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斎藤工「イチケイのカラス」で黒木華から学んだ「他者を反射させる」技量

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斎藤工さんが、黒木華さんから学んだことを語りました。

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<【写真9枚】この記事の写真を見る(アザーカットあり)>

東京地方裁判所第3支部第1刑事部(通称:イチケイ)を舞台に、型破りな裁判官・入間みちお(竹野内豊)と、後輩裁判官・坂間千鶴(黒木華)が、ぶつかり合いながらもともに真実を追求する姿が好評を博したドラマ『イチケイのカラス』(フジテレビ)。

その2年後のストーリーが描かれる、映画が現在公開中です。

映画では、他職経験制度で弁護士となった坂間が岡山・日尾美町で活動中に出会う人権派弁護士・月本信吾役で斎藤工さんが出演。町の問題に切り込み、そして坂間がほのかな憧れを抱く相手として存在感を見せています。

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フジテレビュー!!は、斎藤さんにインタビュー。ドラマ『イチケイのカラス』の印象、映画の撮影裏話、「今、白黒はっきりさせたいと思っていること」を聞きました。

<斎藤工&向井理が映画「イチケイのカラス」に!「光栄かつ身の引き締まる思い」>

仙人?月本から見た「入間みちお」という人

<斎藤工 インタビュー>

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──ドラマ版の『イチケイのカラス』を見ていたそうですが、どのような思いで見ていましたか?

純粋に作品を楽しみながら見ていました。

ドラマが放送されていた2021年の4月は、コロナ禍で、何度も緊急事態宣言を経験していて、映像業界はどうしていくべきなのかということを考えていた時期。また、多くの人が何か窮屈さを感じながら日々を過ごさなければいけない頃でした。

みちおさんや坂間さんの掛け合いや、“イチケイ(東京地方裁判所第3支部第1刑事部)”の皆さんのどこかライトな雰囲気は、僕らがコロナ禍や今の時代のなかで徐々に失ってきたものだった気がしていて。

『イチケイのカラス』は、温かさというか光のようなものをいただいた作品だなと思っています。

──その『イチケイのカラス』が映画化。改めて、月本信吾はどのような役と捉えて演じていましたか?

正月に里帰りをされた方も多いと思いますが、地域に根付いたネットワークやルールというものがどこの地方にもありますよね。その歴史とともに歩み、築き上げられてきた地域のルールが司法を超える瞬間は、往々にしてあると思うんです。

「こういうことでいいんだ」とやり過ごされてきたものを見直すタイミングが、今、まさに来ている。どう考えても不要なのに、なぜ立ち止まらずに、疑問を持たずにやり過ごすのか。それは「受け継いできたから」という理由かもしれないけど、必ずしも美しいものだけじゃないはず。

もういっそのこと、若い世代にすべてのイニシアティブを託したほうがいいんじゃないかと思うくらい、負の遺産はこんなにも多いのかということが明るみにもなっています。月本はそういう時代の狭間にいる人間なんだなと思います。

正義感のある人権派弁護士として各地を回っていますが、そのなかでさまざまなことを経験していて、善と悪の狭間で苦しんだからこそ、グレーな部分をうまく泳ぐ生き方を選んだ人。

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物語のなかで明かされる月本の過去を思うと、彼の行動は「分からなくはないな」と思いますし、映画を見てくださる皆さんにも、月本に心を寄り添わせて見ていただけたらという願望を持ちながら演じていました。

──劇中、対峙する場面もありましたが、月本にとって入間みちおはどんな人ですか?

ドラマ版もそうでしたが、仙人みたいな…何かを極めすぎた人って、ちょっと浮遊感があるじゃないですか。凪のようでもあるし。何手先も見えているうえでリラックスしているのが、みちおさんなのかなと感じました。

月本は、劇中で2回しかみちおさんと同じ空間にいないんです。でも、いないときにも、ともに行動する坂間さんの中にみちおさんを感じる瞬間があって。月本にとって精神的に近いところに存在していたんだと、対峙したときにすごく思いました。

フジテレビの映画では、僕と自転車はセット(笑)

──月本は、坂間とともにある事件の真相を追う相棒であり、恋の相手のようにも見えます。坂間と自転車に2人乗りをするシーンも印象的ですが、出来上がった作品を見ていかがですか?

