前田敦子さんが「全幅の信頼をおいている」と打ち明けました。
10月16日(日)の『ボクらの時代』は、前田敦子さん、趣里さん、根本宗子さんが登場しました。
公開中の映画「もっと超越した所へ。」で共演している、前田さんと趣里さん。そして、その脚本と演出を手掛けたのが根本さん。
3人は、以前から親交があったといいます。
根本宗子「私はAKB48の同期だった」と自己演出
根本さんは、AKB48時代の前田さんのファンで、高校生のころ「お金払って握手してた」そう。
劇作家・演出家として活躍するようになってからは…。
前田:岩松(了)さんが「あなたのこと、すごいファンって言ってる、才能あふれる女子がいるから、一緒に観にいこう」って、で、スズナリ(ザ・スズナリ:東京都世田谷区下北沢にある劇場)に、一緒に2人で観にいって、ご飯食べに行かせてもらって。
根本:そこが、公式では初。
趣里:そっか、そっか。
根本さんは、一緒に仕事をするようになった現在も、ふとした瞬間に「‟前田敦子“じゃん」と緊張することがあると明かしました。
趣里:わかる、わかる。
根本:緊張しちゃって「どうしよう」って思った結果、なんかわかんないんだけど、「私も同期だった」というていで。
前田:自分のね、中でね。
根本:そう、自分に。
趣里:演出入ったのね(笑)。
根本:演出入ったの。怖いでしょ(笑)?
前田&趣里:(笑)。
前田:「私同期、私同期」みたいな。
根本さんは「その結果、はしゃいで足とか上げてんの」と、前田さんと一緒に載った、雑誌の撮影を振り返り、笑いました。
趣里「初めてバレエのことを忘れて、その世界に没頭できた」
3人は、それぞれ芝居の世界を目指したきっかけを語りました。
趣里:根本さんは、脚本家になりたいと思ったきっかけは?
根本:もともとはスキーのモーグルをやってたんです。モーグルの選手になりたかったんですけど、足をケガしちゃって、車いすの期間が6年くらいあって。車いすの期間に、大人計画のお芝居を初めて観て。
前田:へぇー。
根本:結構、松尾(スズキ)さんが書いているものに救われたので、最初は「そっち側に自分も行ってみたいな、何かやってみたいな」ってところから。ちょっと足が人のようには動けなかったので、自分で書けは自分に無理のある役は書かないっていうので、書き始めたのが、一番最初。趣里ちゃんもね、元はバレエをやって…。
趣里:そう、元はバレエを「この道しかない」みたいに思ってやっていて。で、(根本さんと)同じでケガをしてしまって。踊れないってなったときに、高卒認定受けて大学受験して大学に入ったんだけど、「うーん」っていう。バレエへのあこがれもまだ捨てきれず。
それこそ私も演劇を観に行って。それが岩松さんだったんだけど、岩松さんの舞台観て、初めてバレエのことを忘れられて、その世界に没頭できて。「ああ、こういう世界もあるんだ」って思って、すごく楽になって。それからかな。それから、芝居のレッスンを始めて…という感じ。
前田:へぇー。
根本:でも、確実にバレエをやっていた趣里ちゃんが、お芝居してる中にもあるじゃん。
前田:ある、ある。あります。
根本:もう、私、大好きなミュージックビデオがあって、おとぎ話っていうバンドの「COSMOS」っていう曲が趣里ちゃん(出演)のミュージックビデオなんですけど、もうあれ、本当に500回くらい見て、泣いたの(※)。
(※)趣里さんは、雑踏の中で(バレエを)踊り出す少女を演じている。
趣里:いやいや(笑)。
根本:毎回…。
趣里:見てくれるとき、報告してくれて。
根本:そう。本当に。
前田:「今日も見たよ」みたいな(笑)?
根本:昨日も見たんですけど。
前田&趣里:(笑)。
趣里:うれしい。
前田:私も、あれは大好き。
根本:ね。
趣里:え、うれしい。
根本:あれは、やっぱりね…できないよね。
前田:できないよ。
趣里さんは「そんなこと言ってもらえるなんて」とうれしそう。
そして、「自分が誰かの心をそうやって(動かすことが)できてるっていうのって、本当に生きてて良かったなって思う瞬間なので、こちらが、ありがとうございます!です」と、感謝しました。
前田敦子「アイドルって絶対に限界がある」
一方、AKB48として活躍してきた前田さんは、「アイドルをやりたいとは思っていなかった」と、女優を目指した理由を明かしました。
前田:‟歌って踊る“なんて、たぶん一番自分からかけ離れてることだったから、やりたいと思ってやってなかったんですね。でも、この世界にはいたくて。でも平凡だからこそ、だったら、唯一、頑張れば居場所を見つけられるんじゃないかなと思ったのが役者さんだったんです…っていう消去法だったりするんですけど。
根本:へえ。アイドル時代も、「最終的には、役者業にいくぞ」っていう感じでずっとやってたんですか?
