綱啓永 “泣き芝居”の直前にプレッシャーをかけられ「気持ちがブレそうに」

──ご自身が演じる和樹はどのような人物と捉えて演じていますか?また、ご自身と似ている部分はありますか?

和樹はガツガツと前には出て行かず、後ろでみんなを見守って笑っている人。僕も小学生くらいまでは控えめな性格だったので、その点は似ていると思います。中学生になってからサッカー部に入って、控えめな性格では無くなったんですけど(笑)。

──演じるうえで意識していることはありますか?

第3話までは、明日香(広瀬)や遥斗(眞栄田郷敦)たちと距離をとっていて、何かを秘めたような表情をすることが多くて。表情に出し過ぎるのも違うと思っていましたし、監督と相談して、“ちょうどいい表情”を探りながら演じていました。

──高校時代と現在という12年の幅がある2つの時間軸を演じていますが、難しいですか?楽しいですか?

2つの時間軸を演じるのは初めてなんですけど、楽しいですね。

最初は苦労するかもしれないと思っていたんです。でも、僕はヘアメイクと衣装が役作りの大半を占めると思っているのですが、制服を着て撮影に入れば高校時代の和樹になれるし、スーツを着れば現在の和樹になれるし、切り替えの難しさは感じませんでした。

あとはもうみんなと心を通わせて、その場で感じたものを大切にしてお芝居しています。

──狩野雄太Pが先日の取材で、第3話の眠る遥斗に涙を流しながら語り掛ける芝居に圧倒されたと話していました。

あのシーンは3話のクライマックスというか、主題歌が流れるポイントだと感じていたので、「ここは、決めないと」と気合いが入っていました。

3話には、遥斗が手掛けたレストラン「パトリア」で自分が撮った写真「No.3」が飾られているのを見て、いろいろと思い出して涙をするシーンもあって。実はこのパトリアのシーンを撮った次の日に病室でのシーンを撮影したんです。

2日連続で重要なシーンだったので「やばいな」と思ったけど、パトリアのシーンを無事に撮り終えて。ホッとしていたら、翌日の病室のシーンを見に脚本の清水(友佳子)さんがいらして「今日は和樹のお芝居を見に来ました」と、すごいプレッシャーをかけられました(笑)。

もう本当に「勘弁して!」という感じで、気持ちがブレそうになりましたが、狩野さんにもそういうふうに言っていただけるシーンになって、良かったです。見てくださった皆さんからも「よかったよ」と言っていただけましたし、また一つステップアップした自分を見せることができたのかなと感じています。