自転車のシーンは、キュンとするように撮ってくださっていましたね。台本を最初に読んだときに、大事な柱として描かれていたので、大切に演じました。

“ルールを守る”ことの象徴である坂間さんが、その信念を超えて、盗んだ自転車で2人乗りをしていることが、終盤に効いてくる。自転車が映っただけで、よみがえる“2人の記憶”が描写としてもありますが、それ以上に、一時的でも同じ方向にペダルをこいだということが、意味深いなと思いました。

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──出会いから「学級委員」というワードがたびたび出てきていたことで、2人乗りのシーンは学生時代に戻っているようにも見えます。

別に失っていたわけではないと思いますが…もしかしたら坂間さんも月本も、青春を取り戻すというような瞬間でもあったのかもしれませんね。

今ふと思ったのですが、僕、作品で自転車に乗ることが多くて。「昼顔」という作品でも乗っていて…フジテレビさんの映画では、僕と自転車はセットのようです(笑)。

──完成した作品を見て、印象的だったシーンはありますか?

「このシーン」というよりは、全体の話になってしまうのですが…「ドライブ・マイ・カー」なども手掛けている撮影の四宮秀俊さんと、田中亮監督のテンポ感のミックスが印象的でした。

完成を見るまで四宮さんの画と田中監督の作風は相対するものだと思っていたんです。田中監督は仕上げ作業で作り上げるリズムが独特。それに対して四宮さんが撮る映像は、そこに映る生命を“見据える”というか、スクリーンに映すべく反射させるような、絵画のような世界感があって。それがどうミックスされるのか、現場でも想像できずにいたんです。

でも、完成品を見たら…全般的に劇場版というものの意味が、四宮さんの画によって映し出されていて、劇場でもう一度見たいなと思うくらい、特に引きの画が素敵でした。

いずれスマートフォンを含めたデバイスで見ていただくということを、僕らは加味して製作しなければいけないとは思っているんです。でも、四宮さんのスクリーンに対する思いの焼きつけ方と、田中監督特有のテンポ感が本当にいい風味を醸し出しているので、劇場で見てほしい作品だなと思いました。

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自分で作品をつくるときもそうですが、生身の人間がカメラの前に立つのであれば、ドキュメント性というか、二度と訪れない瞬間を狙いたいという思いがあります。だから、本番でいかに「いざ本番」という意識をなくすか、“本当の瞬間”をどれだけつくれるかを念頭に置いていて。

映画はもちろん、壮大なフィクションという前提があります。だけど、そこに本当の感情が垣間見えたときに、僕は感情移入するんです。そういうポイントがこの作品にはたくさんありました。

あとは、坂間さんの表情、心の変化が、特に終盤、自分が映ってない場面で月本というキャラクターを感じさせてくれていて。役者の仕事って、自分で自分を表現してアピールするということも一つあると思います。でもそれ以上に、他者を反射させるということを黒木さんから学ばせてもらいました。出てないのに“出てる感”があるというか。

しかも、撮影した順番を僕は知っているので、「あ、このタイミングで、このシーンを撮ってるんだ」ということも含めて、「すごい!」と、仕上がった作品を見て感じました。

タクシーに物申す!「竹野内さんに職権を発動してもらいたい」

──本作は、裁判官が主人公の作品ということで、「今、白黒はっきりさせたいこと」を聞かせてください。

これは賛同してもらえると思います。仕事柄、タクシーをよく利用するのですが、「迎車」の色って、「空車」の色に近くないですか?あれを白黒はっきりさせてほしいです(笑)。

「あ、来た」って一瞬思う、あの気持ちを返してほしい。波は小さいかもしれないですけど、期待と落胆をどれだけ繰り返してきたのかと思うし、今後も繰り返すと思うので、全く別の色にしてほしいなと思います。

特に今、竹野内さんがCMに出演しているものも含めて配車アプリが一般的になり、「迎車」が増えていますし、余計に落胆する機会が増えている気が…。あとで竹野内さんに職権を発動してもらえないか、相談しようと思います(笑)。

──最後に、改めて映画の見どころをお願いします。

日本全国には、その町や村に、他者にはちょっと理解できないお祭りや、習慣・風習があるものですが、それは「そういうものだ」という暗黙の了解のもと、受け継がれています。そしてそこに隠れた“問題”は、司法や法律から見逃されてきた部分があると思うんです。

この作品は、そうしたローカルエリアで起きている繊細な問題を考えるきっかけになったり、見た方の心当たりにつながったりする、とても意味の大きい作品だと思います。

それと同時に、「コンフィデンスマンJP」などで見られる田中監督のコミカルさ、見やすさ、テンポ感と、スケールの“全部盛り”のような贅沢な邦画になっています。海外作品にも負けないと思いますし、僕らキャストもスタッフも、劇場で見てもらうために作っていますので、ぜひ劇場でこの映像を体感してください。

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撮影: 河井彩美
スタイリスト:三田真一(KiKi inc.)
ヘアメイク:くどうあき

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