前田:うん。「やめていい」って言われてたから「じゃあ、いつやめようか」って。卒業をしちゃいけないって言われてたら、たぶん入ってなかったです、AKBは。だって、アイドルって絶対に限界あるじゃないですか。そのあとに捨てられちゃうようなところに、いたくないですよね。「使い捨てにしない」っていうのを、最初から言ってくれていたので。
前田さんの話に、趣里さんは「敦子って、ずっと戦い続けてきてる」と評します。
前田:(笑)。どうでしょうね。
根本:だって、ずっとカメラに追われてたわけじゃん。仕事も、メイク中も。
趣里:涙出てくる。涙出てくる。本当。
趣里さんと根本さんは、食事をとるひまもなくステージに立っていた、アイドル時代の前田さんの映像を見ていたといいます。
根本:しかも、なんかやった瞬間を切り取られちゃうわけじゃん。
趣里:そうだよ。
根本:普通に、椅子に座っていた瞬間だってあるでしょ。
前田:ある。ある。
根本:それが、ちょっと眉間にしわ寄せてるのを切り取られるわけじゃないですか。
前田:うん。ね。だから、外の声とかは「一部を見て言っている人たち」という認識をちゃんと持ってやれていたから、それに打たれたりとか全然しなかったですね。
趣里:偉い。
根本:そこが偉いですね。
趣里:私なら、寝込むと思うもん。
根本:私ならもう、走って逃げてる(笑)。
前田さんは「本当に、なんでこんなにすごいことになるんだろうっていうくらい悪口も言われるしね」と言い…。
趣里:そうだよね。本当、容姿のことを言われると…。
根本:いや、そうなの。本当にね。
前田:本当だよね。
根本:ダメだよね。
前田:すぐ「ブス」とか言うじゃないですか。
根本:もう「ブス」と「ばばあ」と「メンヘラ」しか悪口言われなくなって。
趣里:ひどいよ!
前田:本当、最悪なんですけど!
趣里:最悪、もう。
根本:もう腹立ち過ぎて、その3つの言葉の缶バッジ作って売った。
前田&趣里:あはははは!
前田:でも、そっちのほうが勝ちですよ。大正解。
根本:何かに変えないと、なんか得しないと嫌だったんですよね。売れたら、ちょっと得にはなるなと思って。
前田:ちょっとだけね。
根本:傷ついてる割合のほうが高いけど。あと、言わなくていいよね。
趣里:「気にしないほうがいいよ」とか。
根本:いや、そうなの。気にするに決まってんのよ!
趣里:気にするに決まってんのよ!
根本:あと、教えてくる友だちね。
前田&趣里:いる!
前田:すごい嫌ですよね。
根本:すごい嫌だ。いらないもん、そんな情報。
趣里:「大変だね。ピッ(とリンクが張られている)」みたいな。
根本:そうそう。それで知ったんだけど、みたいな(苦笑)。
前田さんは「悪口は嫌だ。なんのために言ってるんだろうって思います。そこに対しての疑問はすごくあります」と語り、趣里さん、根本さんも大きくうなずきました。
「自分のためには頑張れなくなってきたのが30代」
また、前田さんが一児の母として「自分のためより、子どものためのほうが頑張れる」と言うと、根本さんも「自分のためには頑張れなくなってきたのが、30代かも」と反応。
趣里:そうだね。
前田:どうします?
根本:ね。もともと、あんまり自分に興味ないんで。
前田:私もです。
根本:言ってましたよね。
前田:うん。
根本:だから、人に役、書くほうが楽しい。
前田:ああ、言ってましたね。「自分の役書くの、つまんない」って。
根本:そう。自分に役書くのが一番ずっとつまんなかったので。でも今、役者もやめちゃったので、人に本書くほうが楽しいですね。
趣里:でも、「自分に興味ない」って言ってたけど、お芝居するって、どっか自分じゃない世界を生きられるというか。それを見てもらって楽しんでもらうっていう職業だから。なんか今、自分もそうなのかもなって思った。
根本:いや、そうだよね。
趣里さんが、役者や劇作家は「自分っていうより、人に興味がある仕事なのかもね」と言うと、話題は思わぬ方向へ…。
根本:人に興味ない人は、ずっと自分の話してますもんね。
前田:(ハッとして)そうだね。
趣里:なんか今、思い当たる節あったでしょう(笑)。
前田:自分の話中心の人が、本当に苦手なんだよねっていう。例えば、話してて「あ、私も」「あ、俺も」って言う人、苦手なんですよ。
根本:奪っていく人ね。
前田:そうです、そうです。
趣里:話、奪う人。
前田:結構、日常的にありますよね。
根本:女の人は特に多いかも。女が集まったときとかって、やっぱ取られちゃいがちな人と取りがちな人がいますよね。
前田:いますよ。取られちゃいがちな人、います(笑)。
根本:いますよね。私、取られちゃいがちなんですよ。
趣里:ここにいる人は、みんなそうだと思う。みんな、なんか(ちょっと引いて)「え、うんうん」って(聞き役に)なるタイプ。
根本:(趣里さんが話題を)取られてるの、見たことあるもん。
前田&趣里:(笑)。
前田:私も、よくあります。
根本:ありますよね。
趣里:私も、見たことある。(前田さんが)取られるの。
根本:ね。みんなある。「話、取られちゃった」。
前田:みんな、でも、そうなっても「まぁいっか」みたいなね。「うん、うん」ってなっちゃうんですよね。
そこで、根本さんは、3人の共通する部分を分析しました。
根本:「楽しい」とか「悲しい」とか心の部屋がいろいろある中で、何か、「孤独」みたいなのを急に感じる部屋の扉が、結構ガバガバなの。
前田&趣里:ある!
