<猪狩蒼弥 コメント>
役者として、まだまだ未熟な自分ではありますが、一流の皆様との感情の応酬に少しでも携われたことを、大変光栄に思っております。
『先生の白い嘘』の原作を拝読したとき、なんと心苦しく叙情的な話なのだろうと感じ、作品の中で生きる人物たちの叫びに圧しつぶされそうになったのを憶えています。
そして同時に、本作のキーマンである新妻役を自分が務める事の重大さを再認識し、この難しくも絶対に目を逸らしてはいけないテーマに対して、真摯に向き合いたいと思いました。
主演の奈緒さんをはじめ、三木監督、風間俊介さん、三吉彩花さんから沢山のことを勉強させていただきました。
先生の伝えたかったこと、そして新妻の伝えたかったことが、僕を通して少しでも皆様に伝われば嬉しい限りです。
<三吉彩花 コメント>
小学生や中学生の時、よく少女漫画を読んでいました。家もたくさんの漫画で埋まっていて、漫画を読んでいる時は楽しくて仕方がない時間でした。
その時感じていた純粋な気持ちとは180度違う角度からの人間模様を映画化するとうかがった時、とても不思議な気持ちになりました。
原作を読ませていただき、1シーンごとに頭の中でどんどん実写化されていきこの作品に触れたいと、純粋な気持ちが湧き出てきたので出演を決意させていただきました。
この作品で喜びや楽しさを見出すのは難しいのではと率直に思いましたが、だからこそ脚本を隅から隅まで読み、美奈子や登場人物たちの小さな喜びやその人の幸せ、そして叫びや意志を汲み取り自分自身に宿らせることが楽しくなるだろうと感じた脚本でした。
彼女のような価値観や感覚がとても共感できる部分でもありながら、それと同時に寂しさや現実的な部分を美奈子によって見せられているような感覚でした。
一見明るくポジティブに見える面も、奥には殻の中に閉じこもって迷っている美奈子がいるということ、そしてそれでも強い意志を持って自分自身を証明していく彼女の強さを是非感じていただけたら嬉しいです。
<風間俊介 コメント>
今まで演じさせていただいた役柄、すべてに愛を持ってきましたが、今回『先生の白い嘘』のお話をいただいた時、初めて早藤という役を愛せないかもしれないと思いました。
それと同時に、僕自身が愛せないかもしれない役を演じた時に、自分自身がどうなるかを知りたいという気持ちにもなりました。
魂を擦り減らし、己と反発する感情と共に向き合った作品です。この作品が、誰かを鼓舞し、誰かを救うことを願っています。
主題歌はyamaの『独白』に決定!
また、主題歌は、yamaさんが本作のために作詞を手掛けた『独白』に決定。yamaさんは、2018年よりYouTubeをベースにカバー曲を公開する活動をスタート。
2020年4月にリリースした自身初のオリジナル楽曲『春を告げる』が、MV再生回数1.4億回、ストリーミングの累計再生回数は2022年に3億回を超えるなど、現在の音楽シーンを象徴するアーティストの一人として注目されています。
<yama コメント>
主人公の美鈴は「先生」という人を導く立場でありながらも、不安定な精神状況で身をすり減らして生きており、見ていて心が痛みました。
性に対する嫌悪、傷付けられた自尊心、自責思考に陥り、自分自身と向き合うことの難解さはリアルに描かれていました。
それらはテストにあるような模範的で道徳的な答えで導き出せるほど、簡単な問題ではなく、それぞれが人間味のある感情、トラウマ、矛盾を抱えているので自分も複雑な思いになりました。
消えない傷を抱えながら、自分自身を受容し、散らばった心を少しでも取り戻していけるように願って『独白』の歌詞を書きました。
楽曲とともにお楽しみいただけたら幸いです。