人所作動作総監修 帆之亟さん:
男でも正座をするときもきれいにさばいて座る。
日本人の所作を教えてくれた帆之亟さん。
今回『SHOGUN 将軍』がエミー賞で快挙を成し遂げたことについては…
日本人所作動作総監修 帆之亟さん:
うれしいことですよ。本当にエミー賞を日本の作品が取るなんて想像もできないじゃないですか。それが取れたことに、僕も本当にうれしいんですよ。
そして、今回の受賞を受け、現地メディアは、「時代劇」で「ハリウッドの歴史」を作ったと称賛。
「SHOGUN」が、世界を驚かせ続けています。
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