根本:すぐ、すぐ開いちゃいません?
前田:面白すぎる(笑)。
根本:その部屋に「あ、入ったな」っていうのもわわかるし。
趣里:ゾーンにね。
前田:わかる!お互い、それたぶんわかります(笑)。
趣里さんは「あるよね、孤独の部屋」とうなずき「だから、仲良いのかな」と納得した様子。
3人は、深く付き合える友人は、“針くらい”の狭き門を通過した人だと盛り上がり、お互いにそれをクリアしていると確認。
前田:「もういらないかな、これ以上、友だちは」って思う。
根本:いや、そうなんですよね。
前田:なんか、モヤモヤしたものをすぐわかってくれる人が、もうここにいるからいいやって、私は思います。
根本:そうですよね。
前田:楽しいのは、誰とでも共有できるじゃないですか。「イエーイ」ってやれば。でも「なんかモヤモヤしてて」って話したときに、2人は全部キャッチしてくれる。
前田さんは、趣里さん、根本さんに「全幅の信頼をおいている」と打ち明けました。
20代は「プライベートなんてどうでもいいと思っていた」
最後は、それぞれ仕事にまい進してきた20代を振り返り「プライベートを見て見ぬふりし過ぎてきた感じありますよね」と前田さん。
趣里:そうかもね。そうかも。
根本:「プライベートとか、別にどうでもいいや」って思ってましたもん。
前田&趣里:思ってました。
趣里:だから、いい人に出会って、いい作品を…。
前田:恋愛じゃなくて?
趣里:あ、恋愛?
根本:恋愛もプライベートっていうことですよね。
前田:うん。
趣里:プライベート枠ではそうか…。
前田:必要なのかな。若いときは私は絶対(恋愛)したほうがよかったと思います。だから、後輩とかに最近言われるんですよね。最近の若い子って、本当恋愛してない子が多い。「(恋愛の)仕方がわからない。何したらいいですか?」とか。「プライベートでやらなきゃよかったって思うことありますか?」とか、よく言われて。「ないよ」みたいな。「もう、バンバン傷ついたほうがいいと思うよ」としか言えない。
根本:若いときに、いろんな最悪な出来事とかがね、あったじゃないですか。
趣里:はい。
前田:ありました。
根本:それを、若いときにやっておいてよかったなって、すごい思うってことですよね。
前田:そうです。
趣里:そうだね。
前田:「今、思えばね」って感じですけどね。
根本:そのときは、もう最悪なんですよね。
前田:最悪ですよ。「この世の終わりだ」って何回思ったか(笑)!
「やっぱり、一番情緒が不安定になるのが恋愛ですよね」と言う前田さんに「そうかも」と同意した趣里さんですが…。
前田:(根本さんに)趣里の好きな人とか紹介してもらったこと、1回もなくないですか?
根本:ないです。
前田:ないですよね(笑)。
根本:紹介はされなくても、風のうわさで聞いたりすることもあるじゃないですか。
趣里:うんうん。
前田&根本:ないですね(笑)。
趣里さんに対して「すごい距離が近いなって思った異性って見たことない」と根本さん。
前田:見たことない。全員「なんかすごいノリのいい友だち」みたいな。
趣里:だから、そうなっちゃうんだよね。
根本:“特別さ”を出したほうがいいってことだね。
前田:そうじゃない?
趣里:すごい響いてる、今。
前田:好きな人には、もうちょっと特別にいこう。
趣里:なるほどね。
根本:私、出すよ、特別は。
趣里:出せるんだもんね。
根本:明日、すべてが終わるかもしれないから「伝えておかなきゃ」みたいな。それは別に恋愛じゃなくても。例えば「すごいこの作品が良かった」とかも、今、思ったときに伝えないと。「今度会ったときに言おう」だと、何があるかわからないから。
趣里:そうなんだよね。
根本:そう。思ったときに言わなきゃっていうのは、ここ数年、特に思ってて。
趣里:うん、間違いないね。
前田:いいことですね、それは。
根本:なので、そういう意味で、好きだったら「好き」って言うし、っていうのはなんか心がけてるかも。
趣里:いや、すごいよ。一番シンプルだけどさ、一番難しいことだよね。
そんななか、前田さんから「(2人は)結婚しないでしょう?きっと」という発言が飛び出しましたが「まだ希望は捨ててないです」(根本さん)、「そうです。まだお願いします(笑)」(趣里さん)と結婚願望は持っている様子。
前田さんが「私はもう、1回したからいいや」と言うと、趣里さんと根本さんは声をそろえて「先輩!」と呼びかけ、笑い合いました。
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