<波瑠 インタビュー>
――“語り”のオファーを受けた際は、どんな気持ちでしたか?
声のお仕事は経験が多いわけではないので、あまり自信がありませんでした。でも、視聴者の皆さんと多田屋の皆さんとの“橋渡し”になれればと思い、お受けしました
どう読めば私なりに力になれるかな…といろいろ考えたのですが、あまり欲張るとたぶん失敗するなと思って(苦笑)。今回の主人公である多田屋の皆さんの邪魔をしないように、そして聞きやすいように、一生懸命読みました。
――映像を見ての感想はいかがですか?
すごく引き込まれました。弥生さんのこれまでのストーリーもですし、多田屋再生に向けて、さまざまな世代の皆さんが熱い思いを持って取り組む姿に、何度もぐっときました。
――特に印象に残っている場面を教えてください。
多田屋に嫁いで女将修業に奮闘していた頃の弥生さんの映像もあり、その姿には、同じ女性として共感する部分がありました。
嫁いで1年後、若女将として自身のご両親と弟さんをもてなした時に、嫁いだことの重みや家族との距離を感じて、涙する場面がありました。そこで弥生さんのお母さんが「ここ(客室内の敷居)に大きな川があるような気になったのかもしれない」とつぶやいて。その表現に「なるほど」と思いました。
――女将も俳優も一見華やかな仕事に思えますが、通じると思う部分はありますか?
華やかなのは全体の一部で、見えない部分で多くの時間と努力を重ねているところは似ているのかなと思いました。旅館に行くと、女将さんは皆さん落ち着いてスマートに接客してくれますが、そこに至るまでは、きっとたくさんの積み重ねがあるのではないでしょうか。
私たちの作品づくりも、たとえば連続ドラマは毎週1時間で楽しく見られますが、実は1話の撮影に何週間もかかっていたり、そのぶん体力勝負な面もあったりします。
――波瑠さんが思う、弥生さんの魅力は何でしょう。
静かな強さ、だと思います。夫で社長の健太郎さんのように表へ出て引っ張るのではなく、若女将という立場で社長を支え、旅館を支える。弥生さんだからこそできるサポートや、周りを信じ続ける姿勢が魅力的だなと感じました。
――健太郎さんは復興を機に、多田屋を高級温泉旅館からまったく別の宿泊施設に変えるという大胆なアイデアを打ち出し、仲間を引っ張っていきます。
健太郎さんは、すごく聡明な方だと思いました。人がついていきたくなるような力強さや説得力を感じます。それは、健太郎さんが日々、旅館や和倉温泉全体のことをたくさん考えているからこそ生まれるのかもしれません。それでいて、そういう努力をあまり感じさせないところも、素敵だなと思いました。
――多田屋は“再生か新生か”という岐路に立たされますが、波瑠さん自身はそういった時、現状を立て直すために頑張るか、いっそのこと新しい道を突き進むか、どちらのタイプですか?
私はどちらかといえば「いっそのこと…」と思うタイプです。なので、社長の健太郎さんの気持ちはよく分かります。でも、これまで築き上げたものを再生させて最短距離で復興を目指したい、健太郎さんのお父さん(会長)の思いにもすごく共感しました。
――健太郎さん親子は意見がぶつかりますが、健太郎さんは、こういう時こそ対話が重要だと語っていました。
自分だけの問題ではないので、決めるのは難しいですよね。私は、会話って“できているつもり”になってしまうほうが多いかもしれない、と思っていて。相手の意見を聞いているつもりで、実はちゃんと聞けていないというか。
特に私は自分で決めたことに結構、頑なに突き進んでしまうタイプなので…(苦笑)。自分は相手の思いを本当に聞けているか、意識しないといけないなと思っています。
予告動画
YouTube「FUJITV GLOBAL CHANNEL」で、『ザ・ノンフィクション』の予告動画を配信中!7月28日(日)14時~「花嫁のれん物語~能登で生きる家族の18年~」予告。
配信スケジュール
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