4月11日(日)、18日(日)14時より、フジテレビでは『ザ・ノンフィクション 放送1000回SP』が放送される。

4月18日(日)に放送1000回目を迎える『ザ・ノンフィクション』。この大きな節目を迎えるにあたり、番組では2週にわたり「放送1000回SP」を放送する。四半世紀を超える長い歴史の中で『ザ・ノンフィクション』が果たして何を描いてきたのかをたどっていく番組となる。

4月11日(日)放送の「前編」では、1995年10月15日の記念すべき第1回放送から90年代、2000年代の番組の軌跡をたどる。

阪神・淡路大震災やオウム真理教で日本が激震する年に始まった番組は、今でこそ市井の人々を取り上げる番組というイメージが強いが、第1回の主人公は野茂英雄。日本人メジャーリーガーの“パイオニア”となったアスリートの挑戦から『ザ・ノンフィクション』の歴史はスタートした。

折りしも“平成の大不況”と呼ばれた時代。被写体は、苦しい時代を懸命に“生きる”人々へとシフトしていく。ホームレスの夫婦、うず高く積まれた段ボールをリヤカーに乗せて日銭を稼ぐ人、借金にまみれて社会からドロップアウトしていく人…。

そんな“きょうを懸命に生きぬく人々”の姿をとらえた番組は、視聴者の心をつかんでいき、97年9月に放送した「借金地獄物語」は、日曜の午後としては異例の歴代最高視聴率15.9%を記録した。

そして時代は21世紀へ…。閉塞(へいそく)感漂う時代の中で、今を生きる人々の姿をとらえた人情あふれるヒューマンドキュメントが多く制作され、数々の話題作を生み出していく。そんな人々の背中を押すように、2003年に誕生したのが“生きてる。生きている。”のフレーズでおなじみの番組テーマ曲「サンサーラ」だ。

最初の放送では、ボーカルのないインストゥルメンタルで始まった楽曲は、その後、8組のミュージシャンに歌い継がれ、今や『ザ・ノンフィクション』の代名詞となっている。

そんな「放送1000回SP」の“語り”を担当するのは、女優の宮﨑あおい。最初にこの番組のナレーションを読んだのは18歳の時。以来、最多の34回の放送を担当してきた彼女の“語り”とともに『ザ・ノンフィクション』の軌跡をたどる。

そんな宮﨑から、コメントが到着した。

<宮﨑あおい コメント>

――18歳の時に初めて『ザ・ノンフィクション』のナレーションを読んだ時の気持ちは?

ナレーションの経験もあまり無かったので、緊張していたのを覚えています。ブースの中にいても、外にいるプロデューサーさんの声がものすごく聞こえていたんです。マイクの前にいるディレクターさんが指示を出しているのではなく、その後ろにいるプロデューサーさんが指示を出していました。

――ナレーションを担当した回で一番印象に残っている回は?

ホストの方たちの回は、自分が普段見ることのない世界の方たちのお話でしたし、シリーズだったこともあって、印象に残っています。後半に出てきた新人のホストの方とのやりとりで、お部屋に置いてあった着ぐるみを投げたんです。映画やドラマで、もしそれをしたら “わざとらしいからやめておこう”と言われてしまうようなことだったのですが、 “リアルってこういうことなんだ”と思った記憶があります。

そして、その後いろいろ大変な事が起きたんですよね。人生ってさまざまなことが起こるんだなというのを長い期間にわたって追わせてもらったので、このシリーズはとても印象的でした。

――番組で、知らない世界や価値観に出会うことも多かったですか?

私はシンプルにこの番組のファンなので、今収録を終えたのですが、心の中が忙しかったです。今まで声のお仕事をさせていただく時、無意識のうちに、その物語に寄り添ってナレーションを読ませてもらっていたというのを改めて実感したんです。

そのひとつひとつに寄り添うことに忙しかったので、読んでいてもふわーっとその気持ちに入っていくのだけれど、またすぐ違う気持ちに入っていかないといけないのが、今回の総集編で、ものすごくぜいたくでもあり、大変なことでした。

自分が読んでいて泣いてしまうこともありましたし、自分が関わっていない作品で感動したり、学んだりすることもたくさんあったので、すごい番組だなと改めて思いました。

――今回の「放送1000回SP」の見どころは?

いろんな方のナレーションをぎゅっとたくさん見られたのも個人的には面白かったです。過去のダイジェストではなくて、全部を見たい回もたくさんありました。もちろんこれまで『ザ・ノンフィクション』を見てこられた方もご覧になると思いますが、初めてこのスペシャルを見た方も、きっとこの番組をこれから見続けようと思われるのではないかと思いました。本当に面白かったんです。

私も長くこの番組を見ていきたいので、大変な時代になってきたし、密着するのもなかなか難しいでしょうけど、頑張って下さい。これからも一ファンとして応援していきたいと思います。