2月27日(土)、映画「劇場版ポルノグラファー~プレイバック~」上映記念舞台挨拶が行われ、竹財輝之助、猪塚健太、吉田宗洋、三木康一郎監督が出席した。
ここでは、猪塚から竹財へサプライズで送られた手紙の内容を全文でお届けする。
<竹財輝之助様>
竹財さん、ドラマから一緒に駆け抜けてくださりありがとうございました。
そして、木島理生をこんなにも魅力的に演じてくださり、本当にありがとうございました。
そのおかげで僕も春彦をまっとうすることができました。
今こうして手紙を書きながら、この2年半をさかのぼっているのですが、本当にあっという間で、うれしいことばかりだったなぁと思う反面、そういえば自分、最初はあまり楽しめなかったよなぁということも思い出しました。
上手くやらなきゃとか、これで本当に合ってるのかなとか、変に考えすぎて、全然余裕がなかったんです。
でもそんなとき、ふと隣にはいつも竹財さんがいて、僕や周りのスタッフさんを常に気遣ってくれたり、かと思えば「舌入れるからな」と、急に男勝りにリードしてくれたりと、役者として頼れる姿をすぐそばで見せてくれていました。
そんな竹財さんの姿に僕は、「あぁ僕は、とにかくこの人に身を任せて、ポルノグラファーの世界を楽しもう」「とにかくこの人と一緒に感じるまま、この時間を生きよう」と、自然と思えるようになれたのです。
そう思えたことって僕の中では本当に大きいことだったんですよね。
竹財さんは、「ただ好き勝手にしてただけだよ~」なんて言いそうですが、そんな竹財さんが持っている人柄に僕は無意識に魅了されていたんだと思います。
もしかしたら、もうその時点で、先生に惹かれていく春彦という関係が出来上がっていたのかもしれません。
こうやって手紙を書いていると、竹財さんと一緒にできたことは、本当に幸せだったんだなと気づかされます。
理生さんと春彦もこんな風に手紙を通して、自分の気持ちを確かめながら、心を通わせていたんですよね。なんだか、とても感慨深いです。
竹財さんは、尊敬する先輩であり、頼れる戦友でもあり、言葉ではいい表せない絆みたいなものもあったりで、とにかく僕の中では特別です。
ポルノグラファーはこれで完結ですが、たまには会って、声を聞かせてください。ゴルフを教わるのも秘かな楽しみです。
最後になりますが、改めまして、理生さんを生きてくださって、本当に、本当にありがとうございました。
猪塚健太