<井手上漠 インタビュー>
――『ザ・ノンフィクション』の“語り”初挑戦ですが、収録中、スタッフから「やさしい声」「すごくいい」という感想があがっていました。
ありがとうございます。私も、いち視聴者になった気分で読みました。登場する人々の言葉に寄り添い、主題歌『サンサーラ』の音楽にのせて、私も感情が入って気持ちを込めて読めたと思います。
声については、芸能の仕事を始めてから「やさしい」と言ってくださる人が多くて、より自分の声を好きになりました。
――映像を見ての感想はいかがですか?
人間誰しも自分が主人公である、ということを自覚させてくれる内容だと思いました。私たちは普段、感動のフィナーレが待っている物語や、波乱万丈の人生に目を向けがちで、「自分とは違う世界だ」と思うことが多いかもしれません。
でも今回の内容は、原田さんのようなリアルな生き方にピント合わせて、実は誰もが波のある人生のなか戦って生きているということを、改めて教えてくれる映像だと思います。
――原田さんの印象はいかがですか?
原田さんは帯金さんの夫公認で、帯金さんのそばにいて想い伝え続けている。2人のような関係性はあまり見たことがないですし、すごく不思議だなと思います。相手がいないと心に穴が開いたように感じるくらい、お互いが素敵な存在なのだと感じました。新しい世界を見せていただけたような気がします。
――原田さんにとっての帯金さんのように、井手上さんの支えになっている方はいますか?
母です。良いか悪いかは別として、島根から上京した今でも、本当に信頼している大人は母だけ。これは一生変わらないと思います。私がまだ若いからこその答えかもしれないですが、今はそう決めています。私が仕事をする理由も、生きている理由もすべて、原点をたどると母のためなんです。
私は学生の時に一度だけ、本気で死のうと思ったことがあります。でもその時に、生きることを楽しみに変えてくれたのが母でした。母子家庭で、いろいろあったなかでもずっと味方でいてくれました。
母は「子どもが幸せそうに生きていることが、親にとっての恩返し」と言います。でも私は「母に対してできることは、できるだけやってあげたい」という思いが、親元を離れてからより強くなりました。それを叶えるまで私は死ねない、みたいな気持ちがあります。
――お母さまとはよく連絡を取ったり、会ったりしているのでしょうか。
そうですね、連絡はとっていますし、たまに泊まりにきたりもしています。「会おうよ!」みたいなノリで約束して一緒にご飯へ行ったり、近況報告をし合ったり。いまは友達みたいな感覚ですね。