ミルクボーイ・内海 「今があるのは『THE MANZAI』のおかげ」角刈りになった理由も明かす

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人気・実力を兼ね備えた漫才の名手（マスター）たちが一堂に会する、“年に一度の漫才最高峰の祭典”『THE MANZAI』。

今年は、12月6日（日）19時より、昨年同様“コンテスト形式”ではなく、“日本一豪華な漫才の祭典”として放送。番組MCを務めるのは、最高顧問のビートたけし、ナインティナインの岡村隆史、矢部浩之の三人。漫才の最高峰にふさわしい豪華MC陣が『THE MANZAI』を盛り上げる。

番組に出場する、誰もが認める漫才の名手“THE MANZAIマスター”22組の中に、昨年「M-1グランプリ」でチャンピオンに輝いた、ミルクボーイ（内海崇・駒場孝）が初参戦。

番組収録後のミルクボーイに話を聞くと、『THE MANZAI』とのつながりが見えてきた。

――初出場を終えた感想は？

内海：初めて出させていただきましたし、僕ら“プレマスターズ”の予選にも出たことないですし。 

駒場：『THE MANZAI』に関わらせてもらったことがなかったです。 

内海：（今回で）一気に駆け上がったというか、そこの緊張もありましたし、僕たちがサボっていた、漫才を離れていた時期に賞レースの『THE MANZAI』が開催されていて、1回も“認定漫才師”になれなかったんですよ。 

駒場：1回戦で落ちたもんね。 

内海：だからその悔しさもあって、今があるのは『THE MANZAI』のおかげというか、1回戦で落ちたんですよ、2014年。（賞レースの）『THE MANZAI』最後の年ですかね。落ちて手応えなかったんですけど、1番何もやってなかったときやな。 

駒場：サボりのど真ん中。 

内海：でもあそこで、落としていただいたおかげで、僕その夜に丸刈りにしまして、駒場にも言わずにいてもたってもいられなくなって…。そこからやるとかじゃなかったんですけど、何かを変えなあかんということで、今の奥さんと付き合っていたときに夜、丸刈りにしてもらって…。 

その丸刈りから髪の毛伸びてきて「どういう髪型にしようか」と次に切ったときに、たまたま角刈りみたいになったんですよ。 

駒場：（笑）。 

内海：それが劇場の皆にいじってもらって「オモロイ」みたいになって…。そこからすぐに角刈りではないんですけど、結局角刈りにしようと思ったときに「あのとき、皆いじってくれてたな」と思い出して、お笑いを頑張る覚悟を決めて、自ら角刈りにしたので。 

だから『THE MANZAI』で落ちてなかったら丸坊主にもしていないですし、ホンマ髪の毛長くして、ハゲを隠して、あひる口してましたんで、蝶ネクタイして。 

――偶然の産物だったんですか？ 

内海：偶然の産物から生まれたことなので、ホンマになんか感慨深いですね。 

――駒場さんは2014年の一回戦で落ちたときの心境は覚えていますか？ 

駒場：一応それまでの余力で、劇場のオーディションにしても賞レースにしても1回戦とか1次審査とかは余力でいけてたんですけど。 

内海：落ちたことなかった。 

駒場：いやいやホンマに。その余力も全部なくなったなというのが2014年、手の内全部なくなって「どうすんねん」って感じで。 

――そこから漫才への向き合い方が変わったんですか？ 

駒場：そこからでも、2015年もサボってましたけど（笑）。 

内海：でも「いよいよピンチ」っていう、明らかにもう「芸人辞めなあかんで」くらいで。大阪では出てたりしたんで、受からせてもらえてたと思うんですけど、結構しっかり落としてもらったっていうのが…。 

駒場：次の年に先輩たちにも、言ってもらったというのがあるんで。 

内海：今日出てる人で、1回戦で落ちてる人なんかおらんやろ？（笑）。 

駒場：本当、違いますよね。僕らも去年M-1に挑戦者みたいな形で、「当たって砕けろ」みたいな感じでいけたんですけど、『THE MANZAI』はそういうのじゃないですよね。レジェンドしか出てない。「砕けろ」とかじゃないっていう…。 

内海：そうそう…。賞レースじゃないし、点数とかはつかないんですけど、なんか皆さんの『THE MANZAI』にかける気合が違う。スタジオに入って、圧で倒れそうになりましたもん。 

圧が違うかったな〜、たけしさんがいてはるというのもすごく大きいんでしょうけど、日本の若手、中堅の漫才師のトップクラスが集まってますからね。 

駒場：今日僕ら後ろの方でしたけど、今まで積んでこられたやつが僕らに回ってきたみたいな感じの、その重圧もありましたね。ずっとすごい人らが出てきて、積んできて僕らに回ってきたっていう。 

――お客さんやMC陣から見守られる中での漫才はいかがでしたか？ 

内海：全然楽しむ余裕はなかったですね。 

駒場：そうですね。 

内海：自分らが失敗しないようにってだけでしたね。 

駒場：いつになったらなれるんやろ、楽しくワイワイできる漫才っていうのは…。他の方が、どんな心境でやってるのか聞きたいな。 

内海：劇場とかだったらリラックスしてるんで、1回ウケたりしたら落ち着いてできるんですけど、今日は最初笑っていただいたときもずっと「気が抜けない」っていう感じで。ホンマお客さんの顔ひとりも覚えてない。覚えてる？ 

駒場：覚えてない、皆笑ってたけど。 

――普段はどうですか？ 

駒場：普段も見えてないです。 

内海：でも最近ちょっとは余裕できるやんか。 

駒場：でも立ち位置が内海と逆なんで、（内海の方からは）たけしさんとかナイナイさんは見えたんじゃない、目線の中に…。 

内海：いやいやもう、見ないようにしてる。 

駒場：マイクよりもちょっと後ろ側やったもんね。 

内海：そんな真横で見えなかった。でも、駒場の方を見たら『THE MANZAI』って書いてあるバッジが付いてたんで、余計に緊張した。 

駒場：（笑）。八方塞がりやな。 

内海：もうホンマに。なんやろうな、あのセットかな？賞レースじゃなくなった『THE MANZAI』でもずっと年末、家で見てましたから。 

駒場：そうですね。 

内海：去年のM-1で優勝してなかったら出させてもらってないし、これは目標できたね、1個ね。『THE MANZAI』に出続ける。 

駒場：ありがたいですね、こういうのがあると。