2024年6月7日に公開される映画『かくしごと』。
虐待の疑いがある少年に「自分が母親だ」と嘘をつき、一緒に暮らし始める主人公・里谷千紗子役を演じているのが、女優の杏さん、38歳。
杏:
年々、歳を重ねるにつれ、感動するものを見たら涙もろくなったり、ニュースを見て憤りのある気持ちになったり。
そういった“何かを見て受け取る感情”が、若かった頃から比べると少しずつ積み重なっているような部分があります。
昔だったらできないかもしれないけど、「今ならチャレンジできるかもしれない」という気持ちでした。
杏さんは15歳からモデルの活動を始め、人気ファッション誌の専属モデルとして活動。
パリコレに出演するなど海外でも活躍すると、20代で女優デビューしました。
これまで、ママ友同士の複雑な人間関係に巻き込まれる母親や、公正取引委員会の職員など、多彩な役柄を演じてきた杏さん。
去年2023年に公開された映画「翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜」第2弾では、“滋賀県の貴公子”として男性役を演じ、話題になりました。
女優、モデル、そしてプライベートでは3人の子供の母親。
そんな杏さんに、これまで大切にしてきた言葉=“One Word”を聞きました。
杏の「大切にしている言葉」
杏:
『これ“が”いい』
杏:
「これでいい」というよりは「これ“が”いいな」と思う選択をするのって、ワクワクします。
結果的にそれが正しいか、間違いかはまた違う話だと思うんですけど、振り返ってみて「違っていたけど、でもあのときは“これがいい”って思っていたもんな」と思えるので、迷っていても「これがいい」と思うところまで考えてみたりします。
アイスを食べるときに「何味にしようかな?」ぐらいの迷いでも「今日はこれがいいってことだな!」みたいな。
常に「これでいい」という妥協ではなく、「これ“が”いい」という“積極的な選択”をしてきたという杏さん。必要なのは“想像力”だといいます。
杏:
美術館に行って、ただ見て「良かった」で終わっちゃうときに、「何が良かっただろう?」って思い出せなくなることが多くて。
見ている間に「家に持って帰るなら」とか、「これはどんなお家に合うのかな」とか、ちょっと想像しながら見ていると、少しだけ深く、心の中に入りそうな気がします。
そんな杏さんが世間を驚かせた「これ“が”いい」という選択が…2022年に始めた、フランスと日本の2拠点生活。
杏:
大学や就職のタイミングで、自分の街を離れる経験をされている方ってすごく多いと思うんですけど、私はたまたまそれをしないで今まで生きてきたので(東京出身)、いつか『知らない街、全く知らない場所に行って生活をスタートさせる』ということを、やってみたいなと思っていました。
フランスは(モデル時代から何度も行って)地理も分かっているし、知り合いもいる。アートが盛んでご飯もおいしい。
生活していてすごく面白いなと思うのでフランスを選びました。
知り合いがいるとはいえ、頼れる人の少ない環境。
新居の家具を自分で組み立てるなど、自らの力で毎日を切り開いていますが、文化の違いに戸惑うこともあるようで…。
杏:
天井から水漏れしているのに直るのに1年くらいかかったのと、いまだに電気のつかない部屋があります(笑)一応、電気屋さんに見てもらったけど「分からない」と言われて。
パチンとスイッチを入れたらパッと電気がつくというのができてない…できていたら便利だなと思います。
フランス語はちょっとずつ…上達しているとは思います。
日本もですが(会話不要の)セルフレジが増えていたり、学校のお便りとかも全部ウェブで来るんです。
お母さん同士のチャットルームみたいなのも全部画面上で済むことが多い。
もちろん会話もするんですけど、分からなかったらすぐピッと翻訳して、私も日本語で書いて翻訳してまた送ったりしています。
時には苦労もある中で、杏さんの心の支えは3人の子供たちだといいます。
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