台風被害や地震から身を守る方法について、考えました。
女性が気になる話題について、スタジオで生討論を繰り広げるフジテレビ『ノンストップ!』の金曜恒例コーナー「ノンストップ!サミット」。
「防災の日」の9月1日(金)の放送では、気象予報士の天達武史さんとNPO法人体験型安全教育支援機構の代表理事・清永奈穂さんと一緒に、「家族で考える身を守る防災」というテーマで、MCの設楽統さんと三上真奈フジテレビアナウンサー、千秋さん、ユージさんが話し合いました。
「気付く」「考える」「行動する」…「防災3K」で気をつけるべきポイントは?
まず天達さんが紹介したのは、自分を守るために知っておいてほしい「防災3K」です。
「気付く、考える、行動する」の3つを「防災3K」と呼ぶのですが、ニュースなどを見て台風などの接近に「気付く」ことと、そのためにどうしたらいいか「考える」ことはできても、実際に「行動する」のは難しいといいます。
天達さんは、「自分のいる場所がどんな災害に弱いか把握し、『川が氾濫したらどうなるか』などを知っていないと、実際に行動することはできない」「最近の日本の夏は、熱帯に近い状況。昔の常識は通用しないので気をつけてほしい」と訴えました。
また、水害が起こりそうなときに気をつけたいポイントについても解説。
「台風から500〜1000km離れていても、大雨が降りやすいので油断禁物」「1時間50ミリ以上の雨が降ると、都市部では道路が冠水しやすい。1時間50ミリの雨の目安は、車のワイパーを最速にしても前が見づらい状況」など、具体的な例を挙げながら語りました。
天達さんの「『川の水が濁っている』など、普段見慣れた場所の異変に敏感に気付くことが大事」という話を聞き、千秋さんは「近所の川は、普段ほとんど水がないのに、雨の日の翌日、晴れているのに濁流が流れていたことがあった。そのときは上流で被害が出たと聞いた」と体験談を披露しました。
「警戒レベル4」までに安全な場所へ!避難について家族でどう話し合う?
災害時には「大雨特別警報」や「土砂災害警戒情報」など、さまざまな情報が発表されますが、天達さんは「それらの情報を網羅して気象庁がレベル分けした『警戒レベル』の『4』までに、安全な場所に避難してほしい。『5』は言い方は悪いが『手遅れ』に近く、自宅の中でより安全な場所を探すことしかできない」とアドバイス。
清永さんは、「どのくらいの状況でどういう行動を起こすべきか“マイタイムライン”を作って、家族で話し合ってシミュレーションしておくとよい」と言い添えました。
清永さんによると、災害が起こる前に家族で話し合っておくべきポイントは、「連絡手段」「避難経路」「具体的な避難場所」の3点。
災害時には親が自宅に帰れず、子供だけで数日過ごすことになる可能性もあるので、「災害用伝言ダイヤルと公衆電話の使い方」「いざというときに近所の誰に助けを求めるのか」なども、具体的に話し合っておいたほうがいいそうです。
ユージさんが「基本的には自宅に妻がいるけれど、学校からの帰り道で災害が起こったらどうするかなど、もっと詰めて話し合わなければ」と語ると、三上アナも「学校や会社では避難訓練があるけれど、自宅でもやるべきなのかも」と危機感をもってコメントしました。
防災バッグには何を入れる?外出時の災害への備えは?
番組では、年々需要が高まっているという防災グッズも取材。
基本的な防災グッズ30点がまとまった「防災バッグ」や、家族の年齢に合わせた多彩な非常食、防災グッズを部屋に置いても不自然に感じないオシャレなケースなど、ホームセンターなどでは、さまざまなグッズを展開しています。
天達さんは「こういった防災グッズに加えて、『薬』など避難所で自分しか使わない(=自治体などの備蓄に含まれない可能性が高い)ものはきちんと準備しておいてほしい」と、気をつけるべきポイントを。
千秋さんは「防災グッズは一度そろえたけれど、時間が経って開けたら捨てるものが多くて、そこで止まってしまった」と反省の表情を浮かべ、ユージさんは「小さい子がいるので、ウォーターサーバーの水は多めにストックするようにしている」と対策について語りました。
外出中に災害に遭ったときに備えて、ウォーターボトルにホイッスルやミニライト、ばんそうこうやアルコール消毒綿、ようかんや最低限の現金などを入れて持ち歩く「防災ボトル」や、同様のものをポーチに詰めた「防災ポーチ」も紹介。
清永さんは「避難所では犯罪も増えるので、防犯ブザーにテグスを結んで財布などに付けておき、引っ張られたらすぐに鳴るようにするのもオススメ」と、清永さんのNPO法人のスタッフが使っている防災ポーチに入っていた防犯ブザーの具体的な使い方も伝授。
三上アナは「普段から荷物は少なく…と思ってしまいがちだが、意識を高く持たなければ」と語り、ユージさんが「だいたいスマホと鍵だけ持って出かけてしまう」と同調すると、清永さんは「例えば、鍵にミニライトを付けておくなど、できる範囲で工夫してほしい」とアドバイスを送りました。
小さな揺れを感じたら8秒で安全な場所に潜り込む訓練を!
2018年の大阪北部地震の際に、「同じ集合住宅でも、部屋や揺れ方によって被害は異なる。過去の地震で大丈夫だったから、今日大丈夫とは限らない」と実感したという清永さんが執筆した、子供用の防災絵本「おおじしん さがして、はしって、まもるんだ」も紹介されました。
絵本では、保護者が買い物で外出し、子供が留守番をしている間に大地震が来たと想定。
身を守るために必要な行動を「うさぎ・ねずみ・かめ」に例え、
「うさぎ=キョロキョロ周囲を見回して安全な場所を探す」
「ねずみ=低い姿勢で安全な場所に潜り込む」
「かめ=縮こまって首の後ろを守る」
と、子供にもわかりやすく提示しています。
大地震が来たら屋外ではどのような被害が出るのかなどについてもまとめられた絵本を見て、ユージさんは「子供の行動範囲はそんなに広くないから、一緒に歩いているときに『どこが危険だろう?』などクイズ形式で話してみたら良いのかも」と感想を。
清永さんは「50cmの机の下に潜ったおかげで、家が倒壊しても助かった例がある」と具体例を語りつつ、「自宅の中に、体を守れる場所を意識して作っておく。そして、『地震だパン!』とかけ声をかけてから、8秒でそこに逃げ込めるか実際に試してみてほしい。イメージができているだけで、実際の災害時にパニックを起こさずに済む」と、アドバイスしました。
番組公式SNSに「アウトドアグッズは防災にも役立つので、手入れを欠かさないようにしている」というコメントが届くと、渡辺和洋フジテレビアナウンサーは「いざというときに備えて、(アウトドア用の)蓄電器を取り出しやすい場所に移動した」と、最近行った防災対策についてコメント。
一方でSNSには、「非常食くらい用意しようと思うが、忘れてしまう」「東日本大震災の後、食料確保で苦労したのに、忘れてしまっている」と、防災意識を保ち続けることの難しさを訴える投稿も数多く到着しました。
千秋さんは「『防災の日』を機に、年に一度こうやって話をすることで、忘れたことを思い出せる」と語り、三上アナも「やらなきゃいけないと思ってやれていないことを、行動に移す日にできればいい」と訴えました。
番組公式HP:https://www.fujitv.co.jp/nonstop/
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