提供曲をセルフカバーすることで「自分のものになる感覚があった」と振り返った小池さん。“エモさ”に定評のあるメロディはどのように培われたのでしょうか?そのルーツを聞いてみると…。

“エモさ”の原点は「EXILEさんの泣けるバラード」歌える人ならではのメロディ

――自分にしか書けない曲の魅力はどこにあると思いますか?

自分で言うのはちょっと恥ずかしいんですけれど(笑)。一番の旨味は、サビのキャッチーさや爆発力にあると思っています。よくご一緒する作家さんからは、メロディの組み込み方や詰め込み方が「歌える人ならではだね」と言っていただきます。

メロディの作り方は人それぞれですが、僕みたいに歌う人間だと、鼻歌で作ったりもします。自分の手癖というか、脳内から自然に出てきたものがメロディになるので、僕らしさがより出るのかなと。あとは、ポップで明るく多幸感もあるのに、よくよく聴くと泣けてしまうような展開の作り方が、僕の曲の特徴だと思います。

――それは意識して培ってきたものなのでしょうか?

多分、昔からEXILEさんやLDHのグループの音楽で育ったからだと思います。EXILEさんの泣けるバラードが僕の中に根強くあるんです。そこに、J-POPのアイドルソングのようなものがうまく合わさることで、底抜けに明るいかと思いきや、どこか涙してしまうような歌詞や構成が生まれるのかなと。

――そういった“エモさ”を作り出せる理由には、“EXILE育ち”の影響があったのですね。

物心ついた頃から、両親がEXILEさんのライブに行っていて。僕が、一番影響を受けたのは今市隆二さんなのですが、小学4年生のときに三代目 J SOUL BROTHERSさんがデビューして、そこからずっと追いかけてきました。

実はこの『CIPHER』というアルバムタイトルも影響を受けていて。僕が初めて「行きたい」と思ったライブが三代目さんのツアー『0~ZERO~』なんです。CIPHERには“0”という意味があって、自分の音楽人生を回顧する、そういう意味でも通じる部分があります。

――アルバムにはオリジナル曲も3曲収録されています。

アルバムを作ると決めてから書き下ろした3曲で、自分の作りたいように作らせてもらいました。

『CIPHER』は、このアルバムの表題曲にしようと決めていたので、何度も作り直して、自分が納得いくまでこだわりました。音の並べ方もそうですし、歌詞はGENICでも提供曲でも表現できない、小池竜暉でしか表現できないものになったかなと思います。

『ばーかっ!』は僕の実体験をもとに、女の子目線に落とし込んで「ばーかっ!」という気持ちを素直に歌っています。ドロドロした感情ですが、それを明るく笑顔で話していないと、「もうこっちはやってられないんだぞ」という気持ちを込めました。明るくポップでかわいいサウンドの中に、自分の“怨念”を詰め込んでいます(笑)。

『ハグ』は、その次に続く、GENICの曲『ラストシーン』とも似ていますが、すごくきれいなメロディになっています。歌詞の内容はフィクションですが、物語のような起承転結がある曲になりました。何度も聴いていただくうちに、聴く人それぞれが自分の背景に重ねて受け取ってもらいたいです。いろいろな方の力をお借りして、やっとできたアルバムです。フルコースのように、1曲ずつ味わって聴いていただけたらうれしいです。