現在放送中の、大地真央主演のフジテレビ系オトナの土ドラ『最高のオバハン 中島ハルコ』。大地演じる毒舌全開の“アラ還”名古屋マダム・中島ハルコが、悩みを抱えて集まってくる人々や、忖度まみれの理不尽な世の中をバッサバッサとぶった斬っていく痛快コメディだ。
林真理子の「最高のオバハン」シリーズをドラマ化した本作で、ハルコに翻弄されまくるアラフォー女子・菊池いづみを演じているのが、松本まりか。
いづみは、弱小出版社に勤めるグルメ雑誌の編集者兼ライターで、ダメンズとの“10年もの”の不倫に悩む38歳の独身女子。だが、ハルコと出会い、その嵐のようなエネルギーに翻弄されながら、徐々に成長していく、という役どころ。
ドラマは、すべて収録済み。「自分に対しての発見がたくさんありました」という松本に、役作りや作品の魅力、大地との共演、仕事への思いなどを聞いた。
<松本まりか インタビュー>
振り回されてリアクションする役…“考えるより感じろ”の精神で
──松本さん演じる菊池いづみは、“怪演女優”のイメージを覆す役どころですね。
今までは、物語をかき乱したり、アクションを起こす悪女の役が多かったのですが、本作では真逆。地味で平凡、まぶしい大地真央さん演じるハルコさんに振り回されていく役。その場で感じて、驚いてリアクションする役なので、「考えるより感じろ」という精神で演じました。
だから、違った一面が見えたりもして。驚いた時は「こういう、すっとんきょうな顔をするんだ」とか、「こんな謎の声が出るんだ」とか、自分に対しての発見がたくさんありました(笑)。
このような役をいただけるなんてビックリしましたが、すごくうれしかったし、感謝しています。
──ご自身といづみが重なる部分はありましたか?
いづみは、「この先自分はどうしていけばいいのか」とアラフォーならではの悩みを抱えていたり、思考が負のループになってしまったり…。私自身がいづみに共感できるところはたくさんあります。
でも、そんなことにとらわれて生きていかなくてもいいんだと、ハルコさん(大地)に教えてもらって、いづみは変わっていきます。そういう過程すべてに共感できますね。
はじめは、悶々とした毎日の中で笑えなかったいづみですが、ハルコさんに出会い、刺激を受け翻弄されていく中で、だんだん笑えるようになります。私も最初はいづみを演じることでいっぱいっぱいで、ただ振り回されてわからずに進んでいったのですが、いつしかすごく楽しくなっていて、現場で笑っている自分に気づいたんです。
ハルコさんの言葉は、グサグサ刺さります。ハルコさんと出会って、いづみがどう成長していくのか。すごく地味な作業ですが、作品を通して成長していける役どころは初めてなので、今の自分に重ね合わせて一緒に成長するつもりで演じました。
ハルコさんのセリフには哲学が詰まっている
──作品の印象を教えてください。
繰り返される日常の中に、隕石がバンッって落ちてきたようなドラマです(笑)。今まで自分だけの世界に生きてきたのに、隕石が降ってきて、世界を一変させてしまうような。最初は、ただただびっくりしていたけど、気づいたら笑っている。それくらい私にとって、新しい価値観をもたらしてくれるドラマでした。
──ハルコさんのどんなセリフが印象に残っていますか?
名言を言い放った後に、「私の知ったことじゃないけどね」っていうのが、ハルコさんの素敵なところだと思いました。突き放しているようで、でも、押しつけがましくならずに、こちらの気持ちを楽にしてくれている感じがして。
また、ハルコさんは美容外科医なんですけど、整形の理念について、「コンプレックスを取り除けば、人生を変える勇気が出る。自分が変われば周りも変わるのよ」というセリフがあって、ハッとさせられました。ハルコさんのセリフには、そういう哲学が詰まったものがたくさんあるんです。
超高級レトルトカレー、ひつまぶしなど大地真央の粋なはからいに感激
──大地真央さんとの共演はいかがでしたか?
大地さんとの共演は、本当に楽しくて。朝から晩までずっと一緒にいるので、それが当たり前のようになっていたけど、大地さんが先にクランクアップしてしまったので、その後が寂しくて寂しくて(笑)。
撮影中は、すごく仲良くさせていただきました。収録は、昨年末だったのですが、仕事が立て込んでいて、お正月はおせちを食べる余裕がないと言ったら、すごく高級なA5ランクの牛肉がゴロゴロ入ったレトルトカレーを「お正月に食べなさい」とくださって。別の日には、オーガニックチョコレートもくださいました。
差し入れのセンスも抜群で、今まで食べたことのないくらいおいしいクッキーや、名古屋で撮影している時には、ひつまぶしを差し入れてくださいました。
宝塚時代のお話もうかがいました。大地さんが自転車やバイクで学校に通われていたというやんちゃなお話とか、宝塚100周年記念公演の話、あと舞台で背負う羽が重いとか(笑)。ほかでは聞けないお話ばかりで、まるでおとぎ話を聞いているようでした。
──名古屋をはじめ、愛知でのロケはいかがでしたか?
