「相手が木島先生みたいなタイプだったら距離を置いちゃう」

──奥野さんから見た、木島先生と春彦はどんな人?

先生は意地悪だなって感じですね。みなさん映画を観たら「えー!何言ってんの先生!?」となるくらい、本当にひどいです(笑)。まっすぐな春彦に対して素直になれない先生の気持ちも分かるけど、もうちょっと大人になったらいいのに。

先生を諦めずに追いかけていく春彦には「そうだよね、そうなるよね」としか思えない。僕は春彦のほうが共感できるかなというのがあります。春彦が頑張っているところが好きですね。

──奥野さんも自身の恋愛では春彦のように頑張ってしまうタイプですか?

それは違うかも。相手が木島先生みたいなタイプだったら僕は距離を置いちゃうので、2年半どころじゃなくもっと疎遠になる(笑)。応援したくなるのは春彦だけど、春彦みたいにエネルギッシュなパワーを持っている人間ではないので、積極的にはいけないですね。

──20歳を迎えて、役者として成長・変化した部分は?

できる役の幅は広がったかなと思います。デビュー作の『仮面ライダージオウ』に出演していたときにはできなかったことが、今はできているなと実感しています。

役に対してもっともっと知れるようになったというか、考えられるようになった。「この役はこういう役で、話し方もこうしたらこの子っぽいな」とか、より明確に分かるようになってきたなと思います。

──普段の生活の中で芝居のために意識して実践していることは?

人が会話しているところをよく見ているかもしれないです。「この人ってこういう話し方をするんだ」と気づくのが面白いです。

質問されたときって答える前に1回考える間があるから、ポンとすぐ答えが出ないんですよね。家族の会話でも、「いま仕事はどう?」と聞かれたときに答える自分の間とか意識しています。より自然に演技ができるように、人によってどんな風に話しているのかということが気になっていますね。

今後はより現実社会に馴染んでいるような、どこにでもいるような人を演じていきたいです。今回の静雄みたいな「こういう子っているよな」という役にはどんどん挑戦したいですし、ナチュラルなお芝居が好きなので、そういうものを求めていますね。