<増子敦貴 インタビュー>

――注目の舞台『千と千尋の神隠し』の公演中ですが、まずはハク役に決まったときの心境から聞かせてください。

大変おこがましいのですが、僕はハクという役柄に合うのではないかと勝手に思っていたので、オーディションは死ぬ気で勝ち取りにいきました。

合格と聞いたときは神様からの贈り物のように思い、「よっしゃぁ!」となりました。すごく嬉しかったんですけど、同時に不安とプレッシャーも感じました。

――2022年の初演は観ていたんですか? 

はい!そのときが帝国劇場で初めての観劇だったのですが、大好きな三浦宏規くん(ハク役)のお芝居はもちろん、目の前で繰り広げられる『千と千尋の神隠し』の世界に、何と表現していいのかわからない感情といいますか、「素晴らしいものを観た」と1日中余韻にひたっていたことを覚えています。

 

――稽古で苦労したことがあれば聞かせてください。

今回は再演なので完成形がすでにあって、その形をすべて覚えていく作業から始めました。どのような動線で動くかなどまず段取りを覚えていき、その後にハクがなぜ、そのような行動に至ったかなどの理由を足していく感じで。これまでやってきた舞台作品とは順番が逆だったので、そこに苦労しましたね。