蒲郡は、温泉があったり、景色に癒やされましたね。幸田町(こうたちょう)では、地元のみなさんが愛情のこもったお弁当を出してくださって、それがすごくおいしかったです。私がInstagramで投稿した「お花畑サラダ」を見てくださって、お弁当にお花を入れてくださったり。そういう心遣いがうれしくて、毎日温かい気持ちでいっぱいでした。
愛知の方々の温かい心遣いに助けられた撮影でしたし、東京に帰りたくないと思ってしまったくらい“愛知愛”が生まれました(笑)。
松本まりかにとっての中島ハルコとは…哲学書が人生の指針
──松本さんは、ハルコさんのような存在の人に出会ったことはありますか?
あります。私にとってのハルコさんは、松田美由紀さんです。でも、そのお話は、フジテレビュー!!の「私の、東京物語」でお話したので、そちらをご覧ください(笑)。
そして、もう一つのハルコさんは、“本”です。いづみにとってのハルコさんは、突破口だと思います。社会の中にいると、自分が本当にしたい生き方よりも、常識とか足並みをそろえるということが求められがちですよね。でも、ハルコさんは、そんないづみの枠を壊してくれる人。それで、いづみは自分らしく生きることに目覚めていくんです。
私にとって、常識を破る突破口が、“本”なんです。今まで、ほとんど本を読まなかったんですけど、30歳になったときに本と出合って、そこからずっと読み続けています。きっかけになったのは、ショウペンハウエルの「読書について」。
私は、影響されやすい性格なので、自分がブレてしまっているなとか、わからなくなっているなと思った時は、本屋さんに通います。“良書の中から、自分の哲学が見つかるはず”だと思っているから。自分の本意ではないのに、周りに合わせたりしている時に、本を読むことで「本当に大事なのは何?」と自問自答して、自分の気持ちを強く持てるようになるんです。哲学書が人生の指針になっていて、それが私にとってのハルコさんなのかもしれません。
忙しさに感謝。だからこそ、湧き始めた仕事への意欲
──やはり、忙しいと自分を見失いがちになりますよね。
そうですね。でも、走り続けるという経験は、人生でなかなかできないことだと思っています。私が忙しくさせていただけるようになったのはここ2、3年で、それまでは、「休みが取れないくらい忙しくなりたい」と思っていました。今は「休みがほしい」と思うくらいお仕事をいただけて、本当にいい経験をさせていただいていると思います。
今は、一つひとつの仕事を丁寧にやりたいと思い始めました。中でも、お芝居がやりたい。たくさんの作品、監督と出会いたい。それが今の目標です。
──最後にメッセージをお願いします。
いづみは、初めはハルコさんを怪訝に思いつつ、ハルコさんのパワーに影響されて、いろいろなことを吸収していきます。38歳でも、ちゃんとそういう素直さがあるんです。人は、いくつになっても変われるし、違う世界に飛び込む勇気を持つことは、すごく大事なんだなと思いました。
私自身、ドラマを通してそれを体感できたことがうれしいですし、みなさんもいづみと同じ目線になって勇気を持ってもらえたらいいなと思います。
撮影:今井裕治
タイの国民的俳優・GEE SUTTHIRAK(ジー・スッティラック)が出演!タイの財閥の御曹司役『最高のオバハン中島ハルコ』
2024年11月20日 |
07:30
『鍵のかかった部屋』『silent』『ミステリと言う勿れ』『ロングバケーション』新旧ドラマ70タイトル超を無料配信「フジドラWINTER!」
2024年11月20日 |
05:30
さかのぼること4ヵ月前!「神隠し事件」を調べる興玉(藤原竜也)ら…そこにヒルコから新たな犯行声明が『全領域異常解決室』第7話予告
2024年11月20日 |
05:00
志熊(有澤樟太郎)が“オクラ”入り!?変貌ぶりにSNSも驚き「仲間になった」「いい子だ!」『オクラ~迷宮入り事件捜査~』
2024年11月19日 |
21:57
千寿(反町隆史)、利己(杉野遥亮)は首都爆破テロを阻止に奔走!10年前の警察官連続殺人事件の実行犯が関与か?『オクラ』第8話予告
2024年11月19日 |
21:54
【カットがかかると…】宮世琉弥&小野花梨の仕草に「キュンキュンする♡」の声『スノードロップの初恋』
2024年11月19日 |
18:30