<第3章「北斗夫婦の場合」あらすじ>

6年前、偶然の再会をきっかけに大学時代の先輩・達也(平岡祐太)と交際をはじめ、なし崩し的に授かり婚をした亜紀(北乃きい)。

現在、1児の母をしながら家事代行サービスのパートで働く彼女の悩みは、結婚を機に達也が「おまえ」と呼び出したことを筆頭に、見下す態度を隠さなくなってきたこと。特に、年に数回訪れる達也の実家で亜紀は、“家事は嫁の仕事”だからと何もしない達也とその家族に好き放題こき使われ、不満を口にすると、達也からかばわれるどころか嘲笑される始末。

亜紀は「最初に、あの瞬間、いやだと言えていれば…」と、雪だるま式にふくれあがる違和感の数々を家事代行サービスの訪問先で桜小路司(柊太朗)に打ち明ける。

同じ日の夜、亜紀は結婚後に一度も帰省できていない実家の母から連絡を受けて、次の正月休みこそは達也の実家ではなく、子どもを連れて親元で過ごそうと決意する。

だが、その願いもむなしく、勝手に達也の実家に帰省することにされてしまう。亜紀が抗議をすると達也から家事を「女がやって当たり前の雑用」と馬鹿にされた挙句、真剣な怒りを“ヒステリー”扱いで一蹴される。

家事も育児も妻に押しつけ、ゲームにふける達也にモヤモヤがあふれそうになりながらも、夫の収入を頼りに生計を立てている以上は仕方がないと呑み込もうとする亜紀。だが翌日に達也から信じられない告白を受け、唖然とする――。