ロングインタビュー(対談)は「自分ならではの個性を大事に」
新美:
ハリウッドスターへの短いインタビューの一方で、ロングインタビューのイメージもあります。
軽部:
「The軽部真一」は、日本の俳優・ミュージシャンとの約1時間の収録です。
オンエアの3~4倍収録するのでじっくり時間をとって懐に入っていきます。
ある時期は、40代で「カル調」という街頭インタビューを毎週していたので150回くらいインタビューに行きました。
中でも「ファン調」という、コンサートに行ってそのアーティストのファンに話を聞くのが多かったけれど、鉄道ファンや子供たちにも様々インタビューをしました。
これは一般の人にマイクを向けるからハリウッドスターや芸能人のみなさんとも違ういろんな系統の場数を踏みました。
新美:
インタビューを上達させるための努力は?
軽部:
僕らのインタビューになると、新聞や雑誌の記者とは違って顔を出して、「アナウンサー軽部真一」として向かい合うことになるわけですから、どこかインタビューでありながら対談なんです。
自分の個性を出した上で、インタビューを受けてくれる人の前にいる感じ。
だからこそ、自分ならではの個性を大事にしながらインタビューをしてきました。
軽部:
ありがたいことに「軽部さんなら受けます」って言ってくださることもあるので、より良い内容にする必要もありますし、誠意を持ってそのことに向き合わないといけないですね。
そのためのインタビュースキル、内容、コミュニケーション。
あと、僕はインタビュー項目のメモは見ません。
手元のカンペも見ません。
手元のカンペを持たない方がいいかと自分は思うんです。
新美:
忘れたらどうしようと不安になりませんか?
軽部:
不安になることもあるけど、自分なりのこだわりとしてやっています。
よくインタビューをする相手に大泉洋さんがいるのですが、彼は自分で司会もするからすごくそういうことに対する観察眼が鋭いんです。
最初のロングインタビューの時にカンペを持ってないことをすごく喜んでくれて。
というのも、相手がカンペ読んでいることが、自分の話を聞いてくれているのか不安になるそうなんです。
その時は良い台本になっていたので、項目を上から順番に聞いていったのですが「手元に持たないまま順番通りに質問してましたよね、すごいなあ」って誉めてくれたのですが、逆に質問項目とその並びを覚えている大泉さんの方がすごいですよね(笑)
こうなるとプロとプロの競い合いになってきますよね。
「しめしめ」ってなる。
ただ、新人の若いインタビューは、それはそれで必要で、僕らがするものは違って然るべきですよね。
インタビューは場数と個性ですよね。
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